琴のそら音 / 夏目漱石

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地名一覧

小石川

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も研究して見たいが、――どうも毎日芝から小石川の奥まで帰るのだから研究は愚か、自分が幽霊になりそうなくらいさ

て貰ったんだそうだ。すると坊主が今本郷から小石川の方へ向いて動くのははなはだよくない、きっと家内に不幸があると云っ

四谷

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からして置いたのだからね。実はあの婆々も四谷の宇野の世話で、これなら大丈夫だ独りで留守をさせても心配は

「それでも宇野の御嬢さんはまだ四谷にいるんだから心配せんでもよさそうなものだ」

。「どうした。留守中何かあったのか。四谷から病人の事でも何か云って来たのか」

申す事を疑っていらっしゃる。何でもよろしゅう御座いますから明朝四谷へ行って御覧遊ばせ、きっと何か御座いますよ、婆やが受合いますから」

「これから剛情はやめるよ。――ともかくあした早く四谷へ行って見る事にしよう。今夜これから行っても好いが……」

「それでも御前が四谷の事を心配しているんじゃないか」

に畳んで置いた秩父銘仙の不断着である。この前四谷に行って露子の枕元で例の通り他愛もない話をしておった時

出来るからである。巡査は帰る。余は夜が明け次第四谷に行くつもりで、六時が鳴るまでまんじりともせず待ち明した。

本郷

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て見て貰ったんだそうだ。すると坊主が今本郷から小石川の方へ向いて動くのははなはだよくない、きっと家内に不幸がある

神楽坂

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余が前途には柳、桜の春が簇がるばかり嬉しい。神楽坂まで来て床屋へ這入る。未来の細君の歓心を得んがためだと云わ

茗荷谷

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茗荷谷の坂の中途に当るくらいな所に赤い鮮かな火が見える。前から見え

伝通院

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卒業して迷信婆々さ。何でも月に二三返は伝通院辺の何とか云う坊主の所へ相談に行く様子だ」

四谷坂町

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そうにない。構うものかと薩摩下駄を引掛けて全速力で四谷坂町まで馳けつける。門は開いているが玄関はまだ戸閉りがしてある。書生

東京

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「味噌汁の事さ。東京の婆さんだから、東京流に御みおつけと云うのだ。まずその汁の実を何に

「味噌汁の事さ。東京の婆さんだから、東京流に御みおつけと云うのだ。まず