九州 東京 隅田川

に啜った。食慾は余りつかない。そのうちに父が九州まで出張しなければならなくなった。用事は彼を待っているが気が

「そうお、私困ったわ、父様が九州へいらっしゃると云ってしまってよ、もう」

父は急いで九州から戻った。帰った日から祖母の容態が進み、カムフル注射をするように

は独りで女中を対手にずっとそこで暮していた。東京の隠居所へ移ってからも、祖母は春や秋になると田舎を

（祖母は米沢生れで、死ぬまで東京言葉が自由に使えなかった。）

に、私が頼んで一緒に行って貰った。夏は東京に帰って過し、秋、私と入れ違いに再び田舎に行ったのであっ

翌日、祖母は鉢の木や隅田川など、満足した顔付で聴いた。傍で、把手を廻しながら彼女の