旅日記 / 種田山頭火

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地名一覧

阿保

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阿保まで三里、うらゝかな道。

上野原

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与瀬から上野原まで歩いて、清水屋といふ安宿に泊る、一泊二飯で五十銭は安

相生

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二里近くで岩村田町、相生の松とよばれる中仙道徃還の名木があつた、赤松黒松の雌雄両木が絡み

石巻

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三時の電車で石巻へ、露江居におちつく、お嬢さんが人なつこくてうれしい。

朝日山

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で有名な古戦場、前は杏の里と呼ばれる部落、朝日山の阿弥陀堂はその右手に見える、さらに裾花川に架してある相生橋のほとりへ

永平寺

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ぼつり/\歩いてまた永平寺へ、労れて歩けなくなつて、途中野宿する、何ともいへない孤独の

七月五日 永平寺にて。

伊豆

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伊豆はさすがに南国情調だ、麦が穂に出て燕が飛びかうてゐる。

・伊豆はあたゝかく死ぬるによろしい波音

○伊豆の若葉はうつくしい。

至るところに鉱山、小さい金鉱があつた、それも伊豆らしいと思はせた。

伊豆は、湯はよいけれど水はよろしくない、温泉地のどこでもさうである

伊豆に多いのは旅宿の立看板と隧道と、そしてバス。

も宿がなくて困つてゐるといふ、よく見ると、伊豆で同宿したことのある顔だ、それではいつしよに泊らうといふ

高崎市

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高崎市の安宿に寄ると、ふしぎや、また例のルンペン君に出会つた、人生万事

山田温泉

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(山田峠ともいふ県界)の頂上まで半里、それから山田温泉まで下り三里。

ほどなく山田温泉に着いた、まさに十二時、薬師堂があつて吉野桜が美しい。

白根

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上洲から信州へはいつてくると明るくなつたやうだ(白根から万座峠を下つて)、概して道がよろしい、道標がしんせつに建てゝある

弘川寺

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弘川寺の西行塚に詣でる。

(弘川寺)

伊吹山

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鈴鹿山がひかる、伊吹山も。

浜松

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浜松は津とも違つて、おちついた都会である。

名古屋にも浜松にも同人間に何だか感情のもつれがあるらしい、私としては

信濃川

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信濃川産の生鮭はおいしかつた、生れて初めて知つた鮭の味である。

浅間高原

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浅間高原の空気を満喫した。

浅間

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・こんなに蕎麦がうまい浅間のふもとにゐる

・浅間したしいあしたでゆふべで

さすがに浅間の麓町だけあつて、風が強くて雨が冷たい。

、見晴台の見晴らしはすばらしかつた、山また山である、浅間は近く明るく、白馬は遠く白く眺めて来たが、こゝでは高い山低い

銀閣寺

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塔、芭蕉堂、西行庵、智恩院、南禅寺、永観堂、銀閣寺、本願寺、等々等。

みちのく

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水底の雲もみちのくの空のさみだれ

光悦寺

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鷹ヶ峯、庵、光悦寺、金閣寺、酔つぱらうて、仙酔楼居へ自働車で送られる。

白馬連峰

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、もう霽れてもよいだらう、どうやら霽れさうだ、白馬連峰が遠く白くかゞやいてゐる。

・桑畑の若葉のむかうから白馬連峰

伊東町

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(伊東町)

宇治

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十時出立、宇治へ。――

戸塚

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戸塚の松並木は美しかつた。

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萩とすすきとあを/\として十分

九州

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あんまり寒いので、九州へひきかへして春を待つことにした。

さよなら、九州の山よ海よ。

的なものがある、乙女といふ駅名も珍らしかつた(九州に妻といふ地名もあるが)。

小仏峠

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汽車で小仏峠を越える、雑木山のうつくしさよ。

軽井沢

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路に入る、野辺山風景は気に入つた、第二の軽井沢になるといはれている、いちめんの落葉松林だ。

軽井沢方面へ行かける。――

山、鋭い山丸い山が層々として重なつてゐる、軽井沢の一望も近代的風光たるを失はない。

病遍路さんは腎臓脚気でよろ/\して軽井沢――の方へ出て行つた。……

玉島

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岡山から広島までの間で、玉島のF女史を訪ねたことも、忘れがたい旅のおもひでとならう。

浅間山

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谿谷のながめがよろしい、浅間山のすがたも悪くない(浅間山の形容は小諸からはよくない、岩村田からがよい)

谿谷のながめがよろしい、浅間山のすがたも悪くない(浅間山の形容は小諸からはよくない、岩村田からがよい)。

妙高

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妙高、黒姫、戸穏の山々が好きな姿を見せたり消したりする。

松島

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松島は雨の夜月の夜逍遙する景勝であらう。

池上本門寺

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、Iさんのお宅で御馳走になる、天ぷら蕎麦、冷酒、池上本門寺、よい森、松がよい。

伊東

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熱海はさすがに温泉郷らしい賑やかさだつた、伊東も観光祭。

旭山

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出発、汽車で平泉へ、沿道の眺望はよかつた、旭山……一関。……

平泉

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平泉。――

武蔵野

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武蔵野はなつかしい、うつくしい。

武蔵野は好きだ、丘、流、草、ことに栃の若葉と春の竜胆と

中尊寺

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中尊寺、金色堂。

草津

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吾妻駅から電車で草津へ、五里七十四銭は高いやうであるが、登り登るのだから成程と

同宿は病遍路、おとなしい老人、草津といふところは何となくうるさい、街も湯もきたならしい、よいとこでもなさ

草津よいとこかよくないとこか、乞食坊主の私には解らん、お湯の

草津の街を出はづれると落葉松林、それから落葉松山、そして灌木と熊笹、頂上

草津から二里あまり登つて芳ヶ平、ヒユツテーがある、スキーの盛んなこと

草津は金持と患者とが入湯するところだらう、万座はしづかに体を養ひ気

古来からの有名さと交通の便利さとが草津を享楽郷とし、また療養地とした、たしかに草津の湯は効く

を享楽郷とし、また療養地とした、たしかに草津の湯は効く、浴してゐるといかにも効くやうに感じる。

朝の膳に川魚のカツレツが載せてある、ちようど草津の宿で、夕飯としてカレーライスをどつさり出されたやうなものだ、おかしく

善光寺

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街をまつすぐにいよ/\善光寺である(途中郵便局でKからの手紙を受取つた、すまない/\ありがたい/

長野の善光寺か、善光寺の長野かといはれるほどであつて、善光寺はまことにうれしい寺院である、

岩村田町

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でルンペン君に別れる、汽車は千曲川に沿うて下りやがて岩村田町、江畔老の無相庵に客となる、家内中で待つてゐて下さつ

二里近くで岩村田町、相生の松とよばれる中仙道徃還の名木があつた、赤松黒松の雌雄両木

岩村田町に着いた時はもう三時、もりそばを味はひ銘酒を味つた。

南禅寺

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夕方、みんないつしよに――奥さんも子供さんも――南禅寺境内の豆腐料理を賞味する、さすがにおいしかつた。

八坂の塔、芭蕉堂、西行庵、智恩院、南禅寺、永観堂、銀閣寺、本願寺、等々等。

名古屋

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きしめん――名古屋名物の一つといはれる揚豆腐をあしらつたうどん――を御馳走に

名古屋にも浜松にも同人間に何だか感情のもつれがあるらしい、私と

国上山

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寺泊へ、それから国上山へ。

川中島

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向うは川中島、そこは千曲川と犀川とが合流するところで有名な古戦場、前は杏

鎌倉

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一時の列車で鎌倉へ。――

同人が眼ざとく私を見つけて、にこ/\、自働車で鎌倉へ。

・鎌倉は松の木のよい月がのぼつた

四月五日 快晴、鎌倉から東京へ。

大泉園を初めて訪ねる、鎌倉の椿が咲いてゐる、井師にお目にかゝる、北朗君も来て

大阪

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・きたない池に枯葦の葉も大阪がちかい

汁といふ店で汁を食べた、さすがに大阪だと思つた。

夜行で大阪へ向ふ。

大阪よ、さよなら、比古さん、ありがたう。

大阪――広島

熊野神社

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峠町、熊野神社、上信国境。

甲州

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(甲州から信州へ)

伊吹

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一時、会場伊吹へ(物貰ひと思はれて玄関番に断られたりして)。

八ヶ岳

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夜ふけて雨、どうやら雪もまじつてゐるらしい、何しろ八ヶ岳の麓だから。

伊勢

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(伊勢神宮、五十鈴川)

小諸城

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暮れきらないうちに、懐古園(小諸城阯)を逍遙する、樹木が多くて懐かしいが、風が吹いて肌寒かつた

金閣寺

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鷹ヶ峯、庵、光悦寺、金閣寺、酔つぱらうて、仙酔楼居へ自働車で送られる。

下田

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四月二十日 快晴、下田へ出立する。

午後だん/\晴れる、一郎君といつしよに下田へ向ふ。

九時すぎ、三人で下田へ、途中、一郎君と別れる、一郎君いろ/\ありがたう。

建長寺

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人連れで散歩、光明寺大聖閣、’’’’幡宮、建長寺、円覚寺、長谷の大仏。……

平等院

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平等院、うらゝかな栄華の跡。

五大堂

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五大堂、福浦島。

岡山

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一日 二日 三日 四日 五日……岡山、稀也居。

岡山から広島までの間で、玉島のF女史を訪ねたことも、忘れがたい

広島

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広島の盛り場で私は風呂敷を盗まれた。

岡山から広島までの間で、玉島のF女史を訪ねたことも、忘れがたい旅の

九時半広島安着、黙壺居を訪ねて、また甘やかされた。

大阪――広島

奈良

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奈良、桂子居。

神戸

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神戸直航の汽船に乗り込む。

朝、神戸着。

雪中吟行、神戸大阪の同人といつしよに、畑の梅林へ、梅やら雪やら、なか

京都

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八時出立、京都へ。

電車で京都へ、北朗居にころげこむ。

京都の豆腐はうまい。

(京都)東山

甲府

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甲府まで汽車、笹子峠は長かつた、大菩薩峠の名に心をひかれた

やうな旅人は何となくものかなしくなる、酒を呷つて甲府銀座をさまよふ。

長野

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長野種馬所の青草に足を投げ出して休む、右は落葉松林、左は赤松

た、その豊富な素朴な孤独味を知らなかつた(長野で北光君に教へられて残念がつた)。

七時出発、長野へ向ふ、身も心も軽い、霧雨しつとり、濡れよとままだ。

千曲川を渡る、村上橋は堂々たるものである、もう長野は遠くない。

夕方から長野銀座を散歩する、雨が降るのに御苦労々々々、郵便局はよかつ

三人同道して長野見物――

長野の善光寺か、善光寺の長野かといはれるほどであつて、善光寺はまことにうれしい寺院である、お

長野の善光寺か、善光寺の長野かといはれるほどであつて、善光寺はまこと

懐古園

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懐古園三句

暮れきらないうちに、懐古園(小諸城阯)を逍遙する、樹木が多くて懐かしいが、風が吹い

千ヶ滝

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、からまつ、みづおと、そしてほとゝぎすがをり/\啼く、千ヶ滝の水もおいしかつた。

富山

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六時頃やつと草津着、やうやく富山館といふ宿をたづねあてた、泊銭七十銭、湯銭十二銭。

松山

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草津の街を出はづれると落葉松林、それから落葉松山、そして灌木と熊笹、頂上近くなれば硫黄粘土と岩石ばかり。

新潟

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バスで新潟へ。

新潟滞在。

仙台

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だけは是非逢ひたい、幸にして澄太君の温情が仙台までの切符を買つてくれた、十時半の汽車に乗る。

六時すぎて仙台着、抱壺君としんみり話す、予期したよりも元気がよいのが

仙台はよい都会だ、品格のある都会である、市内で郭公が啼き、

九時仙台着、やうやく青衣子居を探しあてゝ厄介になる。

鶴岡――仙台。

福井

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夜一時福井着、駅で夜の明けるのを待つ。

午後、裸足で歩いて、福井まで出かけた、留置郵便物を受取る、砂夢路君の友情によつて、泊る

上野

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上野は好印象を与へてくれた。

やたらに歩いた、――浅草から上野へ、それから九段へ、それから丸の内へ。

再び信州に入つて上野をふりかへると、そこに多少の感想がある――

東京

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東京の印象。――

東京は広い。

沼津――東京。

東京をうたふ。

東京をうたふ。

ほつと月がある東京に来てゐる

ビルからビルへ東京は私はうごく

四月五日 快晴、鎌倉から東京へ。

電車に乗つた、東京の空である、十三年ぶりに東京へ来たのだ。

を飲んだ、東京の水である、電車に乗つた、東京の空である、十三年ぶりに東京へ来たのだ。

品川へ着いてまずそこの水を飲んだ、東京の水である、電車に乗つた、東京の空である、十三年ぶり

鳳車君徃訪、これは東京ビル。

東京ビルに茂森君徃訪、なつかしかつた、連れられて自働車で新宿へ

東京は広い、時代錯誤場所錯誤。

東京では遊びすぎた、やうやく東京を離れる、磊々子夫妻の温情は身にしみて有難かつた。

東京では遊びすぎた、やうやく東京を離れる、磊々子夫妻の温情は身に

月・路耕の三君と共に六時の汽車で東京へ、今日は層雲記念大会である。

東京を横断した、もちろん歩いて。

いよ/\東京をあとに、新宿から電車で八王子へ。

――東京へ女給として進出、モダンガール。

品川

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品川へ着いてまずそこの水を飲んだ、東京の水である、電車に

銀座

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北朗君、武二君と同道して銀座へ、磊々子、一石路夢道を訪ねる。

夜は銀座へ、丸ビル人会出席。

銀座裏で飲んで食べる、おけさ飯とアブサン。

て、私は一人街へ出た、酔ふた元気で、銀座のカフヱーに飛び込んだりしたが、けつきよく、こんな服装では浅草あたりの

な旅人は何となくものかなしくなる、酒を呷つて甲府銀座をさまよふ。

夜は一杯ひつかけて街を散歩する、小諸銀座といふてもお客は通らない、小川の水音が聞えるだけだ。

夕方から長野銀座を散歩する、雨が降るのに御苦労々々々、郵便局はよかつた

浅草

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浅草風景(新浅草観賞)。

浅草風景(新浅草観賞)。

やたらに歩いた、――浅草から上野へ、それから九段へ、それから丸の内へ。

私は自働車で浅草へ、そこで倒れてしまつた。

私はまた浅草へ。

カフヱーに飛び込んだりしたが、けつきよく、こんな服装では浅草あたりの安宿に転げ込むより外なかつた。

法衣も網代笠も投げ捨てゝ、浅草で遊んだ、遊べるだけ遊んだ。

浅草は好きだ、愉快な遊楽場である、私のやうな人間にはとりわけ

今日も浅草彷徨。

日本橋

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農平君と、それから魔神明君と日本橋の大 で会食。

新宿

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東京駅で砂吐流君を待ち受け、新宿聚楽で夕食をする、味覚の殿堂といつてゐるだけ満員繁昌だ。

茂森君徃訪、なつかしかつた、連れられて自働車で新宿へ出て、或るおでんやで飲む、そしてまた十二社へ、酒と女

いよ/\東京をあとに、新宿から電車で八王子へ。

赤坂見附

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さくらが咲いた、散歩、赤坂見附はよい風景だつた。

泉岳寺

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高輪泉岳寺、香烟がたえない。

八王子

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いよ/\東京をあとに、新宿から電車で八王子へ。

千曲

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・浅間は千曲はゆうべはそゞろ寒い風

岩村田から小諸まで二里半、汽車の窓から眺める風景は千曲谿谷的なものがある、乙女といふ駅名も珍らしかつた(九州に妻

信濃追分

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信濃追分、いかにも廃駅らしい(北国街道と中仙道との別れ路)。

小諸

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はまた我がまゝ気まゝな性癖を発揮して、汽車で小諸へ向つた、明後日また引返してくるつもりで。

岩村田から小諸まで二里半、汽車の窓から眺める風景は千曲谿谷的なものがある

小諸へ着いたのは夕暮、さつそく宿を探して、簡易御泊処

暮れきらないうちに、懐古園(小諸城阯)を逍遙する、樹木が多くて懐かしいが、風が吹いて肌寒

庵がある、古梁庵主宮坂さんが管理してゐる、小諸文化春秋会といふ標札も出してある(藤村氏自身は藤村庵を深草

夜は一杯ひつかけて街を散歩する、小諸銀座といふてもお客は通らない、小川の水音が聞えるだけだ。

ながめがよろしい、浅間山のすがたも悪くない(浅間山の形容は小諸からはよくない、岩村田からがよい)。

千曲川

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海尻、そしてやうやく小海駅、こゝでルンペン君に別れる、汽車は千曲川に沿うて下りやがて岩村田町、江畔老の無相庵に客となる、家内

藤村詩碑は立派なものである、藤村自身書いた千曲川旅情の歌が金属板にしてある、その傍の松の木が枯れかけて

見晴台からの眺望はよろしい、千曲川のよいところがよく眺められる。

八時出立、戻橋を渡つて、千曲川に沿うて、川辺村を歩く。

八幡まで二里、左折して千曲川を渡る、中津といふ田舎町があつた。

子安橋、樋沢橋、千曲川が遙かに光つて見える、郭公が啼きつゞける。

千曲川を渡る、村上橋は堂々たるものである、もう長野は遠くない。

向うは川中島、そこは千曲川と犀川とが合流するところで有名な古戦場、前は杏の里と呼ば