ボストン 本郷 横浜 国府津町 早稲田 小田原町 京都 麹町 人形町 大久保 日本橋

官であつた。――私の父親は中学の課程からボストンに生活し、学生時代を終るとどういふわけで、また何んな程度の位置か知ら

終へると、私は一高の理科へ入学するつもりで、本郷に居た医学士の叔父のところへ来た。あの二科目さへ除けば別

を抜かし、六代目やハリマ屋の声色をつかつた。本郷にゐた叔父が人形町に開業したので一緒に移り、叔母の従妹に

。父の先輩や友人が乗つてゐる軍艦や汽船が横浜に着くといふ通知を受けると、山高帽子で紋付の羽織を着た祖父と私

遅れたが、私の生地は神奈川県小田原町である。）国府津町はその頃村で、東海道線に乗るためには電車で国府津へ向はなければ

てゐたが彼女が嫁いでからは妙に寂しくなつて早稲田の下宿に移ると、益々母への書簡は巧妙となつた。そして、私

別居した。（述べ遅れたが、私の生地は神奈川県小田原町である。）国府津町はその頃村で、東海道線に乗るためには電車で

とすすめたが、私が転校もしないうちに先生は京都の大学へ移られた。先生はエール大学のドクトル・オヴ・フイロソフイで、

れるほどのこともなく何の不安もなかつたので、麹町の二松学舎へ通つて作文問題の用意のために改めて漢文と国文に身

ハリマ屋の声色をつかつた。本郷にゐた叔父が人形町に開業したので一緒に移り、叔母の従妹にあたる娘と芝居を

利いたのは故柏村次郎であり、次にクラス会が大久保の方で開かれた時浅原六朗と知り、間もなく岡田三郎、吉田

に起因したに相違なかつた。で私は又、日本橋へ戻つて叔父の知合ひの毛織物輸入商のオフイスに寄宿して余念も