春の落葉 / 辻村もと子

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地名一覧

相模灘

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少しばかり平地がつづいて、ひらけた眼界には靜かな相模灘の紺青がほのかな伊豆の嶋を浮かべて、初夏の空と圓く連なつてゐ

富士見町

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久子――上山が金が入つたから正衞に奢るつて、富士見町にさそつたんだつてさ。あの上山が――さんざ正衞を先生先生と云つ

東京

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誰も知らん顏をしてゐるので、一ばん年上の東京の伯母が傍によつて何やかやと御機嫌をとつてゐた。

いいものですねえ」母が力のぬけたやうな聲で東京の伯母に話しかけてゐた。

ぼつて行つた。母と高村の伯母にたすけられた東京の伯母は、從兄のこしらへた青竹の杖にすがつて、どうやら

で小田原の海も久しぶりに見ましたよ――」と東京の伯母が眞底からうれしさうに言つて腰をのばした。

東京の伯母と母とが同時に手を合せて、

目の惡い東京の伯母が、母に示された小さな骨をおぼつかない手つきで拾ひあげて

東京の伯母と母と恭介伯父と私とがそれを送つてから、たそがれの

暗い氣持になつた。そしてそつと私の前に歩いて行く東京の伯母の、白い髮とこころもち前に曲つた腰のあたりに目をやつ