釘抜藤吉捕物覚書 10 宇治の茶箱 / 林不忘
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宇治の茶箱
上ってくる荷足の一つに、今朝は歳末を当て込みに宇治からの着荷があるはずなので、いつもより少し早目に起き出た荷方の仙太郎
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来た。具足町の葉茶屋徳撰の荷方で一昨年の暮れに奥州から出て来た仙太郎という二十二、三の若者だった。桟へ指を
「その清二郎さんという反物屋は、この三年奥州の方を廻って来たということですが、真実ですかい?」
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を肩に担いでは、その紙屑の一つのように江戸の町々を風に吹かれて歩きながら、ねたを挙げたり犯人を尾けたり、
功をも奏すはずがなかった。で、三年越しに江戸の土を踏んだ清二郎は、失望を齎して、撰十を訪れ苦心談を
のお冬の父無し児がら松という遊び仲間を殺めて江戸へ出て来た仙太郎は、細く長くという心願から、外神田の上総屋を
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星月夜の宮城の原で、盆の上のもの言いから、取上婆さんのお冬の父無し
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へ出て来た仙太郎は、細く長くという心願から、外神田の上総屋を通してこの徳撰の店へ住み込んだのだったが、その
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先の同心の家で、ほとんど一夜を語り明かした藤吉は、八丁堀の合点長屋へ帰って来ると間もなく、前後も不覚に鼾を掻き始め
彦兵衛一人を伴れた釘抜藤吉は、そのまま八丁堀を岡崎町へ切れると松平越中守殿の下屋敷の前から、紫いろに霞んでいる紅葉
「これは、これは、八丁堀の親分。ようこそ――と言いてえが、どうもとんだことで、さ、さ
もう解け出した雪の道を、八丁堀の合点長屋へ帰って来た藤吉彦兵衛の二人は、狭い流し元で朝飯の支度
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かの手切金を持たせて、母子もろともお冬の実家奥州仙台は石の巻へ帰したのだったが、それからというもの、雨
「へい、なんでもそんなことを言って、仙台の鯛味噌を一樽店の者たちへ土産に持って参りました、
はくれぐれも清二郎に頼んだのであった。それもただ仙台石の巻のお冬徳松の母子としかわかっていないので、この
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やあ、引廻しの上、落ち着く先はおきまりの、差しずめ千住か小塚ッ原――。」
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「清の奴め青い面して震えていやがったが、浅草橋の郡代前へ引っ立てて、番屋へ預けて参りやした。」