草枕 / 夏目漱石

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地名一覧

小石川

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だね。山の手は麹町かね。え? それじゃ、小石川? でなければ牛込か四谷でしょう」

四谷

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。え? それじゃ、小石川? でなければ牛込か四谷でしょう」

でなければ牛込か四谷でしょう」「まあそんな見当だろう。

牛込

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かね。え? それじゃ、小石川? でなければ牛込か四谷でしょう」

それじゃ、小石川? でなければ牛込か四谷でしょう」

銚子

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ない。昔し房州を館山から向うへ突き抜けて、上総から銚子まで浜伝いに歩行た事がある。その時ある晩、ある所へ宿た。

山の手

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――何でも下町じゃねえようだ。山の手だね。山の手は麹町かね。え? それじゃ、小石川? でなければ牛込か四谷

鎌倉

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石段の上で思い出す。昔し鎌倉へ遊びに行って、いわゆる五山なるものを、ぐるぐる尋ねて廻った時、たしか

館山

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てから、こんな経験はただ一度しかない。昔し房州を館山から向うへ突き抜けて、上総から銚子まで浜伝いに歩行た事がある。その時

満洲

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この田舎者は胃病と見える。彼らは満洲の野に吹く風の臭いも知らぬ。現代文明の弊をも見認めぬ

大梅寺

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「泰安さんは、その後発憤して、陸前の大梅寺へ行って、修業三昧じゃ。今に智識になられよう。結構な事よ」

京都

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にも二人の男が祟りました。一人は嬢様が京都へ修行に出て御出での頃御逢いなさったので、一人はここの

「御自身は是非京都の方へと御望みなさったのを、そこには色々な理由もあり

「ええ、いました、京都にもいました。渡りものですから、方々にいました」

広島

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俗でもあるが、これはその何ですよ。山陽が広島におった時に庭に生えていた松の皮を剥いで山陽が

向島

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うたう。救ってやろうと思って、長い竿を持って、向島を追懸けて行く。女は苦しい様子もなく、笑いながら、うたいながら、

東京

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「しかし東京にいた事がありましょう」

「失礼ですが旦那は、やっぱり東京ですか」

「東京と見えるかい」

「東京はどこだか知れるかい」

「そうさね。東京は馬鹿に広いからね。――何でも下町じゃねえようだ。山の手

て来たんですよ。――なにね、あの隠居が東京にいた時分、わっしが近所にいて、――それで知ってるの

そこにいる。いられるのは、幸福な人である。東京でそんな事をすれば、すぐ電車に引き殺される。電車が殺さなければ巡査

「どこで御逢いです、東京ですか」

「いやここで、東京へは、も二十年も出ん。近頃は電車とか云うものが出来た

「東京に永くいると屁の勘定をされますよ」

て、樹の上で妙な節の唄をうたい出した。東京では蜜柑の皮でさえ薬種屋へ買いに行かねばならぬのに

麹町

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何でも下町じゃねえようだ。山の手だね。山の手は麹町かね。え? それじゃ、小石川? でなければ牛込か四谷でしょう

日本橋

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わしが小坊主のとき、先代がよう云われた。人間は日本橋の真中に臓腑をさらけ出して、恥ずかしくないようにしなければ修業を積んだ

。ただ知らぬ人で逢い、知らぬ人でわかれるから結句日本橋に立って、電車の旗を振る志願者も出て来る。太公望が、久一

日本橋を通る人の数は、一分に何百か知らぬ。もし橋畔に立っ

神田松永町

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神田松永町でさあ。なあに猫の額見たような小さな汚ねえ町

陸前

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その後発憤して、陸前の大梅寺へ行って、修業三昧じゃ。

那古井

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山を越えて落ちつく先の、今宵の宿は那古井の温泉場だ。

「ここから那古井までは一里足たらずだったね」と別な事を聞いて見る。

「仕合せとも、御前。あの那古井の嬢さまと比べて御覧」

「あれは那古井の男かい「はい、那古井の源兵衛で御座んす」

「那古井の嬢様にも二人の男が祟たたりました。一人は嬢様が京都へ修行に出て

それから嬢様はまた那古井の方へ御帰りになります。世間では嬢様の事を不人情だとか、

「御婆さん、那古井へは一筋道だね」と十銭銀貨を一枚床几の上へかちりと投げ出して

これが那古井の地勢である。温泉場は岡の麓を出来るだけ崖がけへさしかけて