熊本 松江 富山 新潟 東京 大久保

小泉といふ士族の家へ婿入りして、日本人になり、熊本の高校、東京帝大に轉任して英文學の講義をし、おしまひは早稻田

にアメリカへ渡つて文學者となり、日本へ來て出雲松江の中學教師となり、小泉といふ士族の家へ婿入りして、日本人に

あらうかといふので、私もそちらに同意して、富山へ送つてしまつた。

まだまとまらぬうちに、夫人がまたやつて來られて、富山の高等學校から校長の南日さんが見えて、一萬圓でもいいから

。南日さんはかういふ風に背水の陣をしいて、富山へ歸つて、縣内の有志の間に熱心に説き囘つて、やうやく一

で政府から豫算を貰つてゐるのではないが、富山のやうな所に高等學校などを始めても設備が不充分で、ことに

が建てたい。南日さんのやうな人が、この場合、新潟にも何百人も出なければならない。

新潟に、これから出來るのは高等學校ではなく、綜合大學といふもので

の家へ婿入りして、日本人になり、熊本の高校、東京帝大に轉任して英文學の講義をし、おしまひは早稻田へ來て亡く

といへば、日本人の名であるし、日本人として東京の宅で死んでその全集は日本語で出版されてゐるが、父は

あつた。その藏書といふのは、日本造りの西大久保の宅で、フランス語の本が一室、英語と日本語の本が一室、純