東京に生れて / 長谷川時雨
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新東京風景を撰めば、丸の内の宮城の廻りを第一に推す。
そこでまた、わたくしの望みは建築物にかへる。丸の内をとりまく個所は西洋建築でよいとして、日本橋ツ子よ、京橋ツ子
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新東京風景を撰めば、丸の内の宮城の廻りを第一に推す。
翠緑をへだてて宮城にむかふ建築が、歐米各國の樣式であつて、調はないといふ
建物よりも、各種の立派なものが多ければ多いほど、宮城の美と壯觀は増す。大内山のみどりの色こそ萬代不變、巨木大樹
の當初から根ざしかためて生ひつたへた巨樹大木が、宮城を守つてゐる事はいかにも崇嚴である。かつて上野博物館の後に
おもはせる、新しい店藏づくりの甍を並べたならば、宮城と相對し、中央に歐風諸建築をはさんで、眞の、日本的な、そして
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でもあつたのだ。富士は何處からも見られ、秩父や、箱根の連山は遠く、欅の巨樹のつらなる丘の裾は、多摩や
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のやうに、小市街の群立しなかつたところに、江戸の好さはある。その草を敷き伏せ、まだせましとして、海
かつて進出してゐる。その、荒つぽさが新興都市江戸の生命だつたのだ。
の破されることで、そのしほらしい愛惜の念は、江戸の昔に名殘をとどめてゐた水郷ふうの田園風景が、東京の發揚
の風情は、東京市中、もう何處にもなくなるであらう江戸の面影である。今日の人には、まだ珍らしくはないが、この後に
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たのだ。富士は何處からも見られ、秩父や、箱根の連山は遠く、欅の巨樹のつらなる丘の裾は、多摩や荒川の清流
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午後の、陽はもう翳らうとしてゐたが、二重橋前近く、芝生のタンポポは、黄金色に、一面に輝いてゐた。私の
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はもつともよろしい。あの、もはや狹くなつてしまつた上野公園を、何かあるたびに、惜しげもなく巨木を伐り倒すのは――
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て、日本橋ツ子よ、京橋ツ子よ、そして淺草、下谷の人々よ、安いコンクリートまがひをやめ、耐火、耐震、防空の強かりした
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東京に生れて
しながら、郷里の風光に思ひのおよぼすときになると、東京をみそくそにけなしつける人がある。どうもそんな時はしかたがないから
大東京の魅力に引かれ、すつかり心醉しながら、郷里の風光に思ひのおよぼす
「東京つて、起伏をもつてゐる好いところだ。昔は、さぞ好い景色だつたらう
人たち、大きくいへば、日本の根の人たち、大東京を建設る人たちなのだ。
そして、まだ發展過程にある、ちぐはぐなところを見ると、東京の釀しいだす魅力を愛すれば愛するものほど、ちよいと惡口が言ひたくなる
に名殘をとどめてゐた水郷ふうの田園風景が、東京の發揚にしたがひ、爛熟した江戸情緒の失はれるのととも
新東京風景を撰めば、丸の内の宮城の廻りを第一に推す。
、大内山の森と下町の空とにわたる複雜な、東京特有の空の色である。
今日の東京に――と思ふと、御所前一帶は、東京市民のオアシスとなることであらうと思つた。丁度、海外同胞へ「故
嬉しかつた。この激しい東京の中央に、この激しい今日の東京に――と思ふと、御所前一帶は、東京市民のオアシスとなること
何だか、無性にわたしは嬉しかつた。この激しい東京の中央に、この激しい今日の東京に――と思ふと、御所前一帶
あつて、柳がなびいてゐる小雨の日の風情は、東京市中、もう何處にもなくなるであらう江戸の面影である。今日の人
に歐風諸建築をはさんで、眞の、日本的な、そして東京の氣風が出ると思ふが――
シヨン前の感じのする町つづきになつてしまつては、東京の特色が見られない。
アジアの首都、東京の面貌は、日本の、そして東京の特色がなくつてはいけない。
アジアの首都、東京の面貌は、日本の、そして東京の特色がなくつてはいけない。
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高松宮家より頂いた麻布の公園や、井の頭の恩賜公園や上野や芝など、どうかあんまりもとの自然を損じないでその土地の、古昔
を守つてゐる事はいかにも崇嚴である。かつて上野博物館の後に巨樹が生ひ聳えてゐたころ、博物館の建物そのもの
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かへる。丸の内をとりまく個所は西洋建築でよいとして、日本橋ツ子よ、京橋ツ子よ、そして淺草、下谷の人々よ、安いコンクリート
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個所は西洋建築でよいとして、日本橋ツ子よ、京橋ツ子よ、そして淺草、下谷の人々よ、安いコンクリートまがひをやめ、耐火