淡雪 / 牧野信一

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地名一覧

本郷

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に無試験で入学した。弟の貞介は青白い秀才で、本郷の大学で医科の優等生だつた。

箱根

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なつて、一周忌を経ぬ時であつた。母と箱根の温泉宿に湯治してゐた時、同宿だつた役者のFが、芸事

高い顔で、ふゝんと嗤ふのが癖だつた。箱根を引上げる時になつても母は実家へ戻るのを無性に厭つて、

携えたゞけで、門協の廏から馬を引出して箱根から駕籠で戻つて来るFを酒匂川の橋銭小屋の傍らで待合せた。み

老主人の子をみわが生んでゐた。主人は箱根の大平台で雲助と格闘して、断崖の底で最後を遂げた。風祭に

浦賀町

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だが桑原家の主人は、そんな理由もなかつた長男を浦賀町の漁家へ、次男を風祭村の農家へ養子として片づけ、三女の園

真鶴

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の辺なのか? と新吉は想つた。西の真鶴の岬は直ぐの眼の先に短く肥つた腕を曲げ、渚づたひの

か自分が山のやうに大きな蟹に化けてゐた。真鶴の岬が短い方の鋏で、遠方の半島が長く曲つて、自由自在な

横浜

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雷音は横を向いて黙つて了つた。彼は横浜で降りる時、新吉に絵雑誌などを与へながら、子供をひとりで汽車に乗せる

酒匂川

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から馬を引出して箱根から駕籠で戻つて来るFを酒匂川の橋銭小屋の傍らで待合せた。みわの鼾声が園の耳に残つ

ボストン

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アメリカへ旅立つた。英介はフエヤブンのミドルスクールから出直して、ボストンのハイスクールにすゝんだ後に同市の工機学校に学んだ。彼の最初

江戸

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Fといふ可成り有名な歌舞伎役者のあとを慕つて、江戸へ出奔した。園は綺麗な白髪のお婆さんになつて、浦賀の

の質素な吏員だが、若い頃少しばかりの道楽者で主に江戸に住んで浮世絵師や俳諧師と親しみ、江戸つ子の渇仰者だつたから、無性

大津

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大津藤吉は正銘の一番で入学してゐた。

巣鴨

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みそのに掴みかゝらうとする発狂状態に陥入つて、巣鴨の病院へ運ばれた。みそのは二度も風祭村に人目を避け

されてゐた黒ラシヤのマントを着てゐた。巣鴨の病院を退院した後に、故郷に姿を見せたことのない貞介

東京

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は息子の藤吉を母と叔父に託して浦賀へおくり、東京の北島町で尾原といふ商人に嫁いでゐた。

新吉は折々祖父に伴れられて東京に来ると、北島町の「尾原さん」に泊つた。その家は何ういふ

「何しろあれで東京とでも話が出来るつてんだから、あたしはもう気味が悪くつて

「東京からだよ。」

は決して新吉の家を訪れなくなり、藤吉は間もなく東京の府立中学に転じた。転校試験の結果二年級を飛び越えて、

「お前が卒業したら、新は東京へ招んで呉れつて、今日着いた兄貴の手紙にも書いてあつた

品川

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、客達が一勢に手拍子をとつて「日清談判ハレツシテ、品川乗リ出スアヅマ艦――」と合唱した。行灯の光りに照らされ

新橋

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「藤ちやんが新橋まで迎へに来てゐる筈なの。」

浦賀

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た。園は綺麗な白髪のお婆さんになつて、浦賀の兄の家で歿くなるまで終ひに生家の門をくゞらなかつたが

だが桑原家の主人は、そんな理由もなかつた長男を浦賀町の漁家へ、次男を風祭村の農家へ養子として片づけ、三女

訪れた。小園は息子の藤吉を母と叔父に託して浦賀へおくり、東京の北島町で尾原といふ商人に嫁いでゐた。

藤吉は祖母の園と浦賀に住んで、折々小田原の新吉の家を訪れた。小園は息子の藤吉

でも濛つとして定かではなかつた。藤吉の居る浦賀の町は、あの半島の何の辺なのか? と新吉は想つ

「浦賀に来ないか。浦賀のおぢいさんは一人も友達なんかは無い代りに、僕を相手にし

「浦賀に来ないか。浦賀のおぢいさんは一人も友達なんかは無い代りに

「……僕だつて浦賀に行き度がるんだけど、いつでも母さんが行かせないんだよ

をするばかりだ――新吉はそんなに思つたりした。浦賀のお爺さんが土産に呉れた木の大砲はハンドルを廻すと筒の

た。どちらも何うせ新吉には解りもしなかつたが、浦賀のお爺さんの声が響き渡ると家ぢうが滝に打たれるやう

新吉は、浦賀のおぢいさんを羨んだ。二三度しか会つたことはないが、うち

新吉が欄間を見上げると立派な金ぶちの額に収まつた浦賀のお婆さんの、小園さんよりも若い時の写真が飾つてあつ

尾原さんは坐つてゐる間もなくて、小園さんは浦賀のお婆さん(園)よりもつと年とつたお婆さん(Fの

、つまり実家の風には終ひまで弓を引かう……浦賀のおぢさんにさへ楯を突いて……」

もおばあさんも死んでしまつたんで、僕はもう浦賀へは帰らないんだ。」

「浦賀のうちにあるといふ軍艦を見たいな。」

京橋

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彼等は仁王門のやうな造りの京橋凱旋門をくゞつた。