旧聞日本橋 12 チンコッきり / 長谷川時雨

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地名一覧

入谷

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「入谷へ朝顔を見にゆこうかね、それは美事だよ。」

根岸

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の世帯は、すこしばかりゆとりが出来た様子になった。根岸の鶯谷の奥の植木師の庭つづきの、小態な寮の寮番の

「根岸にはお大名の別荘が沢山あるけれど、加賀様のお姫さまがたは揃っ

両国

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小蒔屋――柳橋の芸妓屋の名だった。家へも来るが、両国広小路――電車道路となったが――の、両国橋にむかって右側に、「芭蕉」

千葉

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た。土佐の藩士で造幣局に出て、失職して千葉の監獄の監守になり、後に台湾で骨董商と金貸をした(

幾年か経った。千葉の方にいた私の母の妹が、藤木の家が気楽だから

日本橋

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、呆けたような空気だった。そのかわりに今いえば日本橋区内の何処でもに見られない新職業があった。古鉄屑屋の

かしらが多くあった。もともと牢屋の原の居廻りは、日本橋という主都の中央でありながら、今でいえば新開の町だけに、

なって、蓮の実の味も知った。そんな事は日本橋油町辺りの子供の誰一人知ってはいなかった。

神田

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中央でありながら、今でいえば新開の町だけに、神田区上町との間に流れる溝川の河岸についた、もとの大牢の裏手

鶯谷

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は、すこしばかりゆとりが出来た様子になった。根岸の鶯谷の奥の植木師の庭つづきの、小態な寮の寮番のよう

上野

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おやつや好きな塩鮭の一切れを買いにいった。まだ上野山下の青石横町にいる時分に、あたしは雨上りに三枚橋下へ小魚を

目白

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、簡素な造りで、藤木さんは手拭ゆかたを着て、目白をおとりにして木立に小鳥籠が幾個かかけてあった。瑠璃

お茶の水

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藤木さんが、一番気のあった女だった。極く早いお茶の水の卒業生だった彼女が学校を出て、大丸横町の岡田学校というの

両国橋

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、両国広小路――電車道路となったが――の、両国橋にむかって右側に、「芭蕉」という大きな薬種屋があって、芭蕉