満洲 シカゴ 北海道 札幌 三沢 鎌倉 東京

年ほどやっていたかな、しまいに面倒くさくなって、満洲からアメリカへやって来たのさ。』

んで、学校をやめてから使ってくれっと云って、満洲まで行ったんだが、本社へ出勤して三日とたたぬのに、

どうやら似通よった姿であった。このほとんどは、シカゴ製のもので、日本から身につけて来たものと云っては何一

『三沢君、これシカゴから今ついたばっかりの僕の友人、前田河だよ。』

鉄柵の手摺りが出ていて、何のことはない、シカゴの栗の果横丁をちょっと伊達にしたような造りだった。ここから見る

なっているところが、ちょうど巨大な蟷螂のようだった。北海道の産というが、ちょっと日本ばなれのした日本人である。

『うむ、札幌でよ。餓鬼どもをあいてに、サイン、コサインだなんて、馬鹿々々しく

めしにしようと思うのだが――待てよ、先に三沢に会うかな、その方がよかろう。これから五十七丁目だ、三沢っていって

会うかな、その方がよかろう。これから五十七丁目だ、三沢っていってね、君にぜひ一度紹介して置きたい人間がいるんだ、

何年来の旧友みたいに、木元は紹介する。三沢と呼ばれる男は、糠パンにバターを塗っていた手をとめて、

三沢は、糠パンを歯で食いちぎりながら、恐ろしそうにウィスキーの行方を見まもってい

大股に歩いて行く彼には、もはや三沢のところでとぐろを巻いた姿はなかった。十月末というのに、

『――三沢の奴、あれだけ噛ましておけば、当分大丈夫だ。あれはね、これから

事務所を持っている。この男なら、ちょっと話せる奴だ。鎌倉に別荘を持っていたりして、日本詰のときは、まあ相当にやっ

。叔父の一人は満鉄にいるし、もう一人の叔父は東京の帝国物産の社長をやってる。それに、親父が、親父の話と