箱根 北海道 堂ヶ島 筑波 神路山 日光山 筑波山 妙高山 東照宮 叡山 近江八景 宇都宮 上野 東京

の美しさをもて人に酬いる。日光でも鹽原でも箱根でも、今は景勝地の人民は樂しんで樹木を大切にする。それ

のである。古い語で「クキル」とこれをいふ。北海道では今、群來の二字を充てるが、古は漏の字を充て

ながら、下までの深さを考へると、箱根の大路から堂ヶ島へ下りる位、或はそれより一二丁少しくらゐのものであつた。

たりする日の右手の車窓には梅雨の雲の間に筑波の山が下總の青田の上、野州の畑の上から美しいその姿を見せ

から湧くすが／＼しさを十分に味はつた。神路山の山路、日光の例幣使街道、春日の參道、芳野の杉山、碇が關

二荒山であつて、音讀して美しい字面を填めて日光山となつたのは、たとへば赤倉温泉の中の嶽が名香の嶽の字で

分の考慮を拂つて施行されんことを望む。叡山筑波山の如きは無くもがなのものだといふ評さへ聞くが、こゝのは蓋し出來れば

名香の嶽の字で填められ、名香を音讀して妙高山となり、今日では妙高山で通るやうになつたと同じである。また二荒を普陀落

られ、名香を音讀して妙高山となり、今日では妙高山で通るやうになつたと同じである。また二荒を普陀落にあてゝ觀音所縁

であるから是非無いとして、日光へは一夜宿つて東照宮其他を拜觀すべきであるが、それはすでに二人共に幾度か濟ませ

あると賞した。馬返しより自動車を頼んで日光へ下り、東照宮大猷廟その他は今囘は遙拜のみして、稻荷川を渡つて霧降

十分の考慮を拂つて施行されんことを望む。叡山筑波山の如きは無くもがなのものだといふ評さへ聞くが、こゝのは

て當時の人々から詩歌などを得た。それがいはゆる近江八景のはじまりだが、白石でさへ、好い景色は何も八景には限らないことだ

山々はなほ薄雲の中に隱れてゐて、早くも宇都宮に着き、やがて日光驛に着いた。

の來車を受け、かねての約に從つて同乘して上野停車場へと向つた。日本八景の一と定められた華嚴の瀑布及び

時計を見ると七時五分であつた。そこで東京上野からは正しく僅々五時間で八景の一たる景勝が連接されてゐると

復び艇へ戻つて寺ヶ崎の端を廻り、上野島かけて大日崎の方を走ると、艇の位置が變るにつけ

等を見めぐつて、晝過ぎに西那須發車、夕暮上野着、この三泊の旅を終つた。鹽原にも瀧は多く、

時計を見ると七時五分であつた。そこで東京上野からは正しく僅々五時間で八景の一たる景勝が連接されてゐる

一浴して晝餐を取ると、村の人々が東京日日に對する好感を表示して訪うてくれた。その人々に擁されて

また新に對岸に架されてゐるのである。丁度東京の相生橋と同じやうな状であるが、其の中島が素ばらしい大きな