赤城 箱根 伊東 軽井沢 鎌倉 関東地方 塩原 伊豆 前橋 東京

好みを意味して居る。だから特別の新らしい趣味で、赤城や軽井沢のやうな高原的風望を好いといふ人や、反対に少し古い

併し山として、榛名は特色のない山である。赤城のやうな洋画的の山でもなければ、妙義のやうな文士画風の山

で「好き」と言ひ得る温泉は、何といつても箱根だけである。日光や軽井沢も悪くないが、それは温泉でないから別と

、それは温泉でないから別として、温泉では箱根を第一位にあげたい。人工的方面や、温泉場としての気分の好い

好いことは勿論だが、自然の展望から言つても、箱根の感じは別である。全体に明るくて、新緑といふやうなフレツシユの気分

に明るくて、新緑といふやうなフレツシユの気分が高い。箱根の気分は、旧日本のそれでなくして、矢張新日本のそれである、老人

老人の好みでなくして青年の好みである。さて、箱根に次いで、どこが好きかと言はれると、もはや返事に困るが、嫌ひ

言へば、温泉としての伊香保は、すべてに於て箱根に劣るが、他の塩原等にくらべれば、よほど優つてゐるやうである

他まだ嫌ひな温泉の種類をあげればたくさんある。伊豆の伊東のやうな、海岸の温泉も嫌ひのものの一つである。すべて海岸の

特有の情趣がなく、すべて感じが乾燥して居る。尤も伊東は特別にくだらぬ温泉であるが、他の熱海でも別府でも、温泉

の熱海でも別府でも、温泉らしくない点では、伊東と大同小異であらう。

意味して居る。だから特別の新らしい趣味で、赤城や軽井沢のやうな高原的風望を好いといふ人や、反対に少し古い趣味で

。次でだから言ふが、那須野の自然は実際好い。軽井沢に似て、も少し感じが粗野であるが、それが如何にも処女地と

温泉は、何といつても箱根だけである。日光や軽井沢も悪くないが、それは温泉でないから別として、温泉では箱根

の若い夫人や娘たち――と言つても、大磯や鎌倉で見るやうな近代的な、中凹みで睫毛の長い表情をした娘たちで

塩原等にくらべれば、よほど優つてゐるやうである。関東地方の温泉では、先づ「好い温泉」といふ部類に属するものであらう。特に

風望を好いといふ人や、反対に少し古い趣味で塩原のやうなアカデミツクの景色――山あり、谷あり、滝あり、紅葉ありと

併し、田舎風の温泉でなくとも、塩原のやうな所はまた嫌ひである。ああした種類の風景は、もはや時代遅れ

の伊香保は、すべてに於て箱根に劣るが、他の塩原等にくらべれば、よほど優つてゐるやうである。関東地方の温泉では

。その他まだ嫌ひな温泉の種類をあげればたくさんある。伊豆の伊東のやうな、海岸の温泉も嫌ひのものの一つである。すべて

私の郷里は前橋であるから、自然子供の時から、伊香保へは度々行つて居る。で

私は可成所々――所々といつても東京附近だが――の温泉を歩いたが、未だこれといふやうな温泉