吉野山 飛鳥山 箱根 秩父 荒川 小金井 筑波 白旗神社 吉野 芝公園 日比谷公園 上野公園 千葉 東京 向島 鐘ヶ淵 千住 綾瀬川

吉野山去年のしをりの路かへて

て凡そ四里、これも亦見事ならずや。次に飛鳥山の櫻、八百五十本。次に上野公園の櫻、千二百五十本。東京の櫻を賞せ

添ふ。平田の眺めもよし。空澄まば、富士、箱根、秩父、日光、筑波も見ゆべし。國府臺の鬱蒼たるあり。帝釋天

。平田の眺めもよし。空澄まば、富士、箱根、秩父、日光、筑波も見ゆべし。國府臺の鬱蒼たるあり。帝釋天の壯麗

むるの便もあり。今の處、吉野、小金井、荒川が櫻の名所の三絶と云はるゝが、ゆく／＼は小利根川、必ず

多きが、櫻の中の櫻とも云ふべき山櫻は、小金井の獨得なり。小平村小川水衞所より小金井村境橋まで一里半、櫻

に及ぶ。これを新武藏野の櫻と稱す。新武藏野と小金井と上下相連なりて長さ五六里とは、何と見事なものに非ず

を眺むるの便もあり。今の處、吉野、小金井、荒川が櫻の名所の三絶と云はるゝが、ゆく／＼は小利根川

もよし。空澄まば、富士、箱根、秩父、日光、筑波も見ゆべし。國府臺の鬱蒼たるあり。帝釋天の壯麗なるあり。酒

白旗神社の前を過ぎ、山王山不動堂の境内を通りて、八幡宮に至る。境内

にて花を眺むるの便もあり。今の處、吉野、小金井、荒川が櫻の名所の三絶と云はるゝが、ゆく／＼は小

の櫻が二百五十本、英國大使館前の櫻が二百八十本、芝公園の櫻が五百二十本、清水谷公園の櫻が四百五十本、淺草公園の櫻が

段の櫻が五百四十本、江戸川の櫻が三百八十本、日比谷公園の櫻が二百五十本、英國大使館前の櫻が二百八十本、芝公園の櫻

ならずや。次に飛鳥山の櫻、八百五十本。次に上野公園の櫻、千二百五十本。東京の櫻を賞せむとするものは、是非とも

乘る。それより京成電車に乘りて、市川新田に下り、千葉街道の裏手を行く。左右は桃園也。萎みて色褪せたれど、花な

捨鐘はこれにて濟みたり。千葉街道に出で、引返して、市川橋を渡り、小利根川の右岸を

一　東京の櫻

の櫻、八百五十本。次に上野公園の櫻、千二百五十本。東京の櫻を賞せむとするものは、是非とも以上の六箇所を見ざる

も東京附近、げに／＼花の都なる哉。さてその東京附近には、吉野櫻と稱するもの多きが、櫻の中の櫻と

給へ。花は櫻、櫻は日本、日本の中にても東京附近、げに／＼花の都なる哉。さてその東京附近には、吉野

、路上みな美人也。もとは、これがあべこべなりき。東京は金力を集中し、權力を集中し、從つて美人をも集中するに

しに、途上相逢ふの女に美人らしきものなかりき。東京に歸り來れば、路上みな美人也。もとは、これがあべこべなりき。

まじる。一條の櫻雲、小利根川畔に遠く相連なる。東京の方を見れば、數百千の煙突煙を吐く。十二階殊に目立ちて

櫻の連なること千七百六十本、之を向島の櫻と稱す。向島と荒川土手と上下相連なりて凡そ四里、これも亦見事ならずや

まで、一里半、櫻の連なること千七百六十本、之を向島の櫻と稱す。向島と荒川土手と上下相連なりて凡そ四里、これ

半分が吉野櫻也。さてまた千住掃部宿より綾瀬川を渡り、鐘ヶ淵を經て、枕橋に至るまで、一里半、櫻の連なること千七百六十本

八重櫻にして、下方の半分が吉野櫻也。さてまた千住掃部宿より綾瀬川を渡り、鐘ヶ淵を經て、枕橋に至るまで、一里

非ずや。次に荒川土手の櫻、江北村鹿濱より千住掃部宿に至るまで、二里ばかりの土手の上、櫻の連なること千九百三十本

して、下方の半分が吉野櫻也。さてまた千住掃部宿より綾瀬川を渡り、鐘ヶ淵を經て、枕橋に至るまで、一里半、櫻の