四谷 熊谷 横浜 大阪 早稲田 米川 海東郡 神守村 堺 本所 パリ 本郷 名古屋 日比谷公園 仙台 秋田 宇都宮 千葉 静岡 和歌山 市ヶ谷 巣鴨 東京 赤羽 大久保 神田 浅草

はいるだけを同じく山田から借りねばなるまい。これは四谷の山田を通じてよく相談するがよかろう。

『青年』の原稿は熊谷に渡したか。早く出すように言え。雑誌の相談はどうなったか。

春および菊の許に詳細の報告をして貰いたい。横浜にいる松枝にも会っていろいろ話して見るがいい。

松枝は横浜のどんな学校にいるのか知らぬが、東京の相応の学校に転校したら

書信用紙がないと言う。次の二十八日には、大阪へ出す手紙を書いている中に時間が来て監房へ連れて帰られる。

著、社会経済学。福田徳蔵著、経済学研究。文芸全書（早稲田から近刊の筈）英文、言語学、生理学（いずれも理化科学叢書の）、科学

大きくなったろうね。山田へ行く時があったら、細君に米川のお悔みをよろしく頼む。

のには自分ながらほとほとあきれた。それと最初の答から海東郡だの神守村だのという言いにくい言葉ばかりなんだから。僕はこんど

ながらほとほとあきれた。それと最初の答から海東郡だの神守村だのという言いにくい言葉ばかりなんだから。僕はこんど出たら、どこ

しかし来ないのは僕のところばかりでもないようだ。堺のところなぞもまだ来た様子がない。少し変だ。きっとこれは社会に

の箱張りだ。煙草と一緒にもらうあの小さなマッチで、本所の東栄社という、ちょうどオヤジと僕との合名会社のような名のだ。

パリから書物が来たら、著者の名と書名とおよび紙数とを知らしてくれ。

張か、あるいはパリにいる谷の友人のところへ金を送ってやって、この五種のもの

古本を買っては売りしているということだが、本郷の例の本屋と協定して、初めに十円か十五円出して置いて

は浅草の何とかいう家へ、猪へは他の名古屋附近の親類へ、それぞれよろしくと添えてくれ。

『家庭雑誌』に載った秀湖のハイカラ女学生論も、決して日比谷公園で角帽と相引きするをもって人生の全部と心得ているようなもの

が来るだろう。お絹嬢にでも取りにやらせろ。仙台に行っている筈のことを忘れるな。

なお、伸に、仙台や新発田で父がごく親しくしていた人達に大体のことを書い

叱っておくれでない。それよりか清馬※今大逆事件で秋田に終身ではいっている坂本清馬のこと※が口ぐせのように歌って

その竹の棚の中にある。持って行くのは、宇都宮か誰かに頼んだらよかろう。それから古川浩のところに事情を話して

千葉から

この監獄はさすが千葉町民の誇りとするだけあって、実に立派な建築だ。僕等の

千葉あたりに住みたいなどとそんな我儘を言うものでない。病気はいかが。猫

名を変えて入れて貰ったら、無事に通過した。千葉の役人は英語も碌に読めないので、本の表題を和訳して差入れ

、二度目の夏は市ヶ谷、そして三度目の夏はここ千葉というように、いつも離れ離れになっていて、まだ一度もこの月の

れて来た。何のためだかは知らないが、千葉にはいささかの名残りもない。塵を蹴立ててやって来た。ここで

いるのじゃあるまいかと心配している。八月の千葉での面会の時に、読んでしまった本を持って帰れと言った

ごく軽い下痢なのだ。しかしちょうどこれと同じ下痢にかつて千葉で半年間いじめられたのだ。それがあと三、四年もたたった

鹿住から何とか返事があったか。あるいは静岡の方からそんなところへ寄らなくともいいとか何とか言われていや

保子に言う。この手紙を持って静岡へ行って、そしてなおいろいろ詳しい事情を足下から話して来てくれ。また

静岡からその後何とも言って来ないか。こちらからは、もう一度手紙を

伯父あるいは伸の許に書き送って貰いたい。同時に足下は静岡へ行って、一方伯父および伸と謀るとともに、一方母との交渉

進はまだ静岡にいるのか。これは早くきまりをつけてやってくれ。

小塩、および名をちょっと忘れたが何とかいう弁護士。和歌山附近では山田、楠井、津村。および春と菊。なお山田（東京）

市ヶ谷から（一）

市ヶ谷から（二）

なる。計画したことはみな行き違う。ついに初めての家の市ヶ谷を落ちて柏木の郊外に引っこむ。思えば、甘いなかにもずいぶん辛い、

そうだね。一体どこが悪いのか。雪の日に市ヶ谷へ行ったからだというが※二、三人の仲間の出獄を迎い

市ヶ谷から（三）

で冬を送るのもこれで二度目だが、ここは市ヶ谷や巣鴨から見るとよほど暖かいようだ。それに、僕等の監房はちょうど

まだ市ヶ谷にいた時、一日、堺と相語る機会を得て、数人の

年、しかもその最初の夏は巣鴨、二度目の夏は市ヶ谷、そして三度目の夏はここ千葉というように、いつも離れ離れになって

市ヶ谷から（四）

巣鴨から

、みんなで大いにうらやましがったことがあった。ところがこの巣鴨の監獄にも、白だの黒だの斑だの三毛だのと、

昼夜時の過しようがない。わずか二、三日して巣鴨に帰ると、獄友諸君からしきりに「痩せた痩せた」というお見舞い

巣鴨に帰る。「大そう早かったね、裁判はどうだった」などと看守君

巣鴨にて、一〇九八生

というだけで、着物は十分に着ているのだから巣鴨の同志のことを思えばそう弱音もはけない訳さ。窓外の梅の

出る時に較べれば一貫三百五十目増えている。また先きに巣鴨にはいった時に較べれば百目ばかりしか不足していない。そしてこの

が、入獄の時に体重が十四貫五十目あった。巣鴨を出る時に較べれば一貫三百五十目増えている。また先きに巣鴨にはいっ

だけで、着物は十分に着ていられるのだから、巣鴨の同志のことを思えばそう贅沢も言えない訳だ。しかし寒いことは

あなたはこの寒さに別にさわりはないか。また巣鴨の時のように、留守中を床の中で暮すようでは困るから

その夢もわずか九カ月ばかりで破れてしまう。僕は巣鴨に囚われる。そしてしばらくするうちに、余罪で、思いの外に刑期が延びる。雑誌

巣鴨にて、一二〇〇生

電車の刑を執行されても、巣鴨へ行くようなことはない。みんな済ましてから行くのだろう。

半敷ぐらいの分房で、なかなか小ざっぱりしたものだ。巣鴨に較べて窓の大きくてそして下にあるのと、扉の鉄板でない

たしか去年の今日は巣鴨を放免になった日だったね。

を送るのもこれで二度目だが、ここは市ヶ谷や巣鴨から見るとよほど暖かいようだ。それに、僕等の監房はちょうど真南向き

ない。数うれば早や三年、しかもその最初の夏は巣鴨、二度目の夏は市ヶ谷、そして三度目の夏はここ千葉というよう

しかし足下も前の巣鴨の時と違って、こんどはいつも肥え太った、そしてあざやかな笑顔ばかり見せるの

の事件について二つお願いがある。一つはかつて巣鴨の留守中に借りた三十円の金をこの際返してもらいたい。こんな

手紙は、一日に平均三通ずつ来る。東京監獄では、監房の中に保存して置くことができたので、

きのう東京監獄から帰って来た。まず監房にはいって机の前に腰を下ろす

裁判がすめば一とまず東京監獄へ送られる。門をはいるや否や、いつも僕は南京虫のことを

ただ東京監獄で面白いのは鳩だ。ちょうど飯頃になると、窓の外で

この露国の『謀反人の言葉』は、今東京監獄の一監房の隅において、その友と語るの自由なき日本の

。細君はどうだ。秋水も土佐を出たとか、東京へ着いたとかいう話だが、どうしたか。いつか常太郎君

まったく家を棄てたものだ。かつて最初の入獄の時、東京監獄からそのことを父に書き送ったことがある。父は君にもそれ

母が止るとしても、三保の家は引上げて、東京で僕の家の近所に住んで貰いたい。したがってあの家および土地は

ちょうど学年の終りあるいは始めの時だ。そして、子供はみな東京に集めて、足下にその世話を頼みたい。またもし母が止るとし

、子供等をみんな引連れて、もしできるならこの暮れ中に東京に引上げたらどうか。

希望をもっているのか知らぬが、この休み中は東京で一緒に暮すこととして、その間に若宮などに会わせて、

当分それでもよかろう。いずれにしてもこの休み中は東京で一緒に暮して、みなとよく相談するがいい。僕は久しく会わぬが

松枝は横浜のどんな学校にいるのか知らぬが、東京の相応の学校に転校したらよかろう。伸の話では、教会で教育

これと他の四百円という借金を払い済して、なお東京へ引上げる費用が残ってくれればいいが、もし不足するようなら、紀州の

東京の家は今のあたりでもよし、また都合によっては市中に

は三月まで今の学校にいて、四月には東京の何処かに転校して、そしていろいろ足下の手伝いをさせたい。

は山田、楠井、津村。および春と菊。なお山田（東京）には米川へ、茂生には浅草の何とかいう家へ、

にして、足下と伸との連名で出してくれ。東京では、山田、茂生。名古屋附近では猪、銀之丞、中村、中根、

堀保子宛・明治四十三年九月十六日・東京監獄から

ぐらい大いに御馳走してやってくれ。来月末には厳穴※赤羽※が出る。その次は来年の正月の兇徒連。人のことでは

まだ三保にいるのかと思うが、ともかくも大久保に宛ててこの手紙を出す。表に至急としてあるから、いずれに

、何処かの中学の三年か四年に入れたい。神田の正則予備校を始めその用意をする学校はいくらもある。また、各中学

。なお山田（東京）には米川へ、茂生には浅草の何とかいう家へ、猪へは他の名古屋附近の親類へ、