冬の風鈴 / 牧野信一

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地名一覧

横浜

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横浜を過ぎる頃に児は眠つた。

といふものは私は一度も見たことがないので横浜まで行つて見ようかと思つたが、テープを引つ張るなどといふことを

静岡

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ある。Tは医者だつた。この叔母は、今では静岡の在で単独で薬局店を経営してゐる。

夕方になつて戻ると、静岡の叔母も来てゐた。五年前に死んだ父方の次男のT

うちに静岡を訪れようと思つてゐることなどを話した。静岡には、老妓のお蝶がゐる。勿論お蝶には手紙も行つてはゐ

自分は、近いうちに静岡を訪れようと思つてゐることなどを話した。静岡には、老妓のお蝶

東京

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。こんなことなら正月のうちに計画した通り、あの時東京を離れた方が得策だつたに違ひない。それにしても小説に

つたと云つても、この前もやつぱりヲダハラまでゝある。東京から。

彼女は、東京とヲダハラの往復にはあきてゐた。

た。ふつと眼が醒めた時には、何時もの東京の部屋かと思つた。居るだけで好いのだ、その他には自分

東京の家で、苛々しながら机に向つてゐたことを思ふと何だ

動物的な眼を視張つてゐたのだ。だから東京にゐる間も、あんな吐息をつきながらも何処かに薄気味悪い落つき

アメリカのAから手紙を受け取つた。Aは彼の東京の居住を不安に思つて郷里にあてて寄したのである。彼

「あした東京へ帰る。」と云つた。

のは妻だつた。彼女は、寧ろ彼の為に、東京での彼のダルな生活を見るに忍びなかつた。

埋つてゐる紙片は殆どない断片的な数十枚の原稿、あの東京の嫌な郊外の寂しい家に棄てて来た反古紙に心を移すより

それだのに彼は、△△行を止めて東京に帰らうとする自分に、何か積極的な理由を感じてゐた。