関東 本郷 ロンドン 田端 東京 上野 浅草

、田端よりの方に一筋の小川が流れていた。関東の田圃を流れる小川らしく、流れのふちには幾株かの榛の木が生えて

田端の高台からずうっとおりて来て、うちのある本郷の高台へのぼるまでの間は、田圃だった。その田圃の、田端よりの

がよんでいたその石橋のところが、ちょうど、谷中と本郷の境のようになっていた。動物園から帰って来るとき、谷中のお

を驚歎してその洋服姿を見送った。若い母は、ロンドンにいる良人のもとへその洋装姿の写真をおくった。はりぬきの岩に

けれどもロンドンでそれをうけとった三十七八の父からは、母が想像してい

が、ロシアに勝ったということで、在留民の少いロンドンで父の受けた特別待遇は著しかったらしい。ノギ・トウゴーの名が建築家で

へのぼるまでの間は、田圃だった。その田圃の、田端よりの方に一筋の小川が流れていた。関東の田圃を流れる小川

田端の高台からずうっとおりて来て、うちのある本郷の高台へのぼるまでの

おゆきの身についていて、東京の山の手に育つ子供の心には、きわめてもの珍しくうつったいくつもの癖が

の祖母のだれも示さなかったやりかたで、明治初年の東京の庶民ぐらしの気分をつたえたたった一人の女だった。

日露戦争がすんだころ、東京で元禄模様、元禄袖などと一緒に改良服というものが大流行し

、菊見せんべいも、団子坂の菊人形につながった一つの東京名物なわけだった。菊の花の造花や、薄でこしらえた赤い耳

らしいけれども、団子坂の菊人形と云われたことは、上野へ文展を見にゆく種類の人にも、そう縁の遠くない秋の

やわらかく水っぽい感じの対照も妙だった。母方の祖母が浅草の花屋敷へつれて行ってみせてくれたあやつり人形の骨よせと似た