日記 08 一九二二年(大正十一年) / 宮本百合子

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地名一覧

横浜

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Aは帰って来られないし、と瞬間に考える。横浜で死者。震幅一寸と云う。

赤坂

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欠乏に於て明に現代を示して居る。三宅坂、赤坂見つけの桜美しい。うちの六畳から隣りの八重桜の梢ばかりを見てまだまだ

赤坂見つけのところで縁側に敷くゴザを命じ、林町に行く。レコードをかえ、四

九州

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学校から手紙をよこさせ午前十一時頃行く。父上は九州、それで明日の銀婚式もいつ祝うか判らなくなった。せめて自分が卓子で

になったと云ったのだ。丸沢博士は、遙に九州から来、川口署か旅舎かで、対決――秋一と――すると云い

安積

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居ると思う。自分は今年あまり福井には行きたくなく、安積にでも行き、あとは東京でゆっくり本でも読んで居たい。けれども

午後一時の急行で、母上、スエ子、英男、安積に行くと云い大さわぎ。父上と二人で大きな行李などを下手にからげた。

。黒磯の停車場で、Aは上り、自分は下りで、安積に来る。那須の十日間、私の心は一日も晴やかで、のびのびとし

ボストン

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、名刺を置いてホールに行く。ミスソーヤーの英語はむずかし。ボストン風。文学の話をするのにまるで子供あつかいは心苦しかりき。一つは

玉川

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。朝のうちAは小鳥の籠を掃除し、午後から玉川へ歩きに出かけた。ずうっと小供のうち、非常に遠い電車を玉川までのり、

歩きに出かけた。ずうっと小供のうち、非常に遠い電車を玉川までのり、柿の赤く熟したのを売って居る堤の腰かけ茶屋の前を

ケレン

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のデリケートなつかいかた、一体に、地味で、真面目で、ケレンがなく、弾き方も自然で人格的にエルマン以上だと云う評がある。もっと

大阪

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夜、大阪の『女聖』に、最近出来た詩のようなものを送ってやった

工合、まるで異常、筋が一つつれたように感じる。大阪でペストがあるのを知って居るのが気が気でなく、すぐ思い立って

A、今日午後八時、大阪に立つ。自分は木曜の夜、淋しい、澄んだ心持で林町に来た

ニューヨーク

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ようなものになっては困る。高垣氏が、先、ニューヨークで、自分は同情なんかされるのはきらいと云われたその心持。今わかる

大同

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夜十時頃まで大同に居て仕事をする。

鎌倉

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順天堂行き。国男さん、明日オートバイで鎌倉に行くと云い、なおさせたのを試運転に父上を送る。午頃かえり

何でも自分が決心をしなければ駄目なり。鎌倉へ行く丈の面倒と費用をかければよいと、今日、種々なものを見

云う。只右の肩、肺尖の音が少しわるいから、鎌倉の養生院に居る知人に話して、見させようと云うことになる。自分も

を云々するが、自分から見れば姑息でたまらず。今日鎌倉の岸博士が来られる筈故すっかり診て貰い、何ともないとでも

夕方、鎌倉の岸博士来。やはりAの左胸部に浸潤があるとわかった。少くとも

ローマ

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ギリシアとローマとではあの点だけでも違うと思う。ヘレニズムの真の澄朗さ健やか

明治神宮

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昼頃会田祖母スエ子来、明治神宮へ行き、墓地を廻り、来るよし。彼女が、いろいろ私をひくようなこと

朝二人が明治神宮へ行くと云う。自分達は先散歩に出て横をかすって来てしまっ

アユ

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なことを云う。が、何だか全部信じられず、アユと云う心持がしていや。

本郷

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てる、気の毒ながら午後から本郷にかえす。不自由だろうと思い金二円ばかり余計にやる。

北海道

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きみを、明日にかけて暇をやる。北海道から兄、祖母が出て来たのだそうだ。

北海道には、斯様那天気が多くあっただろうか。青い輝いた空、ちらちらする

狸穴。入った構内の夜の有様が、実に面白い。北海道のように、バアレンで、広く、裏の方へ入ると、シュロが二本

てしまった。彼は、よい理解を持って呉れられる。北海道にでも行き、時や彼を忘れて仕事をしたい心持を話す。

北海道へ行くことのよしあしは、考えを要する。N氏の同情や理解はうれしく感謝

大丸

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一服すると、今度は噴火口まで延そうと云う。却って、大丸まで二里の山路を歩いたので行けた。然し、此方の坂路から、

青山

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いよいよAは二百円で女子学習院へ専任と定った。青山の方へ引越すことにし、行きかえりに気をつけて貰うことにする。

学習院の門衛が葉書をよこしたことを話し、急に青山に行った。四丁目の停留場で長いこと待ち合わせ、大きな質屋の看板のかかったところ

で休日。Aと自分、小林さん、上遠からの大工、青山の家で会い、種々たのむ。自分は何にもせず、庭を掃除するA

午前中から午後にかけて雑誌を整理し、小林さん、とり青山の家へ行く。

◎青山へ来て目につくことは一般に人の服装が金目をかけて居ると

青山から上野までの往復はかなりこたえる。つかれ、今日は買物に出るのもいや。

、ぜひ一目会いたく、足の工合のわるいのを無理に青山へ行く。「わざわざ来たの?」と云われ、自分は云うに言葉が

、カーターの魔術に祖母をつれて行かれる。会田さんは青山まで、結婚のことをききに行く。いつまでもああやって落付く先を

たらまるで別な人であった。林町へ一先ずゆきそれから青山にかえる。

三条

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立て、もうもうと瓦斯をはき、黄色いところへ、二条、三条、血のような赤色を流した硫黄があふれ出る。見て居ると、何だ

青山の墓地

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、大学に行ったAと一緒に戻って来られた。青山の墓地に行き、「此等は皆故人だ。自分もやがてそうなろう」と思っ

朝、目をさますとすぐ、祖母、青山の墓地へ行こうと云い出される。自分は墓参りは大きらい。あの傾き落ちた墓石と

日比谷公園

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日比谷公園の菊花大会の広告を見、五つ六つ頃天長節の団子坂と云え

巴里

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にするように音を立てずに見せたものを置く。巴里院が、ひどくきたないようになって居るのに驚く。Aが、私の

福井

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、福崎さんのおくりもの、青木さんのお祝、その他、福井から来られたとき、林町の子供に持って行くものを買う。

朝早くおきる。昨日福井から電報がつき、今朝父がつかれると云うことを云って来た。が

、一緒のバーデンとなって居ると思う。自分は今年あまり福井には行きたくなく、安積にでも行き、あとは東京でゆっくり本で

京都

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柳原※子氏が、剃髪して京都の寺に行くとか云う記事が出て居る。あの、誇はあって

奈良

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Aが、奈良から、鹿のエハがきを送ってよこし、それはよいが、此那平和

平賀深造が死したよし。驚きに堪えず。奈良の十二月とか云うしゃれた料理屋で国男と二人をよんでくれ、今

福岡

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夜、野上さんから手紙が来、火曜に、福岡さんの処へ行くから家へよろうと云われる。嬉しく、途で気を

咲きだしたバラを切ったりして部屋を心持よくし、福岡さんの処へ行く。十時半頃。まだ見えないと云う。種々洋服の

山形

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父上山形におたち。かえりにはオートバイで送って来て貰う。

神戸

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勉強して居ると午後神戸に居、今『女性改造』に働いて居られる小見山氏来訪、自分に

金沢

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、自然だと云うことなのだろう。まつの夫となる金沢三平来。話して見、正直なところと、ずるい――悪気はないが

不安な心持がするのだ。まつ夕食後大さわぎをして金沢の家に行く。良人になる男が荷物をとりに来る。どんな心持で

神保町

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昨夜、二時頃吉田さんの処から帰って来ると、神保町で停電し、とうとう春日町まで歩いた。あめがポツポツ降り出して来たの

渋谷

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夜、「渋谷家」を書きなおし始める。なおし始めたら、赤くなってまるで仕方がない

「渋谷家」を書きなおし始めたけれども、どうもうまく行かない。やはり、元

「渋谷家」をなおす。

「渋谷家」、平気で出し、ともかく人によませようとしたのに驚く。

二三日前よりはあたたかい日と思われる。「渋谷家」をなおすのにどうしても十五日までには行きそうもない

「渋谷家」を書きなおすかと思うと、うんざりだが、仕方がない。自分

「渋谷家」もなおす気。

心持落付いてよろし。朝のうち、渋谷正隆について考えなおし、筋を書き、午頃から、林町へ出かける。道で

六月一杯にはどうしても「渋谷」をすませる。

渋谷正隆は、今度の集には入れず、「南路」を入れ、まとめること

日比谷

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歩きに行き、京橋で星により、尾張町の角から、日比谷へ出てかえった。途中、すきや橋の手前の七宝屋によって

昨日の大隈さんの葬式場日比谷で、佐藤功一氏が喀血して人事不省に陥った。四十二、何とか

と云うので、議会では河野広中が演説をし、日比谷では、幾千と云う警官と、十幾万と云う民衆が例に

夜、ずっと銀座の方をぬけ日比谷まで歩く。家について三十分もしないうちに雨が落ちて来

六時から、日比谷の電気倶楽部で、第三木曜会あり、これから持続して会をやっ

しないのだろうと思う。そうすれば、ずっとはっきりする。日比谷はこれでやって居るのだろうが、此は又大した本は持たない。

十一時すぎ日比谷の四角に出ると、ひどく風が吹まくり街路樹の葉が皆吹たまりと

銀座

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午後から、銀座へ歩きに行き、京橋で星により、尾張町の角から、日比谷へ出

夜、ずっと銀座の方をぬけ日比谷まで歩く。家について三十分もしないうちに

夕方から銀座へ出かける。にぎやか。女の人が、驚くほど流行のさきがけをしたなり

夜、銀座に三人で出かけ、おみやげものを買う。

気がある。早速、髪をなおし、三月ぶり位で銀座に出かけた。

向島

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一つどうとか斯うとか云うのである。母が向島へ行くのをやめてさがし木の下にやっとたのんで、と云われる。

向島の祖母上が来て居られる。母上の前歯が一本ずり下がって来

東京

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と親類になって居る良人に嫁した娘が気がねして東京に居ることもかくして居、封筒には名をかかず、などと云わ

昨夜おそくなってから、東京社の原稿を思い出し、今朝出かける前に書く。十二時半頃出、倉知に

、ゆっくりやすませる。大したことはないらしい。先ずよかった。東京へ幾年振りかで出、もう三四日でかえろうとする時、行き倒れに

せっかく、楽しみにして来た東京も、あまり過度に歩かせられるので、つかれ、ちっとも楽しくはないらしい

福井には行きたくなく、安積にでも行き、あとは東京でゆっくり本でも読んで居たい。けれども、Aの居ないとき、

、まだどこかの本屋の小僧をして居た時分の東京のことなどをよむ。実に日本が日清戦争までにどれ程の変化を

風烈しく、東京とは少くとも七八度違うだろうと思われる温度。おさとさんから、片倉

東京は雨は降らなかったらしい。

材料のないので非常に困ることがある。つまり大体、東京明治時代とか何とか云うのはあっても、一年ずつそのとき

吉祥寺

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俥屋が出払って居るというので吉祥寺の中を抜けて行こうとしたら、雪が一杯ですっかり廻り道になった

青山一丁目

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思わず、人類のあるべきと云う生活を目ざすのだ。青山一丁目の四つ角の少し先の石屋を右に入り左に曲り、真中位の古い

朝ゆっくりして居ると、『時事』で青山一丁目によい家のあるのを見つけ、A大いそぎで出かける。なかなかうちをさがすの

お茶の水

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、ひっそりと、クリティカルに、まるで正反対に見える。思いがけず、お茶の水で一年上だった穂積さんと云う、顔の赤い、ウンシャンな人に

泉岳寺

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朝、泉岳寺へ行こうと云う。さほど興味もないが行こうと云うのでついて出かける。

上野

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になったろう。八時に家を出、たけをさんを上野まで送って行く。行ったらもう皆ついて居、立つ迄二時間、自分

広告文を書く。自分は、「加護」をすっかり揃える為、上野へ行く。四五月だったと思い、一生けんめい見るがなかなかない。八月

夕頃A上野の夜景を見に行くと云う。行く。不忍池の周囲、外方に一

頃図書館へ行く。まだ早く、人も多勢居ないし、上野の山の木かげの小道は涼しかった。明治の小説界の変遷や、桜痴

青山から上野までの往復はかなりこたえる。つかれ、今日は買物に出るのもいや。午後

』のには、「猿」を書こうと思い、朝から上野へ行く。近頃行きつけたら、早、五重塔のわきを、ゆっくり、ゆっくり歩いて

上野へ行く。二時過から国男さんの処へ行き、decoration の内容を

麹町

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月一日(土曜)明日九時から能、細川家舞台(麹町富士見町五ノ七)

日本橋

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た。苦しむことと苦しみに圧せらるることは違う。一緒に日本橋まで行く。めったに外に出ないらしく窓から外を見て居る様子に

午後から雨しきりに降る。中を日本橋までゆき、それから石本さんのところへゆく。

京橋

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午後から、銀座へ歩きに行き、京橋で星により、尾張町の角から、日比谷へ出てかえった。途中、

さすが三秋の風が吹く。朝九時半までに京橋に行き、石本夫人とともに一時頃市庁の後藤氏に会う。

隅田川

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新聞で、氷点下四度と云う隅田川を、十四の少女が泳いだと云うのをよむ。恐ろしい。東洋人の