図書館 / 宮本百合子
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られている本の重量が感じられた。今年の夏、駿河台にある雑誌記念館へ行ったときも、その建物の中の使われていない
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、博物館前を上野の見晴しの方へ通じるこの大通りは、東京の風景がこんなに変った今もやはりもととあまり違わない閑静さをたもっ
合ったりすることから、婦人閲覧室の仲間が出来て、東京でたった一つ、それがきっかけとなっている興味ある婦人たちのグループが
この頃の上野の山はこわい東京の中でもこわいところの一つとなった。初冬の落日は早くて
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通りへ出た。美術館の横手をのぼって、博物館前を上野の見晴しの方へ通じるこの大通りは、東京の風景がこんなに変った今
と、木の下に赤いポストが立っている。そこが上野の図書館入口の目じるしである。きょうは曝書でもやっていてお休み
、そう、と答えた。この役人風な調子も、やはり上野風である。戦争でやけてしまわなかった図書館をよろこんで珍しく眺め直すこころもちに
越えてアメリカへ送られる書籍だということであった。上野図書館の廊下につみあげられている木箱の形は、その印象を思いおこさせた
の半官的な場所では愚劣なほど神経質であった。上野の図書館には、明治の前半期に樋口一葉がよく通った。一葉日記
励しあい勉強しあって、夜が更けてからの気味わるい上野の山内をみんでかたまって帰って行くような扶け合いから、これら
個性のより大きく生かされる仕事に進もうと計画している。上野という地域や、図書館や、わたしにも親しい思い出のあるその珍しい集りが
ているというようなこともあった。この集りは、上野の図書館の婦人閲覧室が、夜はほんとうに気味のわるかった音楽学校の
となった。初冬の落日は早くて、五時すぎると上野の森に夕靄がかかりはじめた。西空にうすら明りはあるのに、もう
この頃の上野の山はこわい東京の中でもこわいところの一つとなった。初冬
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左手の坂をのぼり桜木町から美術学校の間にある通りへ出た。
親しい思い出のあるその珍しい集りが、久しぶりで桜木町の仲間の一人の家でもたれた。
いかにも桜木町辺の家らしい二階によったその集りには、非常に好感がもたれた。