風流仏 / 幸田露伴
地名一覧
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簪位の御姿を見しは小商人にて、風寒き北海道にては、鰊の鱗怪しく光るどんざ布子、浪さやぐ佐渡には、
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て此妓ありと評判は八坂の塔より高く其名は音羽の滝より響きし室香と云える芸子ありしが、さる程に地主権現の花
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巷に踏入りて、雲のあなたの吾妻里、空寒き奥州にまで帰る事は云わずに旅立玉う離別には、是を出世の
なし、軍事の烈しさ江戸に乗り込んで足溜りもせず、奥州まで直押に推す程の勢、自然と焔硝の煙に馴ては白粉の薫り
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漸く東海道の名刹古社に神像木仏梁欄間の彫りまで見巡りて鎌倉東京日光も見たり、是より最後の楽は奈良じゃと急ぎ登り行く碓氷峠
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なりしも情合の薄いからではなし、軍事の烈しさ江戸に乗り込んで足溜りもせず、奥州まで直押に推す程の勢、自然と
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ど生死争う修羅の巷に踏入りて、雲のあなたの吾妻里、空寒き奥州にまで帰る事は云わずに旅立玉う離別には
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思いの種となって寝られざれ、明日は馬籠峠越えて中津川迄行かんとするに、能く休までは叶わじと行燈吹き消し意を静むるに
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過ぎ二タ月過ても此恨綿々ろう/\として、筑紫琴習う隣家の妓がうたう唱歌も我に引き較べて絶ゆる事なく悲しきを、
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、広き都に置きかね漂泊あるきの渡り大工、段々と美濃路を歴て信濃に来り、折しも須原の長者何がしの隠居所作る手伝い柱を
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見たり、是より最後の楽は奈良じゃと急ぎ登り行く碓氷峠の冬最中、雪たけありて裾寒き浅間下ろしの烈しきにめげず臆せず
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思い立ち独身者の気楽さ親譲りの家財を売ってのけ、いざや奈良鎌倉日光に昔の工匠が跡訪わんと少し許の道具を肩にし
見巡りて鎌倉東京日光も見たり、是より最後の楽は奈良じゃと急ぎ登り行く碓氷峠の冬最中、雪たけありて裾寒き浅間下ろし
そうで外れぬ者じゃ、お辰を女房にもってから奈良へでも京へでも連立て行きゃれ、おれも昔は脇差に好
ざれ。さりながら指折り数うれば最早幾日か過ぬ、奈良という事臆い起しては空しく遊び居るべきにあらずとある日支度
を思わずくるりと易る途端道傍の石地蔵を見て奈良よ/\誤ったりと一町たらずあるく向より来る夫婦連の、何事
の長居、最早三月近くなるにも心付ねば、まして奈良へと日課十里の行脚どころか家内をあるく勇気さえなく、昼は転寝
商買道具の一刀に斬て捨、横道入らずに奈良へでも西洋へでも行れた方が良い、婚礼なぞ勧めたは爺
から、実はお辰めに逢わぬ昔と諦らめて奈良へ修業に行て、天晴名人となられ、仮初ながら知合となった爺
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、目盲てから其昔拝んだ旭日の美しきを悟り、巴里に住んでから沢庵の味を知るよし。珠運は立鳥の跡ふりむかず、
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夏の夕陽の憎や烈しくて御暑う御座りましたろと、岐阜団扇に風を送り氷水に手拭を絞り呉れるまでになってはあり難さ
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東海道の名刹古社に神像木仏梁欄間の彫りまで見巡りて鎌倉東京日光も見たり、是より最後の楽は奈良じゃと急ぎ登り行く碓氷峠
黒痣ありてその位置に白毫を付なばと考えしなり。東京天王寺にて菊の花片手に墓参りせし艶女、一週間思い詰しが是
、枉ても枉ても、御受納と舌小賢しく云迯に東京へ帰ったやら、其後音沙汰なし。さても浮世や、猛き虎