行乞記 01 (一) / 種田山頭火
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此宿でも都城でも小林でも晩飯にきつとお汁を添へる、山家、或は田舎で
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霧島は霧にかくれて見えない、たゞ高原らしい風が法衣を吹いて通る、あちら
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十一月六日 晴后曇、行程六里、竹田町、朝日屋(三五・中)
十一月七日 曇、夕方から雨、竹田町行乞、宿は同前。
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阿蘇がなつかしいりんだうの花
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十一月廿八日 晴、近郊探勝、行程三里、香春町(二五・中)
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十月十日 曇、福島町行乞、行程四里、志布志町、鹿児島屋(四〇・上)
十月十一日 晴、曇、志布志町行乞、宿は同前。
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十月廿五日 晴曇、行程三里、高鍋町、川崎屋(三五・中上)
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十一月卅日 雨、歓談句作、後藤寺町、次郎居(なつかしさいつぱい)
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十二月七日 晴、行程四里、二日市町、わたや(三〇・中)
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十月廿三日 曇、雨、佐土原町行乞、宿は同前。
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と、高い山がなかば霧にかくれてゐる、疑ひもなく久住山だ、大船山高岳と重なつてゐる、そこのお爺さんに山の事
は祖母山をまともに一服やつたが、下津留では久住山と差向ひでお辨当を開いた、とても贅沢なランチだ、例の如く飯
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今日は香春岳のよさを観た、泥炭山のよさも観た、自然の山、
この道も悪くない、平凡のうれしさを十分に味ふ、香春岳はやつぱりいゝ、しかし私には少し奇峭に過ぎないでもない、それに対し
より親しまれる、そのところ/″\の雑木紅葉がうつくしい(香春岳は遠くからか、或は近くから眺めるべき山だ、緑平居あたりからの遠山が
はされたところだ、また、因に書いておく、香春岳全山は禁猟地で、猿が数百匹野生して残存してゐる、見物に登ら
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四人、無駄話がとり/″\に面白かつた、殊に宇部の乞食爺さんの話、球磨の百万長者の慾深い話などは興味深いもの
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と、大きな高い山がどつしりと峙えてゐる、祖母岳だ、西日を浴びた姿は何ともいへない崇美だつた、私は
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十一月廿日 曇、時雨、下関市行乞、本町通り、岩国屋(三〇・中ノ上)
十一月廿三日 曇、時雨、下関市、地橙孫居。
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十月廿六日 晴、行程四里、都濃町、さつま屋(三〇・中上)
松並木つゞき、見遙かす山なみもよかつた、四時過ぎて都濃町の此宿に草鞋をぬぐ、教へられた屋号は「かごしまや」だつたが
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過ぎだつた、途中少しばかり行乞する、そして第十七番の清水寺へ詣でる、九州西国の札所としては有数の場所だが、本堂は焼失
の尼さんは好感を与へる人だつた、こゝからまた清水寺へ戻る別の道も難路だつた、やうやく前の道へ出て、急いで
・日向の羅漢様どれも首がない(清水寺)
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身に触れて萩のこぼるゝよ
今日の道は山路だからよかつた、萩がうれしかつた、自動車よ、あまり走るな、萩がこぼれます。
た、萩がうれしかつた、自動車よ、あまり走るな、萩がこぼれます。
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八幡よいとこ――第一印象は、上かんおさかなつき一合十銭の立看板だつ
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こゝの唐辛の砂糖煮、味噌汁、煎茶はうまい、九州ほど茶を飲むところは稀だが、私も茶飲み連中の一人となつてし
――南由布院、北由布院と分れてゐるが、それは九州としては気持のよい高原であるが、こゝは由布院中の由布院とも
さすがに福岡といふ気がする、九州で都会情調があるのは福岡だけだ(関門は別として)、街
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お昼すぎまで大淀――大淀川を東に渡つたところの市街地――を行乞してから、誰
大淀の丘に登つて宮崎平原を見おろす、ずゐぶん広い、日向の丘から丘へ、
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十二月十五日 晴、行程二里、そして汽車、熊本市、彷徨。
十二月十六日 晴、行程三里、熊本市、本妙寺屋(四〇・下)
十二月廿一日 晴后曇、行程五里、熊本市。
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後刻を約して札所めぐりをする、九州西国第三十二番は龍宮寺、第三十一番は大乗寺、どちらも札所としての努力が払つてない
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早く起きたけれど、ゆつくりして九時出立、渡瀬行乞、三池町も少し行乞して、普光寺へ詣でる、堂塔は見すぼらしいけれど景勝たるを失は
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が印象として残つてゐる、島の井戸――青島神社境内――の水を飲んだが、塩気らしいものが感じられなかつた――
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下関はなつかしい土地だ、生れ故郷へもう一歩だ、といふよりもすでに故郷だ、
下関の市街は歩いてゐるうちに、酒屋、魚屋、八百屋、うどん屋、餅屋(
下関は好きだけれど、煤烟と騒音とには閉口する、狭くるしい街を人が通る
下関から眺めた門司の山々はよかつたが、近づいて見て、登つて
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に囲まれて、そして一方はもく/\ともりあがつた由布岳――所謂、豊後富士――である、高原らしい空気がたゞようてゐる、
富士――である、高原らしい空気がたゞようてゐる、由布岳はいい山だ、おごそかさとしたしさとを持つてゐる、中腹までは雑木
中の由布院ともいふべく、湯はあふれてゐるし、由布岳は親しく見おろしてゐる、村だから、そここゝにちらほら家があつて、それ
、私は今日幸にして、落日をまともに浴びた由布岳を観たことは、ほんたうにうれしい。
・こゝちようねる今宵は由布岳の下
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けふのつれは四国の人だつた
伸ばした足に触れた隣りは四国の人
行乞には早すぎるので(四国ではなんぼ早くてもかまはない、早くなければいたゞけない、同行が多いから
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子供が声張りあげて草津節をうたつてゐる、「草津よいとこ一度はおぢやれ、お湯の中にも花が咲く」チヨイナ/
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由布院といふところは――南由布院、北由布院と分れてゐるが、それは九州
ては気持のよい高原であるが、こゝは由布院中の由布院ともいふべく、湯はあふれてゐるし、由布岳は親しく見おろしてゐる、
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十四日 晴、朝夕の涼しさ、日中の暑さ、人吉町、宮川屋(三五・上)
九月十六日 曇、時雨、人吉町行乞、宮川屋(三五・上)
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十二月五日 曇、時雨、行程三里、福岡市、句会、酒壺洞居。
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まあ市井のお観音様といつた感じである、こゝから箕ノ山の麓を善導寺までの三里は田舎路らしくてよかつた、箕ノ山と
麓を善導寺までの三里は田舎路らしくてよかつた、箕ノ山といふ山はおもしろい、小さい山があつまつて長々と横はつてゐるの
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九月廿七日 晴、宿は同前、宮崎神宮へ。
湯屋へ、それから酒屋へ、そしてぶら/\と歩いて宮崎神宮へ参拝した、樹木が若くて社殿は大きくないけれど、簡素な日本趣味が
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十月十二日 晴、岩川及末吉町行乞、都城、江夏屋(四〇・中)
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九月廿五日 雨、宮崎市、京屋(三五・上)
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へ着いたらもう十二時近かつた、濁酒一杯の元気で八木山峠を越える、そして七曲りの紅葉谷へ下りる(笹栗新四国八十八ヶ所、第三十四番の
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綾から本庄までまた二里、三時間ばかり行乞、やうやく教へられた、そして大正十五年泊
昨日書き落してゐたが、本庄の宿を立つ時、例の山芋掘りさんがお賽銭として弐銭出し
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日が落ちかゝるその山は祖母山
といふ話の一つ二つ――三国峠では祖母山をまともに一服やつたが、下津留では久住山と差向ひでお辨当
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あつてまた通るのである、途中、三名、岩崎、平郡といふ部落町を行乞して、やつと今日の入費だけ戴いた、明日は
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\に面白かつた、殊に宇部の乞食爺さんの話、球磨の百万長者の慾深い話などは興味深いものであつた。
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十三日 曇、汽車で四里、徒歩で三里、玖珠町、丸屋(二五・中ノ上)
森町、しかしこの河一つが何といふ相違だらう、玖珠町では殆んどすべての家が御免で、森町では殆んどすべての家がいさぎよく
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十一月四日 晴、行程十里と八里、三重町、梅木屋(三〇・中上)
里、そこから小野市まで三里、一時間ばかり行乞、そして三重町まで八里の山路を急ぐ、三国峠は此地方では峠らしい峠で
十一月五日 曇、三重町行乞、宿は同前。
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十月廿七日 晴、行程三里、美々津町、いけべや(三〇・中)
は都農町行乞、それからぼつ/\歩いて二時過ぎ美々津町行乞、或る家で法事の餅をよばれる、もつと行乞しなければ都合が
八時から十一時まで美々津町行乞、とう/\降りだした、濡れて峠を越える、三度も四度
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が二時過ぎ、こゝでも二時間あまり行乞、それから鵜戸神宮へ参拝した、小山の石段を登つて下る足は重かつたが、老杉
鵜戸神宮では自然石の石だゝみのそばに咲いてゐた薊の花がふかい
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をする、九州西国第三十二番は龍宮寺、第三十一番は大乗寺、どちらも札所としての努力が払つてない、もつと何とか
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熊本を出発するとき、これまでの日記や手記はすべて焼き捨てゝしまつたが
炎天の熊本よさらば
の声が聞えるやうな気がする、何といつても熊本は第二の故郷、なつかしいことにかはりはない。
つた茗荷を下物に名物の球磨焼酎を一杯ひつかける、熊本は今日が藤崎宮の御神幸だ、飾馬のボシタイ/\の声が聞える
た若い女の群、その一人が『あう』といふ、熊本のカフヱーでみたことのある顔だ、よく覚えてゐましたね、
去年の色に咲いたりんだう見ても(熊本博多同人に)
までも歩きつゞけるつもりで旅に出たが、思ひかへして、熊本の近在に文字通りの草庵を結ぶことに心を定めた、私は今
にあまえて汽車で熊本入、百余日さまよいあるいて、また熊本の土地をふんだわけであるが、さびしいよろこびだ、寥平さんを訪ねる、
苦味生さんの好意にあまえて汽車で熊本入、百余日さまよいあるいて、また熊本の土地をふんだわけであるが
こんど熊本に戻つてきて、ルンペンの悲哀をつく/″\感じた、今日
し、引越の時の事もあるので、電車でまた熊本へ舞ひ戻る、そして彼女を驚かした、彼女もさすがに――私は
が生存の憂欝だつた、熊本から川尻へ、川尻からまた熊本へ、逓信局から街はづれへ、街はづれから街中へ、そして元寛
の悲哀だつた、一念々々が生存の憂欝だつた、熊本から川尻へ、川尻からまた熊本へ、逓信局から街はづれへ、街
十二月廿三日 曇、晴、熊本をさまよふてSの家で、仮寝の枕!
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ある、このあたり、焼酎のみでなく、すべてが宮崎よりも鹿児島に近い)。
地は県政上は宮崎に属してゐるが、地理的には鹿児島に近い、言葉の解り難いのには閉口する。
時から三時まで行乞、久しぶりに日本酒を飲んだ、宮崎鹿児島では焼酎ばかりだ、焼酎は安いけれど日本酒は高い、私の住める場所ぢや
月十日 曇、福島町行乞、行程四里、志布志町、鹿児島屋(四〇・上)
海岸佳景である、一里ばかり来たところに、宮崎と鹿児島との県界石標が立つてゐる、大きなタブの樹も立つてゐる、
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が耳に残つてゐる、帰途は近道を教へられて高松橋(渡し銭三銭)を渡り、景清公御廟所といふのへ参詣する
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ノ町を歩いて見る、港までは行けなかつた、福島町といふのは上ノ町、中ノ町、今町の三つを合せて延長二里
十月廿二日 曇、行程三里、福島、富田屋(三〇・上)
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天気も悪いし、気分もよくないので、一路まつすぐに福岡へ急ぐ、十二時前には、すでに市役所の食堂で、酒壺洞君と
若い女は! 街上で電車切符売が多いのも福岡の特色だ。
福岡といふ気がする、九州で都会情調があるのは福岡だけだ(関門は別として)、街も人も美しい、殊に女
さすがに福岡といふ気がする、九州で都会情調があるのは福岡だけだ(関門
十二月六日 雨、福岡見物、彷徨五里、時雨亭居。
酒屋に立ち寄つて、酢牡蠣で一杯やつて、それでは福岡よ、さよなら!
なつて、送られて出立する、別れてから一時頃まで福岡の盛り場をもう一度散歩する、かん酒屋に立ち寄つて、酢牡蠣で一杯やつ
福岡の中州をぶら/\歩いてゐると、私はほんたうに時代錯誤的だと
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のある話を聞いた、沙魚の話、鯉の話、目白飯の話、鹿打失敗談、等、等、等――彼はさらに語る
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また雨らしい、嫌々で九時から二時まで延岡銀座通を行乞、とう/\降りだした、大したことはないが。
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風が強い大岩小岩にうづもれ□□