赤城山 / 大町桂月
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て解けて、淺間につゞける諸高山、次第にあらはれ來たる。草津の白根山も、その中にあるべし。やゝ近く西北に當りて、
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あり。關東にて最も大なるは、日光の中禪寺湖也。箱根の蘆ノ湖之に次ぐ。この大沼は、周圍わづか一里ぐらゐなれど、
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十月の末、われ三度目にて妙義山に遊び、去つて榛名山の麓を過ぎて、赤城山に上りぬ。
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明治四十一年十月の末、われ三度目にて妙義山に遊び、去つて榛名山の麓を過ぎて、赤城山に上りぬ。
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ば、日光の男體山が見え出すかも知れず、筑波も見え出すかも知れず、富士も見え出すかも知れず、まあ/\
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て徒歩す。岐路あり。右は地藏の湯、左は赤城神社と、木標人を導く。地藏の湯を經ても赤城神社に行かるべけれ
神社と、木標人を導く。地藏の湯を經ても赤城神社に行かるべけれど、路やゝ遠し。この湯、もと地獄谷温泉と稱したり
背いて、可成り大なる祠宇の立てるを見る。これ赤城神社也。前は長屋門に、後ろと左右とは、樅の大木に圍まる。
中間やゝせばまりて、形ほゞ瓢箪に似たり。東方即ち赤城神社のあるあたりが、其口にあたる。口に、ちよろ/\清水をう
なる黒檜山を仰ぎ見ては、上らずには居られず。赤城神社より頂上まで一里の程と聞く。歸りは、頂上より直ちに五輪峠に下らば
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世に、妙義、榛名、赤城の三山を、上州の三名山と稱す。げに、いづれも、名山也。
云へば、妙義は二里四方、榛名は六里四方、赤城は十里四方の地盤を占む。赤城にも、榛名にも、湖あり
、溪流あり、瀑布あり。妙義には、全く水無し。赤城は骨を露はさず、榛名は少し露はし、妙義は大いに露は
と云はば、三山皆洩れざるが、高山と云はば、赤城也。大山と云はば赤城也、榛名も之に入る。奇山と云はば、
ざるが、高山と云はば、赤城也。大山と云はば赤城也、榛名も之に入る。奇山と云はば、妙義の獨占に歸す。
とのみけなさば、これ赤城の眞相を知らざる者也。赤城は壯大也。されど、赤城の壯大を喜ぶの趣味より推して、妙義を狹小
始めて榛名に上りぬ。四十歳にして、始めて赤城に上りぬ。いづれも皆名山と感服す。妙義は、當年見て奇
と感じ、今日見ても奇と感ず。當年もし赤城を見なば、平凡とけなししかも知れず。唯※恥づかしく、平凡
赤城は四方八方より登らるゝ山なるが、われは、前橋驛に下りて小暮路
へまがりて、前橋の市外に出で、近く面前に赤城の荒山、鍋割、硯石の三山を見るものの、路多くして、いづれ
赤城の裾野をだら/″\と、上るともなく上ること凡そ一里半、
黒檜、地藏、鍋割、荒、鈴を赤城の五山と稱す。これ赤城山彙のおもなるもの也。鍋割、荒の二山
に於ける紅葉の一勝地と稱するに足る。されど、これ赤城の裏手にして、西方の路也。われ若し前橋方面の表口より上りて、
前橋方面の表口より上りて、直ちに北に下らば、この赤城の紅葉の美を知らずにすむべかりし也。
、鈴ヶ嶽は、やゝ離れて、尖頭をあらはす。赤城五山中、荒、鍋割の二山だけは、湖よりは見えず、言はば
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度目にて妙義山に遊び、去つて榛名山の麓を過ぎて、赤城山に上りぬ。
何里』と問へば、『二里』といふ。『赤城山までは』、『五里』といふ。一時間ぐらゐ休息しても大丈夫と落ちつきて
、少年牽く。馬に騎りて上れるを見ても、赤城山の嶮ならざることは、推して知るべし。鍋割、硯石二山の間、谷
て歩ける也。大沼の北端より、直ちに五輪峠を越えて、赤城山を北に下らむと思ひしが、雄拔なる黒檜山を仰ぎ見ては、上らず
の上に見ながら、路は右方に轉じて蛇行す。赤城山もこゝに至りて、はじめて山路らしく、又深山らしく思はるゝ也。峯背をつた
より右へかけたる山々谷々、すべて紅葉ならざるは無し。赤城山もこのあたりは、樹木茂る。その紅葉の美は、關東に於ける紅葉の一勝地
、この一溪、殊に蝋※岩のある支溪は、赤城山の紅葉の美觀を添ふるもの也。
赤城山を北に五輪峠を越えて、南郷さして下らむとす。湖畔の路はわづか
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山路も、安心して歩ける也。大沼の北端より、直ちに五輪峠を越えて、赤城山を北に下らむと思ひしが、雄拔なる黒檜山
頂上まで一里の程と聞く。歸りは、頂上より直ちに五輪峠に下らば、ほんの一里だけの迂路に過ぎざるべしとて、石標に登り口を
赤城山を北に五輪峠を越えて、南郷さして下らむとす。湖畔の路はわづか十五六
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もあり。これ小暮村也。一店に休息し、『前橋へは何里』と問へば、『二里』といふ。『赤城山まで
取りぬ。その小暮路の手前を早く右へまがりて、前橋の市外に出で、近く面前に赤城の荒山、鍋割、硯石の三
赤城は四方八方より登らるゝ山なるが、われは、前橋驛に下りて小暮路を取りぬ。その小暮路の手前を早く右へ
、これ赤城の裏手にして、西方の路也。われ若し前橋方面の表口より上りて、直ちに北に下らば、この赤城の紅葉の美
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點は、西郷隆盛は赤城也、木戸孝允は榛名也、大久保利通は妙義也。今の大政治家を以てすれば、山縣公は赤城