上町 水戸藩 仙台藩 仙台 水戸

な感じがしたのです。――ちょうど五年まえ、上町にあるあなたのお屋敷の裏を、私は杉永幹三郎と話しながら歩いて

た統率力によるものと云うほかはありません。――上町のお屋敷の裏を歩いていたとき、私と彼は十九歳になっ

、――という古い詩の句などが頭にうかび、上町の屋敷の裏庭で、石楠花の下に立っておられたあなたの姿と、

た気持はよくわかりますが、私は反対しました。水戸藩における天狗党の騒動のように、一人の暗殺から、家中が血

なぜ裏面工作をしなければならなかったかというと、仙台藩がつねに警戒の眼をそらさず、重職がたに絶えず圧力をかけてい

て見ぬふりをしていたのですが、これも仙台藩の耳目をおそれたからで、わが藩がいかに左右の勢力の中でもがいて

「――彼は今夕六時から、西山の隈川別墅で仙台藩の者と密会します、あまりに早急であなたには不都合かもしれません

て見ぬふりをしていたのですが、これも仙台藩の耳目をおそれたからで、わが藩がいかに左右の勢力の中で

なぜ裏面工作をしなければならなかったかというと、仙台藩がつねに警戒の眼をそらさず、重職がたに絶えず圧力をかけ

の名をあげました。真壁は故君の側用人で、仙台の強いうしろ盾があり、老臣の中でもっとも頑固に佐幕を主張している

転で真壁が動きだしたに相違ない、領境には仙台の兵が詰めかけて来たし、このままではわれわれは潰されてしまう

ほかに手段がないとしても、真壁をやったばあい仙台がどう出るか、奥羽連合が黙っているかどうか、その点のみとおし

「真壁のうしろには仙台の力がある」と私は念を押しました、「ほかに手段が

結束もぐらつきだしたようだ、真壁を失ったぐらいで、仙台が直接行動に出るとは思えない」

自首して出れば、罪はその一人に限られるし、仙台も干渉することはできないだろう、おれはこんな不具になってほかの役

「――彼は今夕六時から、西山の隈川別墅で仙台藩の者と密会します、あまりに早急であなたには不都合かもしれ

た気持はよくわかりますが、私は反対しました。水戸藩における天狗党の騒動のように、一人の暗殺から、家中