満洲 築地小劇場 茨城 巴里 秋田 神田 東京 浅草 新宿 銀座

、無産者の活路のためにやられているのだ。満洲を取ったら大資本家を排除して、我々だけで王国をたてる。内地の失業者

、我々だけで王国をたてる。内地の失業者はドシ／＼満洲に出掛けてゆく、そうして行く／＼は日本から失業者を一人もいなく

慰問金のことになると、清川は、満洲に行っている兵士は労働者や農民で、我々の仲間だ、だからプロレタリアートの

彼女はそれから自分たちのグループを築地小劇場の芝居を見に連れて行ったことを話した。どの女工も芝居と云え

母は又茨城にいる娘の夫が、これから何んとか面倒を見てくれるそうだ

した。たゞ困ったことは、この辺の家は「巴里の屋根の下」のように立て込んでいるので、窓を少しでも

て寝ていた。私は想い出すのだが、父が秋田で百姓をしていた頃、田から上がってくると、泥まみれの草鞋

又始まったなと云った。彼の話によると、神田伯山は何時でも腹巻きに現金で百円はどんな事があろうと手つか

須山は何時もの彼の癖で、何を考えたのか神田伯山の話を知っているかと私に訊いた。私は笑って、

、十銭とせしめた。こうなると、須山の「神田伯山」もないものだ、と私は苦笑した。須山や伊藤は心配

」と書いているそうだが、（Ｓは須山の「神田伯山」とちがって、こういうことをよく知っていた）彼はその

」はいない。私の隣りでは銀行員らしい洋服が「東京朝日」を読んでいた。見ると、その第二面の中段に「

が延びて、活動が出来るぞ！」と考えた。たゞ東京の冬は、明る過ぎるので都合が悪かったが。――然しこういう

私は随分舌を巻いた。少しでも暇があると浅草のレビュウへ行ったり、日本物の映画を見たり、プロレタリア小説などを読ん

になっていた。伊藤や辻や佐々木は、皆が浅草のレヴューか片岡千恵蔵にしようと考えているので、それを「左翼劇場

をしていた）と無駄話をしながら、新宿とか浅草などを歩き廻わることもしたし、工場細胞としての厳重な政治

途中、私はその鉄棒のはまった窓から半年振りで「新宿」の雑踏を見た。私は一つ一つの建物を見、一

して仕事をしていた）と無駄話をしながら、新宿とか浅草などを歩き廻わることもしたし、工場細胞としての

ように、モット帽子を前のめりにした。だが私は銀座を何カ月見ないだろう。指を折ってみると――四カ月も見

と訊くと、「銀座」だという。これは困ったと思った。こういうさかり場は苦手な