平等院 高台寺 龍安寺 京都 東京

着想は、常時生気あるものであったに違いない。然し平等院の眺めでさえ、今日では周囲に修正を加えて一旦頭へ入れてから

高台寺

翌々日は日曜日であった。蒔絵を観るため、彼等は高台寺へ行った。蒔絵のある建物が裏山の中腹にあって、下から登龍の

全然反対の例にとれる龍安寺の石庭のことなど喋りながら、彼等は真葛ケ原をぬけた。芝生の

章子が笑いながら京都弁で答えた。

「――京都の文化そのものがそうじゃない？　大ざっぱに云って」

が幾組もあった。大人の遊山の様がいかにも京都らしい印象を彼等に与えた。

章子と東京の袋物の話など始めた女将の、大柄ななりに干からびたような反