春の潮 / 伊藤左千夫

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地名一覧

霧島

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だ。道ばたの家に天竺牡丹がある、立ち留って見る。霧島が咲いてる、立ち留って見る。西洋草花がある、また立ち留って見る。お千代

の心にはただ省作が見えるばかりだ、天竺牡丹も霧島も西洋草花も何もかもありゃしない。

千葉

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はまも風呂敷包みを持って送ってきた。おとよはもちろん千葉まで同行して送るつもりであったが、汽車が動き出すと、おはま

駅夫が千葉千葉と呼ぶ。二人は今さらにうろたえる。省作はきっとなって、

駅夫が千葉千葉と呼ぶ。二人は今さらにうろたえる。省作はきっとなって、

東京

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思います。精しくはお目にかかっての事ですが、東京へ出るがよいかと思います。

は実際驚いた。私はもう五、六日のうちに東京へいくと決心したんです、お千代さんもおとよさんも安心して

だから、おれの勝手だ。お前もそんつもりでな、東京で何か仕事を覚えろ……おとよさんのおとッつさんが、むずかしい事

のなんぼくだのということは言わんがな、そりゃ東京の方が働きがいがあるさ。それじゃそうと決心して、なるたけ早く実行

千代が来た時までに、とにかく省作がまず一人で東京へ出ることとこの月半に出立するという事だけきめた。おとよは

から、清六の前も遠慮して、家を持ってから東京で祝儀をやるがよかろうということになる。佐介も一夜省作の家

無造作にまとまる。二人を結婚さしておいて、省作を東京へやってもよいが、どうせ一緒にいないのだから、清六の前

「省さんが東京へ行くならぜひわたしも一緒に東京へ連れていってください」

「省さんが東京へ行くならぜひわたしも一緒に東京へ連れていってください」

「なるほど私は東京へゆけば時計はいらない、これは小形だから女の持つにもえい