「悪」の同意語 / 牧野信一

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地名一覧

ボストン

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といふ話のお蝶を訪ねよう――さう思ふことゝ、米国ボストンのFに、最近の自分の消息を知らせなければならないこと――。

静岡

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小田原から静岡へ去つて、そこで雛妓のお光とたつた二人だけで小さな芸妓屋

とすると、僕は今度そつちへ行つたついでに、静岡まで行つて見て来ようかと思つてるんですよ。」

東京

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た揚句、その儘周子と三歳の英一を伴れて東京へ来てしまつた彼だつた。

どころではあるまい、口にこそ出さないが、彼女の東京に来て以来の図々しい態度から察しても、彼奴は無反省な馬鹿な

ませんか。」と、ごまかすやうな笑ひを浮べた。東京へ行つてゐた間、母に手紙の返事を彼は、時々書いた

それにしても、東京に来てからの彼奴の我儘はどうだ! と、彼は、ひとり

より他に術がない気がした。どうかね、東京の「新生活」は? などと友達に訊ねられると、彼は、にやにや

裏長屋から、目黒に家を買つて移転した。――東京から様々な人々が出入して、彼の父は滅多に家に帰らなく

「東京へ来てツから、すつかり意久地がなくなつたのね。」

勿論母になど云ふ必要はないのだ。寧ろ彼は、東京に来て以来、虫のやうに寒さに縮んだ生活をしてゐる

出されてから、周子と英一はお蝶達と一処に、東京へ出かける日まで此処に起き臥ししてゐた。「阿母が謝まらないうちは

「東京へなんていらしつては駄目ですとも。若旦那が居なくなれば、それこそどんな

「東京へいらしつたと思つたら、忽ち通人におなりになりましたわね。

た時は、お酒を飲むのも好いだらうが、東京へ行つたら気をおつけよ、お前はあまり癖の好くない質だから…

「僕は、今日は如何しても東京へ帰らなければならないんです。だけどこの分では、汽車に乗れる

な光景ばかりが浮んだ。――だが彼は、また東京へ戻つて彼女等に取り囲れて、打算的な愛嬌を示されて苛々する

感触に擽つたさを覚えながら、停車場へ走つた。東京へ帰つたら直ぐに「その後の母と彼」を書き続けよう、さう思ひながら

日比谷

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いかにお暮しですか、周はいつぞやお兄様と日比谷を散歩したときのことを嬉しく思ひ出してゐますのヨ、あの時の

目黒

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たりした。周子のところでは、大崎の裏長屋から、目黒に家を買つて移転した。――東京から様々な人々が出入し

大崎

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、専務取締役になつたりした。周子のところでは、大崎の裏長屋から、目黒に家を買つて移転した。――東京から様々

て来た。賢太郎は、丁年の周子の弟である。大崎に居た頃程でもないが、この頃はまた周子の里は貧乏に

銀座

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た。編物とか子供服などの裁縫が巧みで、わざわざ銀座通りなどへ出かけて、服屋の飾窓を熱心に研究して、周子の古

視張つた。「姉さんなんて何も知らないのね、銀座や丸ビルへ行つて御覧なさい、……赤いからと云つたつて何も

日本橋

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は急に脚を速めて引き返して、乗合自動車に乗つて日本橋まで行つた。