甲州 美濃路 関東 駿府 本能寺 四国 博多 伊豆 石垣山 小田原城 堺 薩摩 岡崎 九州 筑前 箱根 姉川 江戸 対馬 柳川 兵庫 奥州 浜松 小牧山 両国 岐阜 京都 秋田 福島 蒲生 向島

の徳川氏は微々たるもの、海内随一の称を得た甲州の大軍をまともに受けて勝つ自信は鼻柱の強い三河武士にも全くない。

から対面したい気持もないヨ。秀吉が攻めてくるなら美濃路に待つてゐるぜ、と言つて追ひ返した。

当時、中部日本、西日本は全く平定、帰順せぬのは関東の北条と奥州だつた。この奥州で、自ら奥州探題を以て任じ、井戸

仁以外に人はござらぬ。北条の縁者であるし、関東の事情に精通し、和談の使者のあらゆる条件を具備してござる。三成など

わづかに土賊の蜂起を押へてゐるばかり。家康が関東へ移住と共に、施政の第一に為したことが、領内鉄砲の私有

運命は定まつたもので、如水は直ちに家人神吉清兵衛を関東へ走らせて金吾秀秋の内通を報告させた。如水黒幕の暗躍により

一策でござらう。殿下はゆる／＼と御出発、途中駿府の城などで数日のお泊りも一興でござらう。しくじる時はどう石橋

小田原遂に落城、秀吉は機嫌よく帰洛する、途中駿府まで来たとき、小西行長が駈けつけてきて拝謁し、改めて朝鮮使節の来朝

駿府の城で行長の報告をきいた秀吉は大満足。その晩は大酒宴を

、之に比肩し得る人物は先づゐない。たま／＼本能寺の飛報が二日のうちにとゞいたのも秀吉の為には天

左近は松永明智の旧時代の男であつた。家康は本能寺の信長ではない。信長の失ふところを全て見つめて、光秀の存在を忘れる

如水は四国中国九州の例をひき、長曾我部、毛利、島津等、和談に応じた者は

如き耽溺ぶりですらあつた。一つには彼の棲む博多の町に、宗室、宗湛、宗九などといふ朱印船貿易の気宇遠大な豪商

陣立の見当がつくまいな。それ、そこが早川口、伊豆の通路がこゝでふさがれてゐるから、こつちの浜辺を水軍でかためると伊豆

でふさがれてゐるから、こつちの浜辺を水軍でかためると伊豆からの連絡はもう出来ぬ、小田原の地形、関八州の交通網を指摘して

て裏切の心をかため、秀吉方に密使を送つて、伊豆、相模の恩賞、子々孫々違背あるべからず、といふ証状を貰つた

豊臣家滅亡の楔が一本打たれたのだが、石垣山で淀君と遊んでゐた秀吉はそんなことゝは知らなかつた。

小田原へ着いた秀吉は石垣山に陣取り、一夜のうちに白紙を用ひて贋城をつくるといふ小細工を

ある日、秀吉は石垣山の楼上から小田原包囲の軍兵二十六万の軍容を眺め下して至極好機嫌だつた。

陸軍、加藤、脇坂、九鬼等の水軍十重二十重に小田原城を包囲したが、小田原は早雲苦心の名城で、この時一人の名将も

の不思議である。石垣山の崖上へ政宗をつれだして小田原城包囲の陣形を指し、田舎の小競合が身上のお前にはこの大陣立の

氏勝に使者をさしむけて氏政の陣から離脱させたり、小田原城内へ地下道を掘り之をくゞつて城内へ侵入、モグラ戦術によつて敵城

如水は之をたづさへて小田原城中にとつて返し、重ねて氏政を説く。氏政の心も定まつて、

の報をきいて、家康は家臣達にかう諭した。小田原城に智将がをらぬものだから、秀吉勢も命拾ひをしたものだ

本能寺の変が起つたとき、家康は堺にゐた。武田勝頼退治の戦功で駿河を分けて貰つたから、その

梅雪と上洛して、六月二日といふ日には堺に宿泊したのである。平時の旅行であるから近臣数十人をつれて

から、本能寺の変と共に驚くべき速力をもつて堺を逃げだし、逃げ足の早いこと、あの道この道と逃げ方の巧妙なこと、

家康も亦、このときだ。けれども天運に恵まれず、堺に旅行中であつたから這々の体で逃げて帰る、秀吉にしてやら

は首尾一貫連絡をとつてゐる。行長の父は元来堺の薬屋で唐朝鮮を股にかけた商人、そこで行長も多少は朝鮮の

柳川を降参させる、別勢は日向、豊前に、更に薩摩に九州一円平定したのが十一月十八日。

途中に捕はれて横死をとげたが、家康は無事岡崎に帰着して、軍兵を催し、イザ改めて出陣といふ時には、光秀退治

の程を願ひませう。その代り、中国征伐のついでに九州も平らげてしまふから、九州の年貢の上りを一年分だけ褒美に頂戴致し

その代り、中国征伐のついでに九州も平らげてしまふから、九州の年貢の上りを一年分だけ褒美に頂戴致したい、之を腰にぶらさげ

調に徴状を発し、如水や安国寺恵瓊に向つて、九州の次は朝鮮、その朝鮮を案内に立てゝ大明征伐が俺のスゴロクの上り

ところが、九州が平定する。すると秀吉は忘れてゐない。さつそく宗義調に命じ

に刻んである。家康と三成が百日戦ふ間に、九州は一なめ、中国を平げて播磨でとまる。播磨は俺のふるさとで、こゝ

抑へた胸のうち、その播磨で、切りしたがへた九州中国の総兵力を指揮して家康と天下分け目の決戦、そこまで言ひたい如水で

に出陣はいかゞ、上方に両軍開戦の知らせを待つて九州の三成党を平定するのが穏当でござらうと言つたが、なに三成

食はぬ顔。家康の懐刀藤堂高虎に書簡を送り、九州の三成党を独力攻め亡してみせるから、攻め亡したぶんは自分の領地

上国に働いてゐるから、倅は倅で別の働き、九州は俺の働きだから恩賞は別々によろしく取りなしをたのむ、といふ文面。

独力九州の三成党を切りしたがへた如水隠居の意外きはまる大活躍は、

クスリと笑つて、なに、あの策師がかへ、九州の働きとな、ふッふッふ、誰のための働きだといふのだへ

はして如水を敬々しく大坂に迎へ、膝もと近く引き寄せて九州の働きを逐一きく、あの時は又この時はと家康のきゝ上手、

死んだので、家康のはからひでそのまゝもとの筑前を領してゐる。

かくて如水は筑前に攻めこみ、久留米、柳川を降参させる、別勢は日向、豊前に、更に

家康をうながし、連立つて信雄の陣へ押掛ける。小田原は箱根の山々がクッキリと、晴れた日は空気に靄が少くて、道はか

火急の陣ぶれ、夜に日をつぎ、慌てふためいて箱根に到着、陳弁だら／＼加勢を申出る。秀吉は石田三成を差向けて先づ存分

＼茫然、素肌に陣羽織、猿芝居の猿のやうな小男が箱根の山よりも大きく見えてしまふのだつた。この人のためならば水火

も御渡海遊ばすか、と家臣が問ひかけると、バカ、箱根を誰が守る、不機嫌極る声で怒鳴つた。まことに然り。謀反を

の力持が家康で、専ら田舎廻りの奔走、頼まれゝば姉川へも駈けつけて急を救ふ、越後の米つき百姓の如き精神を一貫、行動

小田原の地はもはや時世の城ではない。二十里東方に江戸といふ城下がある。海と河川を控へ、広大な沃野の中央に位

ふ。落城が七月六日、家康が家臣全員ひきつれて江戸に移住完了したのが九月であつた。その神速に、秀吉は度胆

家康が名護屋に向つて江戸を立つとき、殿も御渡海遊ばすか、と家臣が問ひかけると、バカ、

と、その翌日はすでに息子秀忠は京都を出発走るが如く江戸に向ふ、父子東西に分れて天下の異変にそなへる家康例の神速の巻

出陣、井上九郎衛門、母里太兵衛が諫めて、家康がまだ江戸を動いた知らせもないのに出陣はいかゞ、上方に両軍開戦の知らせを

中には同時に朝鮮遠征の計画をも合せ含めて、対馬の領主宗義調に徴状を発し、如水や安国寺恵瓊に向つて、九州の

の先の島まで来てゐるし、後詰の大軍はすでに対馬に勢揃ひを完了してゐる。十数万の精鋭であるから、今

かくて如水は筑前に攻めこみ、久留米、柳川を降参させる、別勢は日向、豊前に、更に薩摩に九州一円平定

ところが兵庫へ到着し、愈々決戦近しといふので、山上へ馬を走らせ山下の

は家康と信雄で、北条と通謀して夜襲をかける、奥州からは伊達政宗が駈けつける手筈になつてゐるなどゝ、流言必ずしも根のない

、西日本は全く平定、帰順せぬのは関東の北条と奥州だつた。この奥州で、自ら奥州探題を以て任じ、井戸の中から北国

、帰順せぬのは関東の北条と奥州だつた。この奥州で、自ら奥州探題を以て任じ、井戸の中から北国の雪空を見上げて

のは関東の北条と奥州だつた。この奥州で、自ら奥州探題を以て任じ、井戸の中から北国の雪空を見上げて、力み返つて

ずして北条が滅亡する、二十六万の大軍が余勢をかつて奥州へ攻めこんでは身も蓋もない。目先はくもらぬ男であるから、即刻

とゞまるやう説得方を願はせた。小田原征伐が終り奥州も帰順して、ともかく六十余州平定、応仁以降うちつゞく戦乱にやうやく終止符らしき

まだ小田原征伐が残つてゐる、奥州も平定してゐないといふのに、秀吉は宗義智に督促を発して

どうなさる、目に涙をため、家康の馬の轡を浜松の方にグイと向けて、槍の柄で力一杯馬の尻を殴りつけ、追ひ

よつて打ち落した。顔も鎧も血で真ッ赤、やうやく浜松の城に辿りつき、門をしめるな、開け放しておけ、庭中に篝をたけ

の金言で出来てゐるやうな男だと思ひ、秀吉が小牧山で敗戦したのも無理がない、あのとき俺がついてゐても戦さ

坊主と折衝中であつた。親父に代つて長政が小牧山に戦つたが、秀吉方無残の敗北、秀吉の一生に唯一の黒星を印し

家康のお株を奪ふ地味な実質策をとる。家康は小牧山の合戦に勝つた、とたんに秀吉は織田信雄と単独和を結んで家康を

破竹の秀吉を小牧山で叩きつけて、戦争に勝つたが、外交に負けた。上昇期の秀吉は

。之は不思議、いさゝかお言葉が過ぎてござる。殿下は小牧山で拙者に負けたではござらぬか。余人は知らず、拙者の控える目

が秀吉で、イヤハヤ、大失敗、猿公木より墜落ぢや。小牧山で三河の狸に負けたことがあつたとは残念千万。

一、両国の大臣が誓紙を交換する

、官兵衛は主人を説いて屈服させる。即座に自らは岐阜に赴き、木下藤吉郎を通して信長に謁見、中国征伐を要請して、

違ひに茶の湯が板につく男だ。小田原陣が終つて京都に帰つた頃はいつぱしの茶の湯好きで、利休や紹巴などゝ往来し、

だらうといふ流言をまともに受けて、そのドサクサに一気に京都へ攻めこんで天下を取る算段まで空想、むやみに亢奮して近隣をなぎ倒して

通信使たる黄充吉、副使の金誠一らを伴つて京都に上り、之を帰順朝貢と称して上申したのだが、朝鮮王

ヨシヨシ、待たしておけ、問題にしない。五ヶ月間、京都に待たせておいた。

大したもの、折から印度副王からの使節なども到着して京都は気色の変つた珍客万来、人々は秀吉の天下を謳歌したが、

京都へ帰着。日本国関白殿下の大貫禄をもつて天晴れ朝鮮使節を聚楽第

を喜び、とつて帰すと、その翌日はすでに息子秀忠は京都を出発走るが如く江戸に向ふ、父子東西に分れて天下の異変にそな

したのを見定めると、信雄の領地を没収して、秋田に配流、温和な狸の動きだす根を絶やしてしまつた。

天下を我物にするつもり、とさゝやかせる。加藤清正、福島正則ら三成を憎みながらも家康を信用しない荒武者どもを勧誘して家康

腹蔵なく言ふがよい、と秀吉が言つた。徳川、前田、蒲生、上杉、各人各説、色々と説のでるのを秀吉は笑つてきい

三女、松の丸殿は京極高吉の娘、三条局は蒲生氏郷の娘、三丸殿は信長の第五女、姫路殿は信長の弟

長束増田らの邸宅に近く不意の襲撃を受け易いと向島の下屋敷へ引越させたのも如水であつた。その頃はまだ前田利家