三四郎 / 夏目漱石
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。赤門の前を通るはずの電車は、大学の抗議で小石川を回ることになったと国にいる時分新聞で見たことがある。三四郎
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んだね。その代り西洋は写真で研究している。パリの凱旋門だの、ロンドンの議事堂だの、たくさん持っている。あの写真で日本
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が黒い。三四郎は九州から山陽線に移って、だんだん京大阪へ近づいて来るうちに、女の色が次第に白くなるのでいつのま
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して、ふわふわして方々歩いている。田端だの、道灌山だの、染井の墓地だの、巣鴨の監獄だの、護国寺だの、―
と、大きな黒い門がある。与次郎が、ここを抜けて道灌山へ出ようと言い出した。抜けてもいいのかと念を押すと、なに
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とか「博士を学界の名産と心得るのは、海月を田子の浦の名産と考えるようなものだ」とかいろいろおもしろい句がたくさんある。しかしそれ
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装置が狂ったので晩の実験はやめだ。これから本郷の方を散歩して帰ろうと思うが、君どうです、いっしょに歩きません
に西洋料理のごちそうになった。野々宮君の話では本郷でいちばんうまい家だそうだ。けれども三四郎にはただ西洋料理の味がする
教えてくれた。それから寄席の看板はこんなもので、本郷のどこにあるということまで言って聞かせたうえ、今度の土曜にいっしょ
きのうポンチ絵をかいた男が来て、おいおいと言いながら、本郷の通りの淀見軒という所に引っ張って行って、ライスカレーを食わした。淀見
て二階へ上がって、それから三階へ上がって、本郷より高い所で、生きたものを近づけずに、紙のにおいをかぎながら、
それから谷中へ出て、根津を回って、夕方に本郷の下宿へ帰った。三四郎は近来にない気楽な半日を暮らしたように感じ
そのうち本郷の通りへ出た。いっしょに歩いている二人は、いっしょに歩いていながら
足は申し合わせたように無言のまま同じ方角へ曲がった。本郷の通りを四丁目の角へ来る途中で、女が聞いた。
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与次郎が時々石の門のことを言う。麹町からあれを千駄木まで引いてくるのに、手間が五円ほどかかったなどと言う。あの植木屋
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講釈を聞いた。なんとかいうドイツ人の説によるとアテンの劇場は一万七千人をいれる席があったということも聞いた。それは
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しばらくすると「名古屋はもうじきでしょうか」と言う女の声がした。見るといつのま
「あんたも名古屋へお降りで……」
次の駅で汽車がとまった時、女はようやく三四郎に名古屋へ着いたら迷惑でも宿屋へ案内してくれと言いだした。一人では
まあいいかげんな生返事をしていた。そのうち汽車は名古屋へ着いた。
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西洋は写真で研究している。パリの凱旋門だの、ロンドンの議事堂だの、たくさん持っている。あの写真で日本を律するんだからたまら
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三四郎の目についた。第一色が黒い。三四郎は九州から山陽線に移って、だんだん京大阪へ近づいて来るうちに、女の色
「もっとも君は九州のいなかから出たばかりだから、明治元年ぐらいの頭と同じなんだろう」
必要なら、その小川君でもいいじゃありませんか。九州の男で色が黒いから」
「君は九州のいなかから出たばかりだから、中央文壇の趨勢を知らないために、そんな
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の人間が乗ったり降りたりするので驚いた。次に丸の内で驚いた。もっとも驚いたのは、どこまで行っても東京がなくならないと
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を覚えた。熊本の高等学校にいる時分もこれより静かな竜田山に上ったり、月見草ばかりはえている運動場に寝たりして、まったく世の中を忘れ
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のところだが、――あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物
あれよりほかに自慢するものは何もない。ところがその富士山は天然自然に昔からあったものなんだからしかたがない。我々がこしらえ
「富士山に比較するようなものはなんにもないでしょう」
三四郎は富士山の事をまるで忘れていた。広田先生の注意によって、汽車の窓
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それから谷中へ出て、根津を回って、夕方に本郷の下宿へ帰った。三四郎は
「こっちへ行くと谷中の天王寺の方へ出てしまいます。帰り道とはまるで反対です」
いる。美禰子の立っている所は、この小川が、ちょうど谷中の町を横切って根津へ抜ける石橋のそばである。
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浜松で二人とも申し合わせたように弁当を食った。食ってしまっても汽車は
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、大久保へ出て野々宮君の家へ回ろうと思ったら、落合の火葬場の辺で道を間違えて、高田へ出たので、目白から汽車
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「ヘーゲルの講義を聞かんとして、四方よりベルリンに集まれる学生は、この講義を衣食の資に利用せんとの野心を
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汽車が豊橋へ着いた時、寝ていた男がむっくり起きて目をこすりながら降りて
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それから谷中へ出て、根津を回って、夕方に本郷の下宿へ帰った。三四郎は近来にない気楽な
いる所は、この小川が、ちょうど谷中の町を横切って根津へ抜ける石橋のそばである。
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て方々歩いている。田端だの、道灌山だの、染井の墓地だの、巣鴨の監獄だの、護国寺だの、――三四郎は新井の
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女とは京都からの相乗りである。乗った時から三四郎の目についた。第一
はやっぱり広島より京都のほうが安くっていいものがある。京都でちょっと用があって降りたついでに、蛸薬師のそばで玩具を買って
子供の玩具はやっぱり広島より京都のほうが安くっていいものがある。京都でちょっと用があって降りた
、晩飯を食って酒を飲んだ。そこの下女はみんな京都弁を使う。はなはだ纏綿している。表へ出た与次郎は赤い顔を
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子供の玩具はやっぱり広島より京都のほうが安くっていいものがある。京都でちょっと用があって
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東京へ行くんだともなんとも聞いてくれない。熊本の生徒には興味がないらしい。この時三四郎の前に寝ていた
はあ、そう」と言ったなり煙草を吹かしている。なぜ熊本の生徒が今ごろ東京へ行くんだともなんとも聞いてくれない。
「いえ、熊本です。……しかし……」と言ったなり黙ってしまった。
「じゃ熊本はもう……」
二人の話を熱心に聞いてみたがちっともわからない。熊本の教師とはまるで発音が違うようだった。
、六人しか見たことがない。そのうちの二人は熊本の高等学校の教師で、その二人のうちの一人は運悪くせむしであった
「滅びるね」と言った。――熊本でこんなことを口に出せば、すぐなぐられる。悪くすると国賊取り扱いに
「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より……」でちょっと切っ
真実に熊本を出たような心持ちがした。同時に熊本にいた時の自分は非常に卑怯であったと悟った。
この言葉を聞いた時、三四郎は真実に熊本を出たような心持ちがした。同時に熊本にいた時の自分
ですわっているかと思われるほどな寂寞を覚えた。熊本の高等学校にいる時分もこれより静かな竜田山に上ったり、月見草ばかりはえ
したというほうの話がおもしろかった。そこで廊下で熊本出の同級生をつかまえて、昇之助とはなんだと聞いたら、寄席へ出る
なる。昼飯を食べたから、出かけようとすると、久しぶりに熊本出の友人が来る。ようやくそれを帰したのはかれこれ四時過ぎである
「この男は私の同級生です。熊本の高等学校からはじめて東京へ出て来た――」と聞かれもしない
の下に認めた時、三四郎は自分の今の生活が熊本当時のそれよりも、ずっと意味の深いものになりつつあると感じた。
酒というのは、所でできる下等な酒である。熊本の学生はみんな赤酒を飲む。それが当然と心得ている。たまたま飲食店
三四郎は熊本で赤酒ばかり飲んでいた。赤酒というのは、所でできる
「熊本です」
「熊本ですか。熊本にはぼくの従弟もいたが、ずいぶんひどい所だそうですね」
「熊本ですか。熊本にはぼくの従弟もいたが、ずいぶんひどい所だそう
ついている図案も、三四郎の目にはことごとく新しい。しかし熊本では見ることのできない意味で新しいので、むしろ一種異様の感が
ないから、お稲荷様へ伺いを立てたら、こりゃ、もう熊本をたっているという御託宣であったので、途中でどうかしはせ
まるで熊本にいた当時と同様な命令がある。じつは熊本にいた時分にこんなことがあった。学校が休みになるか、なら
この冬休みには帰って来いと、まるで熊本にいた当時と同様な命令がある。じつは熊本にいた時分に
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贏ちえたところは物寂びている。奈良の大仏の鐘をついて、そのなごりの響が、東京にいる自分の
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あるんだが、ぼくのほうであんまりうるさいから、御用で長崎へ出張すると言ってね」
近寄ったことのない種類の女だよ。それをね、長崎へ黴菌の試験に出張するから当分だめだって断わっちまった。ところがその
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「そうですね」と言ったが、はじめて東京へ行くんだからいっこう要領を得ない。
て、別の世界のことを思い出した。――これから東京に行く。大学にはいる。有名な学者に接触する。趣味品性の備わった
「東京の?」と聞き返した時、はじめて、
言ったなり煙草を吹かしている。なぜ熊本の生徒が今ごろ東京へ行くんだともなんとも聞いてくれない。熊本の生徒には
「東京」とゆっくり言ったぎりである。なんだか中学校の先生らしくなくなってき
「東京はどこへ」と聞きだした。
も、いずれも顔相応のところだが、――あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧
「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より……」でちょっと切ったが、三四郎の顔
「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より……」でちょっと切ったが
髭の男は別れる時まで名前を明かさなかった。三四郎は東京へ着きさえすれば、このくらいの男は到るところにいるものと信じて
その晩三四郎は東京に着いた。髭の男は別れる時まで名前を明かさなかった。三四郎は
で驚いた。もっとも驚いたのは、どこまで行っても東京がなくならないということであった。しかもどこをどう歩いても、材木
三四郎が東京で驚いたものはたくさんある。第一電車のちんちん鳴るので驚いた。
三四郎は東京のまん中に立って電車と、汽車と、白い着物を着た人と、
である。三輪田のお光さんが鮎をくれたけれども、東京へ送ると途中で腐ってしまうから、家内で食べてしまった、等で
を大事にしなくってはいけないという注意があって、東京の者はみんな利口で人が悪いから用心しろと書いて、学資は毎月
ふさぎこんでいるうちに、国元の母から手紙が来た。東京で受け取った最初のものである。見るといろいろ書いてある。まず今年は
三四郎が動く東京のまん中に閉じ込められて、一人でふさぎこんでいるうちに、国元の母から
底に青い空が見える。三四郎はこの時電車よりも、東京よりも、日本よりも、遠くかつはるかな心持ちがした。しかししばらくする
活動の激しい東京を見たためだろうか。あるいは――三四郎はこの時赤くなった。汽車
でないと学問をやるにはいけませんね。近ごろは東京があまりやかましくなりすぎて困る。これが御殿」と歩きだしながら、左手の
水の感じがね。――たいしたものじゃないが、なにしろ東京のまん中にあるんだから――静かでしょう。こういう所でないと学問
三輪田のお光さんにはあまり愛想よくしないほうがよかろう。東京へ来てみると人はいくらでもいる。男も多いが女も多い
「電車に乗って、東京を十五、六ぺん乗り回しているうちにはおのずからもの足りるようになるさ」
違う。三四郎は左右の生垣をながめながら、生まれてはじめての東京の秋をかぎつつやって来た。
町の広い通りへ出た。秋晴れといって、このごろは東京の空もいなかのように深く見える。こういう空の下に生きている
「この男は私の同級生です。熊本の高等学校からはじめて東京へ出て来た――」と聞かれもしないさきからいなか者を吹聴
「東京はどうです」
広田先生は笑い出した。じつは東京名所という錦絵の間違いだということがわかった。先生の説による
愚だよ。だからしじゅう矛盾ばかりしている。先生、東京ほどきたない所はないように言う。それで石の門を見ると恐れを
「先生は東京がきたないとか、日本人が醜いとか言うが、洋行でもしたこと
つけてある。――お光さんもうれしがるだろう。――東京の者は気心が知れないから私はいやじゃ。
してふがいないことだと、いたく赤面した。同時に、東京の女学生はけっしてばかにできないものだということを悟った。
に出る。川はまっすぐに北へ通っている。三四郎は東京へ来てから何べんもこの小川の向こう側を歩いて、何べんこっち側を
「かけないんだもの。今の東京にいる者に悠揚な絵ができるものか。もっとも絵にもかぎるまいけれど
もないようだから、平生から持薬に度胸のすわる薬を東京の医者にこしらえてもらって飲んでみろ。直らないこともなかろうというの
までかかって長い返事を母にやった。そのなかには東京はあまりおもしろい所ではないという一句があった。
三四郎はその晩与次郎の性格を考えた。長く東京にいるとあんなになるものかと思った。それから里見へ金を借り
のような生活を送れと言ったら、どうする気かしらん。東京はいなかと違って、万事があけ放しだから、こちらの女は、たいてい
を言っていた。あんな銅像をむやみに立てられては、東京市民が迷惑する。それより、美しい芸者の銅像でもこしらえるほうが気が
の音で目がさめた。どこかで人声がする。東京の火事はこれで二へん目である。三四郎は寝巻の上へ羽織を
奈良の大仏の鐘をついて、そのなごりの響が、東京にいる自分の耳にかすかに届いたと同じことである。三四郎はこの
それから背景の話をする。その背景が大したもので、東京にいる有為の青年画家をことごとく引き上げて、ことごとく応分の技倆を振るわした
られたと評判している。いなかでもこうだから、東京にいるお前なぞは、本当によく気をつけなくてはいけないという
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大きな行李は新橋まで預けてあるから心配はない。三四郎はてごろなズックの鞄と傘だけ
て、四丁目から電車に乗って、新橋へ行って、新橋からまた引き返して、日本橋へ来て、そこで降りて、
与次郎は三四郎を拉して、四丁目から電車に乗って、新橋へ行って、新橋からまた引き返して、日本橋へ来て、そこで降りて
大きな行李は新橋まで預けてあるから心配はない。
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通じると、しばらくのあいだは、正気を回復するために、上野の森をながめていたが、突然「おいでかもしれません」
しか出ていない。その屋根のうしろに朝日を受けた上野の森が遠く輝いている。日は正面にある。三四郎はこの奥行の
「たぶん上野の精養軒になるだろう」
正気を回復するために、上野の森をながめていたが、
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に乗って、新橋へ行って、新橋からまた引き返して、日本橋へ来て、そこで降りて、
「日本橋から」
新橋へ行って、新橋からまた引き返して、日本橋へ来て、そこで降りて、「どうだ」と聞いた。
先生はまだ、これを食ったことがないとおっしゃる」「どこから」「日本橋から」三四郎はおかしくなった。
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れて、そこでようやく外濠線へ乗り換えて、御茶の水から、神田橋へ出て、まだ悟らずに鎌倉河岸を数寄屋橋の方へ向いて
と三四郎はかの平野家行き以来とんだ失敗をしている。神田の高等商業学校へ行くつもりで、本郷四丁目から乗ったところが、乗り越して
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持ってゆかれて、そこでようやく外濠線へ乗り換えて、御茶の水から、神田橋へ出て、まだ悟らずに鎌倉河岸を数寄屋橋の方
てすわった。三四郎は閑静な所だとか、わりあいに御茶の水まで早く出られるとか、望遠鏡の試験はどうなりましたとか、―
御茶の水で電車を降りて、すぐ俥に乗った。いつもの三四郎に似合わぬ所作
外濠線へ乗り換えて、御茶の水から、神田橋へ出て、
三四郎は閑静な所だとか、わりあいに御茶の水まで早く出られるとか、
御茶の水で電車を降りて、すぐ俥くるまに乗った。いつもの三四郎に似合わぬ所作
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乗ったところが、乗り越して九段まで来て、ついでに飯田橋まで持ってゆかれて、そこでようやく外濠線へ乗り換えて、御茶の水から、
ついでに飯田橋まで持ってゆかれて、そこでようやく外濠線へ乗り換えて、
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野々宮の家はすこぶる遠い。四、五日前大久保へ越した。しかし電車を利用すれば、すぐに行かれる。なんでも
大久保の停車場を降りて、仲百人の通りを戸山学校の方へ行かず
のだろう。それで妹に入院されてはたまるまい。大久保へ越したのも、あるいはそんな経済上のつごうかもしれない。……
新井の薬師までも行った。新井の薬師の帰りに、大久保へ出て野々宮君の家へ回ろうと思ったら、落合の火葬場の辺で
そうなので、つい遠慮してやめてしまった。今度大久保へ行ってゆっくり話せば、名前も素姓もたいていはわかることだから、せか
からだいたいはのん気である。それで夢を見ている。大久保へはなかなか行かない。
くる。そうすると気がかりになる。はなはだ不愉快になる。すぐ大久保へ出かけてみたくなる。しかし想像の連鎖やら、外界の刺激やらで、
きょうは大久保まで行ってみたが、やっぱりない。――大久保といえば、ついでに宗八さんの所に寄って、よし子さんに会って
「きょうは大久保まで行ってみたが、やっぱりない。――大久保といえば、ついでに
「先生、せっかく大久保へ越したが、またこっちの方へ出なければならないようになりそう
ということを聞いた。おっかさんが帰ると同時に、大久保を引き払って、野々宮さんは下宿をする、よし子は当分美禰子の家から学校
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の辺で道を間違えて、高田へ出たので、目白から汽車へ乗って帰った。汽車の中でみやげに買った栗を一人
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だの、染井の墓地だの、巣鴨の監獄だの、護国寺だの、――三四郎は新井の薬師までも行った。新井の薬師の
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田端だの、道灌山だの、染井の墓地だの、巣鴨の監獄だの、護国寺だの、――三四郎は新井の薬師までも行っ
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引き取った。そうして、ふわふわして方々歩いている。田端だの、道灌山だの、染井の墓地だの、巣鴨の監獄だの
それから三人はもとの大通りへ出て、動坂から田端の谷へ降りたが、降りた時分には三人ともただ歩いている
もあった。所は広田先生の二階であった。田端の小川の縁にすわったこともあった。その時も一人ではなかっ
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しまった。ひとり与次郎が時々石の門のことを言う。麹町からあれを千駄木まで引いてくるのに、手間が五円ほどかかったなど
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た。けれども不思議におかしくならなかった。与次郎はそのうち銀座のどことかへ天麩羅を食いに行こうと言いだした。金はあると
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た。したがって先生も演説口調であった。砲声一発浦賀の夢を破ってという冒頭であったから、三四郎はおもしろがって聞い
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「たぶん上野の精養軒になるだろう」「ぼくはあんな所へ、はいったことがない。
もうよして、いっしょに出ちゃ。精養軒でお茶でもあげます。
それだけ見て、帰りに精養軒へいらっしゃい。
出ると戸外は雨だ。「精養軒へ行きますか」美禰子は答えなかった
与次郎が勧めるので、三四郎はとうとう精養軒の会へ出た。
三四郎はこのいでたちで、与次郎と二人ふたりで精養軒の玄関に立っていた。
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乗り越して九段まで来て、ついでに飯田橋まで持ってゆかれて
日本の物質界も精神界もこのとおりだ。君、九段の燈明台を知っているだろう
なんぼ九段の燈明台が古いたって、江戸名所図会に出ちゃたいへんだ
ただ原口さんが、しきりに九段くだんの上の銅像の悪口わるくちを言っていた。
与次郎は三四郎に九段の銅像は原口さんと仲の悪い人が作ったんだと教えた。
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神田橋へ出て、まだ悟らずに鎌倉河岸を数寄屋橋の方へ向いて急いで
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御茶の水から、神田橋へ出て、まだ悟らずに鎌倉河岸を数寄屋橋の方へ
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三四郎は新井の薬師までも行った。新井の薬師の帰りに、大久保へ出て野々宮君の家へ回ろうと思ったら、
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あれで団子坂の菊人形が見たいから、連れていけなんて言うんだから」
おそらく団子坂へ行く者は一人もあるまい。普通の人間なら、どこの家でも四、五人は必ずいる。団子坂へ出かけるにはあたらない」
男は二人で笑った。団子坂の上まで来ると、交番の前へ人が黒山のようにたかっている。
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「こっちへ行くと谷中の天王寺の方へ出てしまいます。帰り道とはまるで反対です」