土浦 梅園村 孔子廟 水戸 東京

は舊遊の夢の名殘やしのばれけむ、これより土浦にもどりて一宿せむと言ひ出でたれど、余は那珂川を下りて大洗に

は、籬外溪畔、疎影暗香の觀ある吉野村、梅園村などの梅を取らむか。

なけれど、なほ梅花堆裡に弘道館の跡あり、孔子廟あり、鹿島祠あり、警鐘の樓あり、蕭散なる閑地なり。

水戸觀梅

ざるを得ざる單線の不便さ、じれつたさ。水戸に十一時過ぎに着くべき筈のものが、一時間ばかり遲れて、

、殘んの雪にはあらず。清香までおくり來たるに、水戸の花信もそれと知られ、汽車の進行の早きを憾みしが、何

歡樂きはまりて哀情多きにや。名殘は盡きざれど、水戸より汽車に乘りてかへりぬ。鐵道の近き第一公園の梅依々とし

是に於て、梅花の觀は終りぬ。東京の附近の諸梅園の比にはあらざれども、余は、籬外