女体山 関東平野 土浦 嵐山 筑波 大宝城 春日山 関東 筑波町 筑波山 吉野 水戸 東京 上野

廿一町廿三間、男体山より女体山まで八町、女体山より廿五町半、往復都合凡そ五十五町也。それを朝七時に宿

眺望少しも開けざりき。男体山には伊弉諾尊を祀り、女体山には伊弉冊尊を祀る。其外、頂上に摂社頗る多し。男体の一角に

けむ。筑波山の高さは僅に三千尺ぐらゐなれど、関東平野の中に孤立せるを以て、関東にては、何処からも見ゆ。随つ

上野より水戸線に由りて、土浦まで汽車にて二時間半、土浦より北条まで四里、馬車にて二時間、北条

より水戸線に由りて、土浦まで汽車にて二時間半、土浦より北条まで四里、馬車にて二時間、北条より筑波町まで一里、徒歩

町にて午食して、昨日の路を帰るとすれば、土浦まで歩きても、その日の中には、東京に帰らるゝ也。

女体の双峯天を刺して満山鬱蒼たり。春日山や、嵐山や、東山や、近畿には鬱蒼たる山多けれども、関東の山には

くる処を知らず、東の方二三里を隔てて、筑波の積翠を天半に仰ぐ。風光の美、既に人をして去る能は

たるか、闇中の事なれば、知るに由なし。これ筑波の途上、親子が興じあひたるいたづら也。

筑波に遊ぶこと、これで三度目也。在来の書物には、筑波町より頂上

十一月、高師冬大挙して来り攻むるに及び、大宝城陥りて政泰討死し、関城も陥りて宗祐父子討死し、親房は吉野に走れ

ば、男体女体の双峯天を刺して満山鬱蒼たり。春日山や、嵐山や、東山や、近畿には鬱蒼たる山多けれども、関東の

を授けられ、修理権太夫にまでも進めり。思ふに関東の一大豪族、武略と共に材能もありて、当時有数の人材也。

の忠臣也。親房を奉じて忠節を尽せり。当時、関東は幾んどすべて賊に附して、結城親朝さへ心を飜しぬ。唯々

て宗祐父子討死し、親房は吉野に走れり。これより関東全く北朝に帰するに至りぬ。

ぐらゐなれど、関東平野の中に孤立せるを以て、関東にては、何処からも見ゆ。随つて、筑波山上よりは、関東を残ら

、何処からも見ゆ。随つて、筑波山上よりは、関東を残らず見渡すを得べし。関城趾方面よりは、男体のみが見えて、

や、東山や、近畿には鬱蒼たる山多けれども、関東の山には樹木少なし。唯々筑波山のみは樹木鬱蒼として、関東の単調

には樹木少なし。唯々筑波山のみは樹木鬱蒼として、関東の単調を破る。

。豊臣秀吉小田原征伐の際、徳川家康に謂つて曰く、関東に二つの不思議あり。卿之を知れりや。曰く、其一は太田

也。故に秀吉も家康も期せずして、これを関東の一不思議としたり。宇佐美定行も言へり、当代、主君と仰ぐに足る

大敗したり。越後の上杉謙信を頼みたるも、謙信は関東に全力を注ぐ能はざりき。失敗又失敗、本城の岩槻さへ取られ、

、土浦より北条まで四里、馬車にて二時間、北条より筑波町まで一里、徒歩して一時間、都合六時間以内の行程、これ東京より

それくらゐの事は辛捧せざるべからず。筑波山麓より筑波町まで、ほんの五六町の坂路也。筑波町に着きさへすれば、旅館四つ

。筑波山麓より筑波町まで、ほんの五六町の坂路也。筑波町に着きさへすれば、旅館四つ五つあり。その夜一泊して、

、翌朝山に上るべし。往復五時間あれば十分也。筑波町にて午食して、昨日の路を帰るとすれば、土浦まで歩きても、

に由り、小山にて乗りかへて下館に下る。下館より筑波町まで五里、大島までは馬車通ず。されど、我等は下妻さして行くこと二

、沼田を経て、一時間ばかりは闇中を歩きて、筑波町に宿りぬ。全二日の行程なれば、筑波登山の外、関城趾の

十一、何も見えざるに、足の疲れを覚えけむ、筑波町はまだですか、まだですか。もうぢきだ、ぢきだ、男だ。辛

かはして行く程に、灯光路に当る。これが筑波町かと思ひの外、山中の一軒家也。まだ何町あるかと聞けば、もう二三

それには及ばずと断りて、なほ闇をさぐり、筑波町に達して宿りぬ。

遊ぶこと、これで三度目也。在来の書物には、筑波町より頂上まで一里卅二町とあれどこの頃新しく処々に立てられたる木標

午後一時、筑波町を発足して帰路に就く。北条まで歩きて馬車に乗る。小田村の路傍、

筑波山は山しげ山しげけれど

げに、古より樹木しげかりけむ。筑波山の高さは僅に三千尺ぐらゐなれど、関東平野の中に孤立せるを以て

たる山多けれども、関東の山には樹木少なし。唯々筑波山のみは樹木鬱蒼として、関東の単調を破る。

政泰討死し、関城も陥りて宗祐父子討死し、親房は吉野に走れり。これより関東全く北朝に帰するに至りぬ。

上野より水戸線に由りて、土浦まで汽車にて二時間半、土浦より北条まで四里

東京の人士、若し土曜日より泊りがけにて山に上らむとならば、余は先づ

ば、土浦まで歩きても、その日の中には、東京に帰らるゝ也。

、徒歩して一時間、都合六時間以内の行程、これ東京よりの順路なるが、上野発が午後二時二十分なれば、途中にて

都合六時間以内の行程、これ東京よりの順路なるが、上野発が午後二時二十分なれば、途中にて日が暮るべし。山

上野より水戸線に由りて、土浦まで汽車にて二時間半、土浦より北条まで

三児を伴ひ、桃葉をあはせて同行五人、上野より日光線に由り、小山にて乗りかへて下館に下る。下館より筑波