セントルイス 江戸 本郷 富士山 両国 日本橋 上野 浅草 向島

微塵もない、それで以て、汚い事、古い事、セントルイスの博覧会にこれを出したら、蓋し、金牌物だらうと云ふ話し。筑波颪

なかつたであらう。俺はつら／＼考へたね、決して江戸に出て居る息子なぞに、餅を送つてやつたりする者ではない

ばならないと云ふ所以なのだ。今社会、少なくとも本郷辺の人間の顔付が、みんな同一恰好になつてしまつたとして見ろ

思つた。秋小口はさうでもないが、追々と、富士山が白うなつて来る頃になると、小使部屋の火鉢にだん／＼と、

年の歴史は、此のヤツと云ふ呼吸から出て来た火花だ。両国で花火を見る時、パンと音がして、サツと幾百条の赤い光線が出る。光線は

次は、俺の棲つてゐる処だが、御江戸日本橋のマン中と云ひたくても、実の処、其の隅ツ子の端

さうな眼付でパチクリ／＼。間もなう十二時、上野の鐘がゴーンと、後高に撞いてしまふと、思ひ出した様に犬

か、「チビ」と云ふ名ださうなが、成程、浅草者だと、俺もつく／″＼感心して、出来る事なら、親

付て、かれこれ云ふ資格の無い者である。盲目は遂に向島の桜を語る可からずだ。一寸、云つて置きたいのは、酒を