大淀 上林苑 大阪 伊勢 江南 江戸 鞍馬 富士山 京都 巴里

画家広重と連立ち、夜船の三十石に乗つて、大淀の水の流に泛んだをりのことだつた。私達は旅の疲れで荷物

てありはしない、むかし、なにがしといふ漢の帝王が上林苑を造つたことがあつた。何しろ、二人とない時の権力者の造営事業だ

で、晴れた日でも、一体に路の悪かつた大阪の町は、方々に水溜りや、ぬかるみが出来てゐた。

てことを教へられました。ですが、お客様はこのややこしい大阪の町を、どうしてあんなにもよく御存じなんです。」

むかし、伊勢の山田になにがしといふ人が住んでゐた。ある年の夏初めに江戸

むかし、王梅谿がいつたことがあつた。江南に紅塩橄欖といふ果樹がある。枝が高いので木の実を採らうとする

地びたに落ちて来ると。ところが、それを聞いた江南のある人が、自分は度々土地の人が橄欖の実を採るのを見

といふ人が住んでゐた。ある年の夏初めに江戸に下らなければならない用が出来たので、ひとりで長い旅路についた

よつて、さまざまに聴き取られてゐる。たとへば京都の八瀬から鞍馬にかけてあの辺の住民達は、私達とは少し異つて、

富士山のやうに

をあちらから持帰つたやうに噂せられてゐる。現に京都清水の成就院では、石榴のそれのやうな紅い小さな花をもつた

、また人によつて、さまざまに聴き取られてゐる。たとへば京都の八瀬から鞍馬にかけてあの辺の住民達は、私達とは少し異

この琵琶法師が、ある時京都から、その頃、大阪南本町の仮寓にゐた私を訪ねて来てくれ

「なあんだ。草の葉どころか、巴里製の化粧品の匂がするぢやないか。」