島原 伊予 関東 高野山 加賀国 江戸 加賀 若松城 若松市 鎌倉 松山 山形 蒲生

のは姿ばかりではなく、実際に非力であった。島原の切支丹退治があって、血腥い噂が伝わったのは昨年のことである。

名臣、主水を憎んでいた。河村権七は先代が伊予の松山にいるとき死去し、今は加藤家自慢の家臣は、堀主水が

関所を押して通り、二股山で槍薙刀鉄砲を棄てて関東へ向って行ってしまった。

宮内は高野山へ、探偵として入り込む内命をうけて喜んで出立した。紀州の霊場

て、紀州家をたよって身を寄せた、加藤家と高野山の争いもそうであったが、紀州家を対手として、争いを起そう

旅から旅を歩いているうちに、宮内は加賀国小松で豊かなくらしの家へ入夫した。

堀主水が鎌倉に蟄居していると、江戸から早馬で注進があった日に、宮内と慎九郎とは、支配頭に呼び出さ

そのうちに紀州を出た主水は、江戸に現れて旧主明成の罪条、二十一個条をあげて公儀に告訴した、

隠密をやって相模から紀州へ、紀州から江戸へ出て暫く休息し、やがて又相模へ主水の妻子の隠れ家を嗅ぎ出しに行っ

この説を宮内は、加賀の小松で聞いた。

加賀の女は宮内に未練があった、人をよこして金や品物を届けた

「まあそうだ、爺、もし食うに困るようであったら加賀へ行け、あの女は爺の一人ぐらいは置いてくれる」

陸奥国会津四十万石加藤式部少輔明成の家士、弓削田宮内は若松城の南の方で、突然起った轟音にすわと、押っ取り刀で小屋の外

へと眼を配った、脅かされて立った禽は、若松城の外曲輪十六門のうち南町口から南の方だけであった。その南

口から南の方だけであった。その南の今の若松市外門田村の一部、その頃はひと口に中野といった。その見当らしく思わ

堀主水が鎌倉に蟄居していると、江戸から早馬で注進があった日に、宮内と

主水を憎んでいた。河村権七は先代が伊予の松山にいるとき死去し、今は加藤家自慢の家臣は、堀主水が唯一

だが、実は没収されてしまった。その後へは山形から保科肥後守正之が入部した。

成行きを見届けてくれと頼んだ。頼まれたのは、蒲生家の浪人で今は商人となった、七日町の植木才蔵という