我孫子 鹿島 銚子 土浦 筑波 水戸市 霞ヶ浦 八幡山 筑波山 筑波町 松島 松戸 水戸 岡山 福島 千住 東京

うでは金町より人車鐵道に、成田まうでは我孫子より汽車に乘り換へしが、我が行く先きは奧州仙臺、小利根を

。浮島に風光を賞し、潮來出島にあやめを看、鹿島、香取、息栖の三祠に詣で、大利根川の下流に浮んで銚子に

息栖の三祠に詣で、大利根川の下流に浮んで銚子に下る船中、富士迎へ、筑波送る。いかに心ゆく舟路ぞや。

あたりまでは、幾んど絶えず左に筑波山を見る。土浦より凡そ五里、山麓まで車を通ず。山腹、筑波祠前に筑波町の

土浦もしくは高濱より汽船に乘りて、霞ヶ浦を横斷するを得べし。浮島に風光

大利根川の下流に浮んで銚子に下る船中、富士迎へ、筑波送る。いかに心ゆく舟路ぞや。

水戸に遊びたるついでに、請ふ君、水戸市の北端、杉山より川蒸氣に乘りて、水路三里、那珂川を下りて、

土浦もしくは高濱より汽船に乘りて、霞ヶ浦を横斷するを得べし。浮島に風光を賞し、潮來出島にあやめを

關本にて汽車を下り、平潟市街を過ぎて、八幡山より平潟灣を見下せば、眺望亦佳なる哉。この地、十數の妓

二　筑波山

出でてより石岡あたりまでは、幾んど絶えず左に筑波山を見る。土浦より凡そ五里、山麓まで車を通ず。山腹、筑波祠前に筑波

五里、山麓まで車を通ず。山腹、筑波祠前に筑波町の市街あり。なにがし宿屋の二嬌、何人か銅雀臺にとざしたりけむ。左右

余はこれより松川浦に浮ばむとする也。松川浦は松島に次ぐ東奧の奇勝と稱せらるゝ處、余は多年之を夢寐に見しが

、一層の趣を添ふ。島の奇なることは、松島にくらぶべくもあらねど、屏風の如き山々と、長汀曲浦の觀とは

。風致もほゞ相似たり。されど余はむしろ小利根河畔の松戸よりも、大利根河畔の取手を取る。水に枕むの紅樓、醉を

四　水戸

水戸に遊びたるついでに、請ふ君、水戸市の北端、杉山より川蒸氣に

請ふ君、なほ急がずば、水戸より太田鐵道に乘換へて、太田に着し、そこより人力車に乘り、桃源橋

在り。二園共に梅多し。殊に第一園は、岡山の後樂園、金澤の兼六公園と共に、日本三公園と稱せらる

にありて、宿屋より遙に立派なるもの多かりしが、福島縣下は妓樓の市街中にあるを禁じたるを以て、四軒まで

千住の名物、鮒の雀燒をさかなに、車中に微醉を買ふ。

東京を出でてより石岡あたりまでは、幾んど絶えず左に筑波山を見る

、汽車の通ぜざりし頃は、車夫を業とし、東京まで二日半にて走りつき、得たる賃錢を紅樓に一擲して