釘抜藤吉捕物覚書 13 宙に浮く屍骸 / 林不忘
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文化の末、大阪の荒木座で道楽者の素人芝居があって、その時人気を呼んだ唐人唄
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が、その晩は混んでもいたし、それに、小金井の初太郎は以前からの定客なので、なかは内輪あつかいにその部屋を
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、夜が明けたと言っても東の色だけで、江戸の巷まちには、まだ蒼茫たる暗黒のにおいが漂い残っていた。
不気味な時刻は、むしろこの、夜から昼に変ろうとする江戸の朝ぼらけ――大江戸という甍の海が新しい一日の生活にその十二時
、同時に毬杖をもって女の腰を打つしきたりも、江戸をはじめ諸国に見られた。が、この本八丁堀三丁目をちょっと横に切れ
釘抜の親分の白眼んだ犯人に外れはないと、江戸の町まちに流行の唄となって、無心の子守女さえお手玉の合の間
呼んだ唐人唄と称する与太ものなのだが、これが江戸へもはいって、未だちょいちょい流行っている。それはいいが、今その唐唄
の中でつぶやいているのみか、紙屑籠を肩に毎日江戸の巷を風に吹かれて歩くのが持前の道楽、有名な無口家で
てほっつき廻っているので、大路小路の町名、露地抜け裏、江戸の地理にはことごとく通じていた。こうして屑拾いになりすまして種を
に陽線が躍り染めて、冬の朝靄のなかに白く呼吸づく江戸の騒音が、聞こえ出していた。
小金井宿の穀屋の番頭初太郎は、その朝江戸へ出て来たばかりだった。卸し先に店じまいをする家があって、
するために、一月は滞在の予定だった。で、江戸へ着くとすぐ、定宿の大鍋に草鞋を脱いだのだが、二、三
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男が、すぐ蒲団を蹴って起きて来た。これは仙台様へ人足を入れている堺屋小三郎の小頭で宇之吉という、しじゅう国許と
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の「勘弁ならねえ」を呶鳴り散らしている勘弁勘次――神田の伯母から歳暮に貰った、というと人聞がいいがじつは無断
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当時人心を寒からしめた壱岐殿坂の三人殺しや、浅草仲店の片腕事件などを綺麗に洗って名を売り出したばかりか、当時江戸
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、お美野さんがお故くなりになったとすりゃあ、ちょっくら蔵前へ走らせたでごぜえやしょうな。常磐津の名取りで文字若さんてえ女
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、本材木町八丁目、竹川岸から大根河岸までは、京橋を越えてほんの一足だ。炭町、具足町の家々の庇の朱いろ