大阪 高松城 東照宮 忍川 行田 三木村 長野 高松 大宮

ヶ原の擧は如何にといふに、豐臣氏は、大阪に亡びたるにあらずして、關ヶ原に亡びたる也。されど、關

古戰録に見えたり。三成のこの水攻めは、秀吉の高松城の故智にならひしものにて、地勢上、さもあるべき所なれども、實

あり。杉五六本、遠くよりも目につく。一隅に東照宮あり、大ならざれども、念の入りたる構造也。小學校よりこのあたり

、忍の城址を見わたす距離は、半里ばかりもあるべし。忍川は近く東麓を流る。山一面に灌木生ひたるが、上の方には、

むとす、東にゆけば、可成りの市街あり。行田と稱す。忍の大字也、否、大部分也。その一端を過ぎ、忍川に

堤根村にいたれば、路、堤上に通ず。これ中山道の三木村より忍へ通ふ路也。路傍に石田堤の碑あり。一枚の臺石の

西にあり。西北に皿尾口、北に谷口、東北に長野口あり。なほ精しく地勢を言へば、吹上は南に當る。熊

古戰録に見えたり。三成のこの水攻めは、秀吉の高松城の故智にならひしものにて、地勢上、さもあるべき所なれども

あり。それより南にめぐれば、佐間口、下忍口、大宮口あり。持田口、西にあり。西北に皿尾口、北に谷口、