富士山 秩父 荒幡 筑波 十和田湖 玉川上水 東京 新宿 大久保

に收まる。秩父の群峯や、大山の連山や、富士山や、みな見えたり。東京は、遙に煙突の煙にあらはる。筑波は

たるもの也。關八州は寸眸の中に收まる。秩父の群峯や、大山の連山や、富士山や、みな見えたり。東京は、

、五百年前のものなりと言ひきかす。狹山に上り、荒幡の新富士の上にいたる。これ富士信仰の村民が、七年の久しきに

見えたり。東京は、遙に煙突の煙にあらはる。筑波はあのあたり、日光はあのあたりと説明す。この壯觀を肴に、親子

。又那須の勝を探りたり。更に又遠く陸奧の十和田湖の勝を探りたり。長子、同遊を乞ふ。許さず。一人にて行ける

こゝに壯大なる堰あり、羽村の堰といふ。實に玉川上水の入口也。東京に住むものはこの堰を知らざるべからずとて、茲に

峯や、大山の連山や、富士山や、みな見えたり。東京は、遙に煙突の煙にあらはる。筑波はあのあたり、日光はあの

と問へば、笑つて名を言はず。そんなものを東京へ持つて行つたら、笑はれちやアといふ。思ふに、あの邊り

、羽村の堰といふ。實に玉川上水の入口也。東京に住むものはこの堰を知らざるべからずとて、茲に伴ひたる也。

漸く立川までの切符を買ふことを得たり。立川より東京までは、七八里、歩いてもよしと思ひしが、たかの知れた

新宿驛より汽車に乘り。國分寺驛にて乘りかへて、東村山驛に下る。

四十錢づゝにて、豫算がくるひたり。二兒には、新宿までの切符を買ひたり。余は漸く立川までの切符を買ふことを

と思ひしが、たかの知れた汽車賃と思ひかへして、大久保驛まで來て降る。驛長とは、相知る仲なれば、不足の