川甚 本能寺 長江 大宮 八王子 池袋 上野 小岩 東京

を見上げたるが、敵は本能寺に在り。直ちに去つて川甚に至る。

賞し、精巧を極めたる二天門を見上げたるが、敵は本能寺に在り。直ちに去つて川甚に至る。

※顏を川風に吹かせつゝ、長江の中流を下りて、栗市の渡場に上陸す。國府臺に上れば、

。『八王子方面にせむか』、二人答へず。『大宮方面にせむか』、二人答へず。『柴又方面にせむか』

。『二子方面にせむか』、二人答へず。『八王子方面にせむか』、二人答へず。『大宮方面にせむか』

十口坊と也。つもる話を歩きながらとて、打連れて池袋驛にいたる。『さて何處にか行かむ。池上方面にせむか』

山手線の電車に乘りて、上野驛に下り、市内電車にて本所押上まで行き、京成電車に乘換へて柴又に

三　小岩不動の星下松

小利根川の右岸を下ること凡そ十町、善養寺一名小岩不動に立寄りて、星下松を仰ぎ、影向松を撫す。前者は凡そ三

臺を下り、市川の村はづれより市川橋を渡り、小岩驛より汽車に乘りて歸ることとしけるが、日なほ高ければ、

外、凌雲閣や、數百の煙突に代表せられたる東京を望む。臺に接して流るゝ小利根川の上下二三十町の間は、