千日前 中之島 大阪 大阪市 住吉 京橋

のことであるが、瀬戸内海の大海賊赤格子九郎右衛門をひっ捕え千日前の刑場で獄門に掛けたことがある。その赤格子九郎右衛門こそ其方にとっ

「何ね中之島の蔵屋敷前で、老人の武士を叩斬り、懐中物を抜いたはいいが、

「白糸」「削竹」のこの二つは、当時大阪を横行していた一群の怪賊の合言葉であった。そうして慣用

お前の素性も解った。播州赤穂の山屋といえば大阪までも響いていた立派な塩の製造業。そこの娘とあるからはなるほど

も同じく噂ではあったが、この盗賊の一群は、大阪市中を流れている蜘蛛手のような堀割を利用し、帆船端艇を繰り廻し、

「さては住吉の海上へ、商船に装わせ、碇泊りさせた毛剃丸、捕方共

「住吉の海上におきまして海賊船を見付けましてござる」

「何、住吉の海上で海賊船を見付けたとな。それは何よりお手柄お手柄。

「はい、妾は京橋の者、悪漢共に誘拐され、蘆の間に押し伏せられ手籠めに合おう