心象風景(続篇) / 牧野信一

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地名一覧

箱根山

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予猶があるといふので妻君は左う云つた。箱根山にあるホテルの晩飯に赴かうといふのであつた。私達の父親が存命の

真鶴

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の長男は人車鉄道の運転手を務めてゐたが、真鶴から吉浜村へ向ふ急勾配で脱線の惨事が起つた時に重傷を負ふて

金時山

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巧みに火をともした。明神ヶ岳の山裾から、ヤグラ岳、金時山の頂きにかけて翼を伸した陽りが、山襞※に添つてぢく

東京

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「決して滅びない記念像が出来あがるわけですね。東京へ移る時には、持つて行かれるわけなんでせう。」

小説家の奥田林四郎(第一篇の登場人物)が、東京から訪れてゐた時、彼がとても巧者な手つきで銀の容れものから煙草

に這入つてゐる答だが、木兎のは特別だから東京へ注文しなければならない。」

自慢しながら「それで漸く支度がそろつていよ/\東京へ行くことに決めたのよ。」と妻君は云つた。

「うちの人にね。これから東京の間阿さんと鱒井さんに手紙を書いて貰つて、あした行く

年ちかく斯んな近くに居ながら一度も行つたことがない東京の光景を、私は新しい作家である鱒井達の文章から想像して見知ら

いよ/\東京へ行けるのか――と私は思つた。もう二年ちかく斯んな近く

とでうつら/\と顔を伏せてゐた。どうやら東京行に関しては妻君とりら子の間では前々からの約束があつ

たが、私は不慮の酔と木兎の悲しみと、そして東京の夢とでうつら/\と顔を伏せてゐた。どうやら東京行

「ほんとうにあした東京へ行くの?」

「何を考へてゐるの、あした東京へ行かれるときまつたら急に元気になつて――」

目白

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は! 和尚が鳥籠をかけてねらつてゐるぜ、目白だな!」

た。いつか彼は寒卵で儲け損つたから、今度は目白でせしめてやらう、そしたら皆なで遊廓へ繰り込まうではないか