明治開化 安吾捕物 17 その十六 家族は六人・目一ツ半 / 坂口安吾
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「テメエの話は人間のメスには分らねえよ。北海道へメス熊の腰をもみに行きな」
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で身が立つはずだ。私の兄弟子がお客のヒキで高崎へ店をもちましたが、羽ぶりがいいッで話さ。その高崎のお客てえ
店をもちましたが、羽ぶりがいいッで話さ。その高崎のお客てえのが、やッぱりここが定宿の人さ」
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もみましたが、このお客さんはこの日はじめてお泊りの大阪の薬屋さんとか云ってた方です。アンマをよぶなら後でたのむとお
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人形町へ参りましょう。犯人を取り押えに。もっとも泉山さんは、氷川町から人形町へ直行なさる方が近道ですね。では、おやすみ」(ここで一服
フクレッ面はとがッたままだった。昨夜の別れ際に、氷川町のことまで新十郎に先廻りして云われたのが癪にさわって堪らないから
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の師匠のウチへ住み込みでも結構でさア。どうも、東京を食いつめちゃったよ」
「何をやらかして東京を食いつめたのだ」
「腕がよくッて、気がやさしくて、利口で、広い東京にも二人と見かけることができないような若いアンマがいるが、お志乃
ベラボーめ。腕自慢のアンマが流して歩けるかい。いよいよ東京もつまりやがったな」
とられます。この節はどの町内もアンマだらけで、もう東京はダメでさア」
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弁内が住みこんでいる師匠のウチは、人形町のサガミ屋というアンマ屋サン。
そして、支度のできた新十郎一行は人形町の現場へおもむいた。それはもう二日目で、一応の調査が終っ
参りましょう。犯人を取り押えに。もっとも泉山さんは、氷川町から人形町へ直行なさる方が近道ですね。では、おやすみ」(ここで一服。
「明日、正午に私の書斎に落合いましょう。そして、人形町へ参りましょう。犯人を取り押えに。もっとも泉山さんは、氷川町から人形町へ直行
虎之介は人形町へ直行した。新十郎の図星のようになってしまって、何から何
オカネの貯金場所を突きとめる機会にめぐまれました。その上、人形町はアンマがふえて仕事が少くなり、お志乃のムコも殆ど定まってしまっ
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てきて、待っていたお志乃をのせて去る。浜町の伊勢屋から昼のうちにお約束の口がかかっていたのである