二十四の瞳 / 壺井栄
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屋島をあとに、最後のスケジュールになっている高松に出、栗林公園で三度目
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てやめた。別れ道へきていた。そこから二人は八幡山へ登るのだった。十間ほどもいってから、大吉が叫んだ。
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「はい。マッちゃん、ゆうべの船で、大阪へいったん」
「大阪へいったんじゃなかったの。マッちゃん、ずっとここにいたの?」
をお針屋へやってくれるん。そして十八になったら大阪へ奉公にいって、月給みんな、じぶんの着物買うん。うちのお母さんもそう
「先生、ぼく、あしたの晩、大阪へ奉公にいきます。学校は主人が夜学へやってくれます」
は、母校にのこる栄誉を得てその瞳はますますかがやき、大阪の産婆学校を、これも優等で卒業した小ツルとは、大石先生を
同じだった。二人とも同じものというのではない。大阪の小ツルは粟おこしだし、早苗は高松で瓦せんべいときまっていた
「ううん、お母さん。大阪におるん。洋服おくってくれたん」
――ううん、お母さん。大阪におるん。洋服おくってくれたん。
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「兵庫へ行ったんで。試験休みのとき、うちの船で荷物といっしょに親子
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、学校のそとまでひびいていったほどだった。東京、宮城、などという声がきこえても、仁太はがてんのゆかぬ顔をし
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だけがはっきりわかっていた。その不景気の中で東北や北海道の飢饉を知り、ひとり一銭ずつの寄付金を学校へもっていった。そう
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あわよくば外国船に乗りこんで、メリケンへ渡ろうというんじゃ。シアトルにでも行ったとき、海にとびこんで泳ぎ渡ろうという算段よ」
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いたことに気づき、それでほっとした。夕やみのせまる高松の街を、築港のほうへと、ぞろぞろ歩きながら、早く帰って思うさま足
屋島をあとに、最後のスケジュールになっている高松に出、栗林公園で三度目の弁当をつかったとき、大石先生は、
はない。大阪の小ツルは粟おこしだし、早苗は高松で瓦せんべいときまっていた。年ごろで、ますます太る一方の小ツルの
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というようなようすで、まっさきにあいさつした。つづいて神戸の造船所ではたらいている正が、これはいかにも労働者らしく鍛えられた面魂
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をゆるがし、学校のそとまでひびいていったほどだった。東京、宮城、などという声がきこえても、仁太はがてんのゆかぬ
東京の大学をあと一年という竹一は、細長くなった顔を、いかに
ミサ子ひとりは苦労をしていなかった。ミドリ学園から東京の花嫁学校にはいり、在学中に養子をむかえてすぐ子どもをうんだ。苦労
の戦争中に消息もたえ、そのままになっている。東京の本所で、やはり自転車屋をしていた彼女一家が、今どこに
た富子という自転車屋の娘は、そのあと結婚して東京でくらしていたのだが、はがきさえも品切れがちの戦争中に消息