嵐 / 島崎藤村
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私たちはこんな言葉をかわすようになった。「番町の先生」とは、私より年下の友だちで、日ごろ次郎のような未熟な
やがて次郎は番町の先生の家へも暇乞いに寄ったと言って、改まった顔つきで帰って
「しかしお餞別と思えばありがたい。きょうは番町でいろいろな話が出たよ。ヴィルドラックという人の持って来たマチスの
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の平野が遠く見渡される。天気のいい日には近江の伊吹山までかすかに見えるということを私は幼年のころに自分の父からよく聞かさ
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数えるほどしか離れられてなかった今の住居から離れ、あの恵那山の見えるような静かな田舎に身を置いて、深いため息でも吐いて来たい
のそばに立って、久しぶりで自分を迎えてくれるような恵那山にもながめ入った。あそこに深い谷がある、あそこに遠い高原がある、と
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は末子を連れて行こうとしていたばかりでなく、青山の親戚が嫂に姪に姪の子供に三人までも同行したいという
られる農家風の土間もめずらしかった。奥もかなり広くて、青山の親戚を泊めるには充分であったが、おとなから子供まで入れて五人
七日の後には私は青山の親戚や末子と共にこの山を降りた。
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「そう、そう、あの青山の墓地の裏手のところが、まだすこし残ってる。この次ぎにはあそこを歩いて
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甲府まで乗り、富士見まで乗って行くうちに、私たちは山の上に残って
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注意を払った。十番で用の足りないものは、銀座まで買いにお徳を娘につけてやった。それほどにして造りあげた
久しぶりで郷里を見に行く私は、みやげ物をあつめに銀座へんを歩き回って来るだけでも、額から汗の出る思いをした。
茶の間には古い柱時計のほかに、次郎が銀座まで行って買って来た新しいのも壁の上に掛けてあった。
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「僕もよく考えてみよう。こうして東京にぐずぐずしていたってもしかたがない。」
太郎さんともよく相談して来るよ。それまでお前は東京に待っておいで。」
ことができた。そこまで行くと次郎たちの留守居する東京のほうの空も遠かった。
東京の朝も見直すような心持ちで、私は娘と一緒に家に帰りついた
そう言えば、次郎ちゃんも一年に二度ぐらいずつは東京へ出ておいでよ。なにも田舎に引っ込みきりと考えなくてもいい
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やお徳を思いとまらせたが、せめ三郎だけをやって、飯田橋の停車場まで見送らせることにした。
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落合川の駅からもと来た道を汽車で帰ると、下諏訪へ行って日