八丁堀 明石町 草加 浅草

て怖さにわなわな顫えながら、それでも固く、甚右衛門が八丁堀を起して来ることを信じて、張番していてくれた。藤吉は乾

――で、あっしも観念しやしてね、甚公は八丁堀によくお邪魔に上って可愛がられているようでございますかち、親分さんを

「へえ、この先、明石町の宗十郎店でございます、へえ。――それでその、係合いになっちゃあ

あろう、と思った藤吉、途中うしろを振り返って行くと、明石町の手前、さむさ橋の際へ来た時、はたして後に、御家新

の地蔵顔に取り立てる時の閻魔面、一朱一分でも草加屋に廻してもらったが最後、働き人なら爪を擦り切らしても追いつか

に貸しつけておいては、割高の利息を貪る。これが草加屋の遣口だった。貸す時の地蔵顔に取り立てる時の閻魔面、一

、その稼業も人柄もおよそは推量がつこうというもの。草加屋は実に非道を極めた、貧乏人泣かせの高息の金貸しであった

自から別な活動を示さなければならなくなる。ところで、草加屋殺しの探索は、やさしいようでむずかしい。藤吉は考える。

うむ。面白かんべ。そこの根っこあ誰かが据わって草加屋を待伏せしたとこ、とまあ、俺あ踏みてえんだが――

。それで土間を覗くてえと、親分、驚いたね、草加屋の杖がころがってた。」

。すりゃこそ、提灯も履物も八百駒の物ばかりで、草加屋のは一つもねえ。」

見知りの御家新なので、一石二鳥と出かけて今夜草加屋殺しを演じ、犬を使って疑いの矢を恋仇敵へ向けようとし

浅草奥山の揚弓場女に迷った末、佐平次が伊兵衛の高息の金に