鹿野山 / 大町桂月
地名一覧
地名をクリックすると地図が表示されます
て九十九谷に至り、西すれば、十二町にして鳥居崎に至る。神野寺に詣で、九十九谷と鳥居崎とに行けば、鹿野山の
て鳥居崎に至る。神野寺に詣で、九十九谷と鳥居崎とに行けば、鹿野山の遊覽は、一と通り終れりと云ふべし。
六 鳥居崎
鳥居崎にも、老杉の下に掛茶店あり。九十九谷にては見えざりし鋸山、こゝ
富士の左に入る。九十九谷を奇觀とすれば、鳥居崎は壯觀也。九十九谷と鳥居崎とを并せ得て、鹿野山の眺望
は天下の絶景也。上町に於ける旅館の眺望も、鳥居崎に彷彿たるものあり。世に眺望の佳なる山は少なからざれども、多く
地名をクリックすると地図が表示されます
下野、常陸が所謂關八州也。天城山にて伊豆を見、富士山にて駿河甲斐を見、淺間山にて信濃を見、三國山にて越後を見る。眼界の
地名をクリックすると地図が表示されます
を并せ得て、鹿野山の眺望は天下の絶景也。上町に於ける旅館の眺望も、鳥居崎に彷彿たるものあり。世に眺望の
地名をクリックすると地図が表示されます
奇を爭ひ、萬壑怪を競ふ。近く尖り立てるは高宕山なり。天邊に桃の割れたるが如きは大福山なり。清澄山は烏帽子の
地名をクリックすると地図が表示されます
深山の平地は、禪を修するに適すとて、弘法大師は高野山を開けりとかや。天下に山は多けれども、山頂に平地あるは
多けれども、山頂に平地あるは、關西にては、ひとり高野山あるのみ。關東にては、ひとり鹿野山あるのみ。品川灣頭に出でて見よ。
地名をクリックすると地図が表示されます
大正二年の夏、上總の鹿野山に遊びて、鹿野山二十詠を作る。これ歌に非ず、三十一文字の案内記
、關西にては、ひとり高野山あるのみ。關東にては、ひとり鹿野山あるのみ。品川灣頭に出でて見よ。海の彼方に見ゆる山の中
に見ゆる山の中にて最も大いに、最も高きが、即ち鹿野山也。直徑十三里もあるべし。鹿野山上より東京の方を望むに、深川
最も高きが、即ち鹿野山也。直徑十三里もあるべし。鹿野山上より東京の方を望むに、深川の諸烟突より出づる數十百條
鹿野山の東北麓なる小絲村の青年會より請はれて、往いて演説す。戯れ
寺に詣で、九十九谷と鳥居崎とに行けば、鹿野山の遊覽は、一と通り終れりと云ふべし。九十九谷は公園となり
に白鳥神社を安置す。この祠、日本武尊を祀る。鹿野山は日本武尊が兇賊を討滅し給ひたる故跡なりと云ひ傳ふ。祠に詣
の中を數十間も行けば、懸崖忽ち直下す。鹿野山は、どの方面も傾斜緩漫なるが、こゝのみは峭壁となる。されど、巖
觀也。九十九谷と鳥居崎とを并せ得て、鹿野山の眺望は天下の絶景也。上町に於ける旅館の眺望も、鳥居崎に
上、杯を含んで十三州を見渡すの快觀は、鹿野山の外、幾んど其類を見ざる也。
鹿野山は砂の山也。どの方面を上下しても、一巖をも見る能
。烏の歸り來るは、恰も其鐘の鳴る頃也。鹿野山上の一觀たらずんばあらず。
地名をクリックすると地図が表示されます
相模、武藏、上野、下野、常陸が所謂關八州也。天城山にて伊豆を見、富士山にて駿河甲斐を見、淺間山にて信濃を見、三國山
地名をクリックすると地図が表示されます
と稱する藥草も多し。鹽手といふ草、この山と日光山とのみにありて、春はその芽を食ふべしと聞く。氣候は東京
地名をクリックすると地図が表示されます
一峯は草、一峯は樹林を帶びて、恰も獅子の臥するが如し。處々に村落あり、田あり、畑あり。初夏の頃
地名をクリックすると地図が表示されます
武藏、上野、下野、常陸が所謂關八州也。天城山にて伊豆を見、富士山にて駿河甲斐を見、淺間山にて信濃を見、三國山にて
遠く烟突の煙にあらはる。白帆坐し、汽船走る。伊豆の大島は、海上に長鯨の如く横はる。斜陽、夏は富士の右に
地名をクリックすると地図が表示されます
收まる。安房、上總、下總、相模、武藏、上野、下野、常陸が所謂關八州也。天城山にて伊豆を見、富士山にて駿河甲斐を見
地名をクリックすると地図が表示されます
は高宕山なり。天邊に桃の割れたるが如きは大福山なり。清澄山は烏帽子の如く、富山は二峯に分れ、一峯は草、
地名をクリックすると地図が表示されます
一七 清澄も鋸山も富山も總房の山みな見ゆるなり
割れたるが如きは大福山なり。清澄山は烏帽子の如く、富山は二峯に分れ、一峯は草、一峯は樹林を帶びて
地名をクリックすると地図が表示されます
字大井戸にして、歡迎會を開きしは、字福岡なりければ、狂歌を作つて曰く、
調子に乘つて法螺を福岡
地名をクリックすると地図が表示されます
三里もあるべし。鹿野山上より東京の方を望むに、深川の諸烟突より出づる數十百條の烟うす黒く見ゆ。其中に
地名をクリックすると地図が表示されます
九 欄干にもたれて見るも面白や東京灣の出船入船
セメント會社の烟突より出づる石灰抹の飛散せるなり。東京に居りては見えざれど、羽田にゆけば見ゆるなりと。
、即ち鹿野山也。直徑十三里もあるべし。鹿野山上より東京の方を望むに、深川の諸烟突より出づる數十百條の烟
及ぶ所都合十三州也。横須賀は近く瓦鱗にあらはれ、東京は遠く烟突の煙にあらはる。白帆坐し、汽船走る。伊豆の大島
ざりし鋸山、こゝに來れば、近く屹立せるを見る。東京灣脚底に展開し、相模灘遠く天に接す。富津の三砲臺は、
て、春はその芽を食ふべしと聞く。氣候は東京に比すれば、十度以上の差あるべし。神野寺の老杉、雲を
地名をクリックすると地図が表示されます
、ひとり高野山あるのみ。關東にては、ひとり鹿野山あるのみ。品川灣頭に出でて見よ。海の彼方に見ゆる山の中にて最も大いに
地名をクリックすると地図が表示されます
要せられて、校舍に演説す。その晩、共に大塚屋の樓上に飮む。われ一絶を作つて曰く、
地名をクリックすると地図が表示されます
眸に收まる。安房、上總、下總、相模、武藏、上野、下野、常陸が所謂關八州也。天城山にて伊豆を見、富士山にて駿河