大館 ワシントン 秋田市 平等院 横手市 秋田平野 白川郷 伊東 新潟市 ヒマラヤ山脈 四国 大阪 大館市 法隆寺 秋田 長崎 新潟 東京 日本橋 銀座

あなたに見せても、信用してはダメですよ。まっすぐ大館へ行きなさい。このホンモノの秋田犬こそはタダモノではありませんぞ」

翌日、目的の秋田犬を見るために大館へ出発した。私たちは大館市の秋田犬保存会長、平泉栄吉氏宛の紹介状を

を見るために来ていることが知れたから、私たちが大館に向いつつあるとき、逆に平泉氏から旅館へ電話がきたそうだ。

「秋田犬を見るなら、秋田市ではダメ。大館へ来なければダメではないか」

も強硬な申入れを行うのは頷けるのである。たしかに大館へ行かなければ秋田犬を知ることが不可能であるばかりでなく、秋田犬に対して

ところが、さて、大館へつき、平泉二世の案内で秋田犬の代表的なのを順次訪問して歩い

大館の市長は平泉二世と同年、三十一だかの日本で一番若い市長だそう

大館には三百頭ぐらいのホンモノの大きな秋田犬がいるのだそうだ。その中で

人の物知りたちも、秋田犬といえば闘犬、今でも大館では闘犬が行われているようなことを私に教えた。

のようなケンカの専門家という見事な押し出しであった。大館では今でもそうだということを四人の物知りは説明してきか

今や大館の愛犬家にとって、ウチの愛犬がケンカをやらかしては、これ天下の一

だから闘犬などゝいうことは、すでに大館には影も形もない思想なのである。また、闘犬ということは

の秋田犬は、生後五十日で、一万五千円というのが大館の最低の相場だそうだ。これは中型などの交流しない純粋に大型から

と私が云ったが、ヘルプ紳士もその二世も、大館の仔犬の相場をそれ以上つりあげるのに賛成ではないようだった。

から、要するに秋田犬のホンモノは東京では見られない。ワシントンの出羽号の子供ぐらいが東京で素性の正しい秋田じゃないか、というのが私の

そこ以外には秋田県でも秋田犬は見られないのです。秋田市の人が、これが秋田犬です、と自慢の犬をあなたに見せても、

私は一晩ねむることができなかった。したがって、翌朝秋田市についたときには、完全にノビていた。

私の生れた新潟市と秋田市はよく似ている。まったく同じものは裏町である。裏町の中流の庶民住宅

ならない貧しさ悲しさが一そう甚しく目をうつものだ。秋田市は徳川三百年一貫して佐竹氏の城下であるが、領主がいかに善政を

課題とすべき重大事ではありますまいか。私は秋田市の裏通りを歩きながら、日本の暗さ悲しさにウンザリせざるを得ません

私がフラフラ状態で秋田市へつき、旅館に辿りついたとき、いきなり秋田の新聞記者が訪ねてきた。

「秋田市の印象はいかがですか」

た一人の婦人が、ここで生れた人だったから。秋田市ではなく、横手市だ。けれども秋田県の全体が、あそこも、ここも、

私がとけてしまッてもフシギではなかったのです。秋田市が焼跡のバラック都市よりも暗く侘しく汚くても、この町が私にとって

秋田市では別に目的もないので、なんとなく本屋だの裏町だのを

「秋田犬を見るなら、秋田市ではダメ。大館へ来なければダメではないか」

できない。山々も田も畑もどことなくうら悲しいし、秋田市から大館まで三時間の汽車の旅に、どの駅もどの駅も、材木の

日本の木造建築にも、ピンからキリまである。法隆寺や平等院から雪国の小作農家に至るまで。だが、庶民住宅というものは、百

、ここで生れた人だったから。秋田市ではなく、横手市だ。けれども秋田県の全体が、あそこも、ここも、みんなあの人を育て

、なつかしいのも事実だから仕方がありません。汽車が横手市を通る時には、窓から吹きこむ風すらも、むさぼるばかりに、なつかしかった。

＼した攻撃に一となめという哀れさだもの、秋田平野の全体に材木の山を積み重ねヒマラヤ山脈の高さに積んで見せたって、

の傾斜が甚しく緩やかである。これは大家族主義で有名な白川郷の農家の屋根が急傾斜なのとアベコベで、白川郷の屋根だと屋根裏

白川郷の農家の屋根が急傾斜なのとアベコベで、白川郷の屋根だと屋根裏部屋が前後にしか採光でぎないが、タクアン石をの

モリを防ぐための当時の新工夫であったらしい。恐らく白川郷的な農村建築が先に在って、その屋根をゆるやかに改めることによって

よく訓練された、一歳半ぐらいのメスのシェパードが伊東に居って、その主人が時につれてきてコリーと遊んでくれる。まだ

私の生れた新潟市と秋田市はよく似ている。まったく同じものは裏町である。裏町の中流の

そういえば私の少年時代、新潟市でも、大きな秋田犬を飼って闘犬をやらせるのがはやっていた。それ

哀れさだもの、秋田平野の全体に材木の山を積み重ねヒマラヤ山脈の高さに積んで見せたって、「大」の存在するイワレはない。

のことは当分ふれないことにしていた。ハリマと四国も大切な土地で、先月はハリマへ行ったが、この時もわざと歴史の

されて焼跡の汚さは見受けることができないし、大阪も、その他の多くの戦災都市も、私の見て歩いた限りでは

が、これはやや絶滅に瀕していて、秋田県でも大館市という一地域にしか見られない。東京では日本橋のワシントンという犬屋に

ところがホンモノの大型秋田は大館市に少数残存するだけで、したがって血族結婚になっているから、ニンシン率が

そこで本場の大館市からホンモノの秋田と称して売っているものも、たいがいは中型の秋田、否

「要するに秋田県でも大館市だけなんですよ。そこ以外には秋田県でも秋田犬は見られないのです

目的の秋田犬を見るために大館へ出発した。私たちは大館市の秋田犬保存会長、平泉栄吉氏宛の紹介状をもらって東京を立ってきた

大館市でも、中型に交尾させて、東京産の代用品と同じようなものを

だから大館市の愛犬家に直接たのんでも、ホンモノの仔犬はなかなかオイソレと注文に間に合わないの

日本の木造建築にも、ピンからキリまである。法隆寺や平等院から雪国の小作農家に至るまで。だが、庶民住宅というもの

秋田犬訪問記――秋田の巻――

血が一度や二度まぎれこんだにしても、これは秋田種ではなくて、単に日本種というのが当然であろう。

にもいる。チャウチャウもそうだ。それらの中に大型秋田の血が一度や二度まぎれこんだにしても、これは秋田種で

のまいた犬は日本の各地にザラにいる。むろん秋田にもいる。チャウチャウもそうだ。それらの中に大型秋田の血が

だし、テンパーに強い。そして仔犬の時だけはホンモノの秋田よりも立派だそうだが、結局ホンモノのように大きくなることはできない

にと何回となくくり返すうちに、色や顔の出来が秋田に近づいてくるのだそうだ、この雑種は繁殖力が旺盛だし、テンパー

。三河犬に秋田をかけ合せ、その仔をまた秋田に、また秋田にと何回となくくり返すうちに、色や顔の出来が秋田に近づいて

が多いそうだ。三河犬に秋田をかけ合せ、その仔をまた秋田に、また秋田にと何回となくくり返すうちに、色や顔の出来が

ものには、三河犬との配合が多いそうだ。三河犬に秋田をかけ合せ、その仔をまた秋田に、また秋田にと何回となくくり返すうち

一般に東京あたりで大型秋田と云われているものには、三河犬との配合が多いそうだ。三河犬

ところがホンモノの大型秋田は大館市に少数残存するだけで、したがって血族結婚になっているから、

の秋田と称して売っているものも、たいがいは中型の秋田、否、ただの中型日本犬で、稀にホンモノが売り出されても、これ

そこで本場の大館市からホンモノの秋田と称して売っているものも、たいがいは中型の秋田、否、ただの

ない。ワシントンの出羽号の子供ぐらいが東京で素性の正しい秋田じゃないか、というのが私の東京の愛犬家から探りだした結論で

も、小型秋田、中型秋田とあって、これがホンモノの秋田ではないから、要するに秋田犬のホンモノは東京では見られない。ワシントン

。品評会の一等賞と云っても、小型秋田、中型秋田とあって、これがホンモノの秋田ではないから、要するに秋田犬のホンモノ

のである。品評会の一等賞と云っても、小型秋田、中型秋田とあって、これがホンモノの秋田ではないから、要するに

ところが、私が秋田に向って出発という時に、女房が念を押した。

「秋田の人が秋田犬の仔犬をくれると云っても貰ってきてはダメです

「よろしい。秋田犬はコンリンザイもらってこないが、秋田オバコを仕入れてくるぜ」

親類縁者であろう。東海道線では見られない風景である。秋田行の箱にのると、すでに車内の言葉が一変しているのである

が、どこにあるのか？　フルサトの裏町に似た秋田の裏町をぶらつきながら、チョコンと傾いて並んでいる家々の傾斜の限度が

秋田の街は戦災をうけていない。恐らく終戦後三年か四年の後なら

目立つのである。小京都とよばれるヒダの高山も、そして秋田の街も、そうである。戦災をうけないための汚らしさ――それ

たのが第一の理由には相違ないが、新潟や秋田の積雪の甚しさも論外なのだろう。冷害や水害や、辛うじて一毛作しか

の農家がはるかに立派で、日本有数の米どころたる新潟や秋田の農家が他国の農家の馬小屋の如くに貧困極まるものだというのは

がフラフラ状態で秋田市へつき、旅館に辿りついたとき、いきなり秋田の新聞記者が訪ねてきた。

ているのに、風土的に鈍重の性能充分の感ある秋田記者の何たる敏感さよ。ところがアニはからんや私の泊った栄太楼

と云った。この時も、秋田オバコのこは何たる敏感さよと、到着匆々重ね重ね敵の意外な敏感さ

だ。その暗さや侘しさがフルサトの町に似た秋田は切ないばかりで、わずかばかりの美しさも、わずかばかりの爽かさも、

けれども私は秋田を悪く云うことができないのです。なぜなら、むかし私が好きだった

「秋田はいい町だよ。美しいや」

の飾り窓に甚しく私の気に入ったステッキがあった。秋田産のカバハリというステッキだった。その店内にたった一本あるだけの

である。旅館で食べたショッツル鍋が、さすがに東京の秋田料理屋で食べるものよりも美味であった。そして、地酒もうまかったが、

＼した攻撃に一となめという哀れさだもの、秋田平野の全体に材木の山を積み重ねヒマラヤ山脈の高さに積んで見せた

も物のすべてがうら悲しく小さく見えて仕方のないものだ。秋田城主佐竹侯が何十万石の大々名だか知らないが、その城下町やお濠

しかしホンモノの秋田の仔犬はすごいものですよ。生後五十日で買い手に渡す習慣だそうだ

一番ピッタリするものだった。黒色の秋田犬である。黒色の秋田になると、見た感じは熊のようなものだ。平泉氏は自分

を秋田犬と称して売りだしてもいる。純粋の大型の秋田のニンシン率が低くて、ホンモノ同志の仔がなかなか育たないせいもあろう。

の友情からも偽らずに申し上げざるを得ないのです。秋田へ出がけに念を押した女房も、すでに私と同じように性分的な

美しい港町と云われる長崎すらも――この港町は原爆で屋根やガラスに被害をうけたが、

を感じさせるし、総体に建物も大きく、延坪から言えば新潟あたりの小作農家の十倍以上はタップリあろうというものである。なお、

であったのが第一の理由には相違ないが、新潟や秋田の積雪の甚しさも論外なのだろう。冷害や水害や、辛うじて

の飛騨の農家がはるかに立派で、日本有数の米どころたる新潟や秋田の農家が他国の農家の馬小屋の如くに貧困極まるものだという

こうして今では日本犬といえば、大半が秋田犬。東京には秋田犬がウジャ／＼いることになっています。そして秋田犬にも

あるが、本当の秋田犬とはこれです、という解答は東京の愛犬家を歴訪して廻ってもなかなか得られない。

、秋田県でも大館市という一地域にしか見られない。東京では日本橋のワシントンという犬屋に出羽号の何世だかのメスが

一般に東京あたりで大型秋田と云われているものには、三河犬との配合が多い

で素性の正しい秋田じゃないか、というのが私の東京の愛犬家から探りだした結論であった。

東京では見られない。ワシントンの出羽号の子供ぐらいが東京で素性の正しい秋田じゃないか、というのが私の東京の愛犬家から

がホンモノの秋田ではないから、要するに秋田犬のホンモノは東京では見られない。ワシントンの出羽号の子供ぐらいが東京で素性の正しい

売りだされ、これらのイミテーションは繁殖率が高いから、東京の、否、日本中の到るところに秋田犬と称するものが飼われている

しているのである。ここは一体どこか？　すでに東京でないことだけはたしかである。

感じはちがったものであったと思う。今日ではすでに東京の主要な場所はバラックながらも再建されて焼跡の汚さは見受けること

ただけである。旅館で食べたショッツル鍋が、さすがに東京の秋田料理屋で食べるものよりも美味であった。そして、地酒もうまかった

大館市の秋田犬保存会長、平泉栄吉氏宛の紹介状をもらって東京を立ってきたのである。ところが例の新聞記者の訪問によっ

の大きな秋田犬というと、人々は闘犬、ケンカを考える。東京で私に秋田犬のことを教えてくれた四人の物知りたちも、秋田犬

東京では、やせてチッポケな、ニセモノの秋田犬に横綱のようなシメナワを十字

大館市でも、中型に交尾させて、東京産の代用品と同じようなものを秋田犬と称して売りだしてもいる。

血統の値段で、ホンモノの秋田犬の値としては、東京では信じられない安値であろう。送料や箱代は売り手がもってくれる

も大館市という一地域にしか見られない。東京では日本橋のワシントンという犬屋に出羽号の何世だかのメスがいる以外に

人材であろう。去年の熱海の大火のあと、彼は熱海銀座と三階以上の建築は鉄筋コンクリートでなければならぬ、という断乎たる

いたが、わずか一年後の今日、鉄筋コンクリの熱海銀座は既に完成に近づいているのである。

十年たッたッて鉄筋コンクリの熱海銀座ができるもんか、と市民がブウブウ怒っていたが、わずか一年後