野路の菊 / 清水紫琴

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地名一覧

有馬

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旦那の一所に行かれぬを幸ひに須磨の海水、有馬の温泉と、毎年極まつて行くのなれど、薬は水でも湯でも

博多

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友仙の美しきは、ちやうど袷になりもやせむ白地博多に太やかなる赤の一本筋は、ちとあつさり過ぎたれど、いづれ

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事といへば何でもお静さんにいひ付け、今日は堺の大浜、明日は大川の凉みと、下へも置かず若旦那の御機嫌とるは

大丸

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をおもちやにせらるるものと。お秋よりは、大丸の手代眼を団うして見送りぬ。跡にはお艶が好みの品々

難波

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名にしあふ難波の街の金満家、軒を並ぶる今橋筋にもこは一際眼に立ちて

福島

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ここは大坂の町外れ、上福島村の何番地といふに、近頃引越したる親子あり。あるじは去年脳充血

にも今日の昼過ぎ、母様にはそちまでと偽りて、福島村まで参り、そこよここよと問合はせましたれど、そんなお方

切なる折から、運よくも、昨日髪結のお吉の、福島村あたりに、詫び住居したまふ御様子との事、母様にささやきしを

しが、その後の事はいかなりゆきけむ。今も上福島村なる淵瀬の住居には、老母ひとり淋しげに留守居して、もの堅

東京

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お艶のさしがねに出た事とは御存知なく、嬉しさうに東京へ、修業に御出でなされたは、はや三年越来年あたりは高等学校と

はつれなき詞に。金三の上お秋の上さては東京に在る金之介の上まで、気遣ひは気遣ひながら、どこを尋ねてよきやら