荒蕪地 / 犬田卯
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あったかと思うと、東京サ行って、まるで西洋みてえな丸の内なんちうところドレエブしてみろ、いい気持なもんだぜ。」
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計画」なるものをでっち上げて、向う七ヵ年間に諸君の東京を世界的な文化都市にして見せると豪語して、やんやの喝采を博し
後藤新平はそれによってお得意の大風呂敷を拡げ、「大東京計画」なるものをでっち上げて、向う七ヵ年間に諸君の東京を世界的な
は、このほど例の大震災で焼野原と化してしまった東京市を復興するについて、早速、臨時議会が召集され、そして六億
「東京の方では、この寒さにまだ寝るところも出来なくて、バラックと
、こんど財政をやることになった古谷の若旦那どのは『東京もン』で大学教育を受けた人物であるから、物分りがいいに決まって
が見られるようになった。人の噂によると、東京での商売があまりうまくいかず、先祖代々の家業の方も、先代の
当主傅介は東京方面で、親父とは少しく違った方面の建築材料商をはじめたとかで
、一々しかつめらしい『××法律事務所、弁護士、法学博士、元東京地方裁判所判事、代理人、何某』と印刷された文書に、大きな、眼玉の
のであった。先代同様に、いや、先代よりはとにかく東京という文化都市――…………………………………
僕の工場の方へ来て働かんかね、なアに、東京の方ではないよ。この近くへ、もう一つはじめるんだ。ほら
ている頃と考えたからである。それに毎週金曜日に東京から出張してくるはずだときいた当の弁護士、博士、何某なる人物
、若旦那には口を出す権利はない……。流暢な東京弁で一気にまくし立てられるばかりか、その隼のような、じっと見据えられる眼
俺どももこれ、ちょっぴり功労があったかと思うと、東京サ行って、まるで西洋みてえな丸の内なんちうところドレエブしてみろ、いい気持な
ために後藤新平閣下の計画どおりに、実に立派な大東京になったから。いまでは世界第三位の大都市さ。さすがに閣下
ながれるところまで高い金を出して買わされて、その金で東京おっ立ててみても、これ……。それに、あれです、いくらあの
電撃のごとく閃いてきたからである。――村から東京方面へ娘を出かせぎに――泥水商売の女に出している家に限っ
のを彼とて知らぬわけはなかった。軍需景気で、東京方面ではそういうものがいくらでも必要だということも。